第三次月詠聖杯戦争九日目 昼パート

8日目 昼 廃屋


  GM  : 夢イベントですね。
  セイバー: の、前に。         朝、ランサー達にも纏めて対軍回復かけるとか装填するとか言っていたであるが、その処理は?
  GM  : おっと。ではランサー陣営は20点消耗してるということで。
  セイバー: 『では』じゃないのである(笑)
  GM  : クレダが処理してください。
  セイバー: 寝た上でそれであるか?
  GM  : 籐河は寝ていない。>寝た上でそれ         だからまあ回復してくれなくてもなんとかなるよ。
  セイバー: ともあれ、対軍回復その他をどーぞであるな。
  クレダ : セイバーはどれくらい消耗してますか?
  セイバー: HP34/58、MP1/54−28、鎧防御点25点、バーブレッドHP15/80、アリスHP35/80である。
  クレダ : HP24、MP35、外付けたくさん?
  GM  : たくさん。
  クレダ : んーーー…どう計算しても1ターンじゃムリですね。まあ、ひとつづつ処理していきましょう。         まず、天の目が回復します。対象は天の目自身とセイバー。達成値分MP回復。         20an5+1an1         (ころころ……) [5,4,3,6,4,3,4,3,6,2,1,6,1,4,2,3,4,2,5,4]+[4] = 17         でもってクレダ本体が、分割思考で回復魔術。分割思考+で対軍、対象全員のMP。         12an5+10an5+1an1 達成値の半分回復。         (ころころ……) [2,3,2,4,2,5,1,2,6,6,1,3]+[2,3,1,2,5,3,3,4,5,2]+[2] = 20         私だけ5点、他の人は10点回復です。         次。分割思考+でクレダとセイバーのみ回復。HPで、達成値分。         12an5+10an5+1an1         (ころころ……) [1,4,6,4,1,3,2,5,4,1,3,3]+[5,5,1,6,1,3,5,5,6,6]+[6] = 18         通算、クレダが3消費。セイバーが18回復。
  セイバー: HP54/58、MP21/54−33、鎧防御点30点である、現在。
  クレダ : 最後は2回目と同じ内容。         12an5+10an5+1an1         (ころころ……) [4,1,6,1,1,3,3,3,4,4,6,5]+[3,3,6,4,6,4,4,2,5,2]+[2] = 18         結果も同じ。最後に、天の目とクレダ本体のダブル瞬間魔目。         セイバーのMPを回復させます。
  セイバー: あ、今足りないのHPである。同じ事であるが。
  クレダ : ん。了解。じゃあHPで。         12an4 達成値の半分         (ころころ……) [6,2,6,4,2,1,3,6,5,2,4,2] = 8         12an4 達成値の半分         (ころころ……) [1,4,4,4,2,6,4,1,3,3,2,6] = 10         合計9。行動終わり。
  セイバー: HP58/58、MP21/21、鎧30点、バーブレッド38/80、アリス35/80である。
  クレダ : あと、演出として、ネイビアの船の周囲を監視しておきます。         判定としては、後で社会判定で調べるんですけれど…         アンジェリカが単独で向かった場合、追いつけるように。
  GM  : うい。
  クレダ : …その場合、船の近くで寝たほうがいいか。昼は家じゃなく港の適当なところで休みましょう。
  GM  : では夢イベントに入りましょうか。
  クレダ : はい。お願いします。
  GM  : 港の適当なところって、どこだ? 海の家とか?(笑)
  クレダ : 民宿とか空き家とかを探しますよ。なければ、レンタカーの中で寝ます。
  GM  : じゃあレンタカーの中で。
  クレダ : 最悪、野宿でもいいですしね。
  セイバー: 「狭いであるなー」         ので、まだ鎧着てないのである。
  GM  : セイバーは外にいるべきじゃないか?(笑)
  クレダ : 「鎧もあったら入りきらないですよね」         車の天井の上? ジョンウーアクション。         「それだけ小柄になったのにまだ狭いと?」
  セイバー: 「やっぱり鎧を着てないと拙は落ち着かないであるからな」
  クレダ : 「まあ私としても違和感ありありですけどね」
  セイバー: 「まぁ、ちゃんと見てるから、マスターは休むのである」
  クレダ : 「よろしくおねがいします。もうすぐこの戦いも佳境ですから、体力を温存しておかないと…」
  GM  : しかしめちゃくちゃ暑いだろうな。
  クレダ : 夏の炎天下に車を止めてるわけですからね。快適性はかなり低いでしょうね。         まあ、赤道直下の国よりはましですよ。
  GM  : というわけで夢に入ろうか。         ・・・・・・・・         ・・・・・・・・         ・・・・・・・         夢……夢を見ている……         というわけで夢タイムです。
  セイバー: 猫「お休み。また来たのか?」
  クレダ : 「………あ。あと5分…」(すぴー。すぴー)
  セイバー: 猫「残念だがこの世界で寝ても元の世界には戻れないね」
  クレダ : 「疲れてるんだからちょっとくらい休ませてくださいよ…」
  セイバー: 猫「はてさて、俺は君が疲れてるなら別に構わない。           元に戻っても文句は無い。だが、君自身はどうなんだろうな?           この世界で何を知ろうとし、何を聞こうとし、何を見るかはお前さん次第だ。           別に俺は見なくても聞かなくても知らなくてもいいと思うがね」
  クレダ : 「ふわぁ・・・………ケ・セラ・セラ」
  セイバー: 猫「お休みだ。ようやくちゃんと寝たらしい。何処かに