第三次月詠聖杯戦争十日目 深夜パート2

10日目 深夜 西区


  GM  : クレダが夜道を、死体を背負って歩いていると……すっげえ通報されそう(笑)
  クレダ : 見咎められたら、お酒を飲みすぎて…とか言いますよ。
  GM  : 中学生!(笑)
  クレダ : それは見た目だけ!(笑)         でも、足取りが重いのは、アンジェの体重だけが原因じゃなかった。
  GM  : 前方からふよふよ不気味なものがやってきます。         まあ目玉を大量に固めたような不気味なものがやってくる。
  クレダ : 「…げ」
  GM  : まあその不気味なものはクレダも連れてるんですがね。
  クレダ : 「いや…まあ同系統なら、それはそうか」
  GM  : 不気味2がクレダの前までやってきて、灰色の宝石を吐きだします。         すると死体ジェリカの腕が突然動いて、その宝石を掴みました。
  クレダ : 「こいつ…動くぞ。でも、よく誰にも見つからなかったですね。          見つかったらそれはそれで、妖怪談になるだけの気がしますが」
  GM  : アンジェ「ウェヒヒヒ……それは苦労したよ。でもバーサーカーを動かすよりはましだからね」         不気味2号が灰色の宝石に吸い込まれていきます。
  クレダ : 「バーサーカーどうしたんですか? おかげでこっちは余計な勘ぐりさせられましたよ」
  GM  : アンジェ「暴れさせるわけにはいかないからずっと抑えていたよ。損傷も激しいしね」
  クレダ : 「しかもセイバーまでもってかれるし。今の私はただの一般人ですよ」
  GM  : アンジェ「ありがとう、クレダちゃん」
  クレダ : 「うっ…、な、なんか面と向かってお礼を言われると照れますね」
  GM  : アンジェ「なんで私を売ったの?」
  クレダ : 「いや、アンジェだったら強いから負けないだろーと思い込んで」
  GM  : アンジェ「ウェヒヒヒ。冗談だよ。私もそう思ってたけど、アダムは予想以上の化物だったよ」
  クレダ : 「うわぁ」
  GM  : アンジェ「なんていうか相性が悪いのかな」         とりあえずアンジェは背負われたまま。
  クレダ : 「っていうか、私とセイバーもアダムたちと相性悪かったんですけど。ずるいなあ」
  GM  : その時何が起こったのか幕間だそうか?
  クレダ : お願いします。

10日目 夜 北区/ホテル


 アンジェリカ=チェチーリアは駅前のホテルの一室で、ベッドに座って一冊の本を読んでいた。  数日前まで、彼女は霊地である灯台を拠点にしていた。  しかし昨日の戦闘で灯台そのものが崩壊し、彼女は拠点を失っていた。  彼女自身は陣地作成の技術はもたない。彼女は魔術師ではなく魔術使いだからだ。  なのでこのホテルを宿にしたのは、人口密集による戦闘避けを期待したからである。  なお、傍目に未成年の彼女が一人で部屋を取るのには暗示魔術を使用している。 「……でもまあ、来るやつは来るよね」  アンジェリカは読んでいた魔法書を閉じ、ワンドを手に取ってたちあがった。  ホテルの入り口に設置しておいた魔術が、真正面から入ってきたアダムとイヴを捉えたのだ。  アンジェリカは部屋を出て、足早に廊下の端まで行き、エレベーターではなく階段を選んだ。  彼女のとった部屋は、五階建ての中の四階にある。ロビーよりも屋上の方がずっと近い。  そして階段をのぼりながら、マスターカードのメール機能をON。  ランサーとセイバーのマスターに向けてメールを打った。 『アサシンに襲われてるからちょっと助けに来てくれないかな』 「……まあ、望み薄だけどね。ウェヒヒヒ」  屋上のドアを開けて彼女はひとり呟いた。  タイミングから考えて、深夜に予定されていた襲撃の機先を制された形だ。  あの襲撃のことを知っていたのは、他にランサー陣営にセイバー陣営。  個人の情はさておいて、あの二組が結託している可能性は非常に高い。  となるとアサシンとバーサーカーをぶつけ、弱った方を打ちとる……まあそんなところだろうか。  屋上で夜風に吹かれながら待っていると、しばらくして屋上のドアが開いた。  出てきたのは金髪の青年――――アダム。  手に直剣を下げているが、一人だった。 「あれ、アサシンはどうしたのかな? もしかして話し合い?」 「いや、彼女は邪魔になるので置いてきた」 「ふうん。サーヴァントが弱いと大変だね」 「そうだな」 「ところで一ついいかな? 今襲ってきたのは誰情報?」 「クレダだ。彼女から、君がネイビアを殺害するという情報があったのでな」 「誤解だよそれ。いまからちょっと二人で、クレダちゃんのところに抗議に行かない?」 「俺はネイビアより貴様の殺害を命令されている。その交渉は受け入れられない」 「残念だよ……バーサーカー!」 『それでもなお、人は神のなされるわざを初めから終りまで見極めることはできない――――!』    配置      アダム:バーサーカー/アンジェ      IV:バーサーカー、アダム、アンジェ (さて、と。勝率を計算しようか。  おそらくアダムは私と互角レベルのマスター。基本勝率は50%  サーヴァントの強さはこっちが有利かな。これで+50%  ただしアダムとバーサーカーの相性は悪いよね。  相手は生まれたばかりのホムンクルス……無罪存在。  バーサーカーの炎も宝具も額面通りの威力しか発揮しない。−20%。  アサシンがいればそっちを狙いうちにできたんだけど、仕方ないな。  こっち宝具は……この状況じゃ『神の炎』も『シビュラの託宣』も使えない。  勝率は80%ってところかな。  まあどの道、ここで戦う必要はなにもない。深夜になれば合流の約束だしね。  そこでセイバー達と戦うことになるかもしれないし、どっちにしろ消耗は避けないとね。  この場での勝利条件は撤退に設定しようか。  私は足が遅いけれど――――バーサーカーを盾にして撤退、そのあとバーサーカーも引かせれば問題ないかな  けど……私と互角と想定するなら、切り札の2個や3個は持ってるよね)  アンジェは歴戦の封印指定としての戦闘経験から、彼我の戦力差を計算する。  アダムの性能が、彼女の見た通りであったのなら、その戦術に間違いはなかっただろう。  しかし今回のアダムは掛け値なしに、本当にアンジェを殺しに来ていた。    冒頭宣言     アンジェリカ:救済花弓起動     バーサーカー:奈落の門起動        アダム:プロト・カルキ起動 「音声起動コードを入力する。  我は常世全ての善を敷くもの、常世全ての悪を敷くもの。  System KALKI-0。執行者モード、起動」  アダムが高く跳躍する。  その体に――――ビルの下から猛スピードで上昇してきた、機械的な複数のパーツが食らいついた。  その正体はホテルの脇に駐車した、アダムの白いバイクだった。  それが複数のパーツに分離し、それぞれジェット噴射で上昇してきたのだ。  パーツは一瞬で、アダムの全身を包むように装着される。  その後には、何かの武神をモチーフにしたような、純白のパワードスーツが滞空していた。  ぞくり、とアンジェリカの背筋が凍りつく。 「ウ、ウェヒヒヒ……なにその『宝具』? あなた本当に、ただのホムンクルスなの?」 『目標確認。排除開始』 「バーサーカー!」  アンジェが指示を飛ばす、が  アダム――――のようななにか――――の初動は、バーサーカーの機先を制した。  スキル効果ではなく、単純な身体能力がバーサーカーを上回っていることを示していた。  驚愕すべき数字である。  そしてその初撃には最大の殺意が込められていた。  アダムが手にする直剣が上段に構えられ、凄まじい炎熱がその刀身を覆う。  直上からの撃ち降ろし。  そこに乗るのはここには居ない、アサシンの呪詛。               ――――――『簒奪王剣・天魔失墜(バルムンク)』、解放を許可します。    アダム行動 魔力放出、武術++発動。アンジェリカを対象。天魔失墜発動。     20ANG5+30+10+30ANG5+10ANG5      (ころころ……) [1,6,2,1,3,(中略),4,3,6,1,4] = 85    ラック使用。     2ANG5+13ANG5+85      (ころころ……) [1,2]+[6,6,6,2,2,6,2,6,3,5,4,4,3] = 95  巨大な炎熱の柱が、直下のバーサーカーとアンジェリカを襲い、そのままホテルごと飲み込んだ。  直後に衝撃波が、ホテルそのものを上から押しつぶすように破砕した。
  クレダ : 「これはもう駄目かも。普通の女の子に戻ります」
  GM  : アンジェ「それがいいと思うよ。              これでクレダちゃんはサーヴァントを失ったんだから、リタイアするしかないね」
  クレダ : 「アンジェは?」
  GM  : アンジェ「私は聖杯を得るまで戦い続けるよ。              まあ、切り札を一つ見せちゃったのは痛いけどね……ウェヒヒヒ」         胸元の灰色の宝石をつまみます。
  クレダ : 「…同じアプローチじゃ、同じ結果になるだけですよ? 手は考えてるんですか?」
  GM  : アンジェ「弱点は大体わかったと思うから、まあそれなりにね。              ああ、そうだ。クレダちゃんにはお礼がてら、話しておこうかな。私の身体のこと。              そう……この身体はただの死体、というか人形。              あの街で死んだ魔法少女たちの遺灰を集めて固めた、この世界での寄り代なんだ」
  クレダ : むしろよく10年ももった、というべきか。         「…そっか」
  GM  : アンジェ「本当の私はこの宝石……ソウルジェム。              これを破壊すれば私は死ぬし、これが破壊されない限りは死なない」
  クレダ : (それは…あの街に縛られないほうがおかしいよね)         アンジェはまだあの街に立ってる。         体の一部一部、そこにまとわりつく過去という怨霊が、彼女を放してはくれないから。
  GM  : ちなみに魂の物質化……疑似第三魔法です。
  クレダ : 魔法のバーゲンセール。
  GM  : 彼女が封印指定を食らってのは何よりこのせい。         バーゲンセールじゃないっすからね? 封印指定食らってるからね?(笑)
  クレダ : 封印指定こそ安売りされてそうなイメージ(笑)
  GM  : まあ、そうだけど(笑)         アンジェ「……あの儀式で、私の魂は高いところに放りあげられてしまった」
  クレダ : (言いたくはないけど…アンジェの体は、戦いには便利だったに違いない)
  GM  : アンジェ「そして中途半端なところで留ってしまったんだ」
  クレダ : (でも、一つの成功が、全体の成功に繋がるとは限らない…)
  GM  : アンジェ「そうだね……本来の私は『精霊』なんて呼ばれる存在なのかもしれない。本当はこの世の住人じゃない。              でも、それを疑似的な第三魔法で、無理矢理に投影してきてるのが……今の私」
  クレダ : 私の頭の中には、ナターシャさんが連れていた子供たちの姿が浮かんでいる。
  GM  : アンジェ「クレダちゃん。私の目的と、クレダちゃんは関係ない。              そして私は、クレダちゃんに生きていてくれれば、それでいい。              リタイアして」
  クレダ : 「わかりました★」
  GM  : アンジェ「そう……よかった」
  クレダ : 「…いや、ボケですからね? つっこんでくださいよ。          っていうか、そこではいって言うような性格じゃなかったじゃないですか。…いや、そうでもないか。          大人しく、なんでも“はい”“はい”って言って、嵐が過ぎ去るのをまってるだけ…だったかな」
  GM  : アンジェ「ジョークにしては笑えないね」
  クレダ : 「笑えるジョークを考えておきます。…あと、はっきりさせておきますけど」         と、先ほどのシーンであったことを話て。
  GM  : アンジェ「うん。とりあえず敵の出す食べ物は食べない方がいいね」
  クレダ : 「もし、アサシンが、あなたの命の代償に、たとえばネイビアの殺害とか、藤河さんの殺害とかを要求してたら…」
  GM  : アンジェ「していたら?」
  クレダ : 「それは確かに失策でしたねぇ。ついつい警戒が緩んだ…のは言い訳に過ぎませんが。          もしそう要求されていたら、アンジェの命は二の次に考えてたと思います」
  GM  : アンジェ「そうなんだ。それでいいと思うよ」
  クレダ : 「“大切なもののためなら何をしてもいい”っていうのは…絶対に認められないから」
  GM  : アンジェ「でもあなたにはもう力がない。サーヴァントを失った以上、無駄死にするだけだよ」
  クレダ : 「そうかもしれませんね」
  GM  : アンジェ「無駄死にしないで……聖杯戦争が終わっても貴女の人生は続くんだから。              それじゃ……忠告はしたからね」         アンジェは去っていきますがいいですか。
  クレダ : 「アンジェリカ」
  GM  : 「なに? クレダちゃん」
  クレダ : 「言われなくても、私は、自分のために生きてきました。これからもそうします。誰にも好き勝手はさせません」         …少なくとも、私に対しては。         「ええ、そうです。だから、私に死ねと言っていいのはあなただけですから」
  GM  : 「……そんなこというわけないじゃない」         では離脱していいですか?
  クレダ : ええ。
  GM  : アンジェリカ、離脱。というあたりでシーン切りましょうか。         サーヴァントを失ったクレダはどうするのか!?         アサシンに奪われたセイバーはどうなるのか?
  クレダ : セイバーのことは諦めろ! やつはもういない!
  GM  : PL2さんが暇になるからさっさと取り戻せえ!
  クレダ : さっさとも何もGMには言われたくない。(笑)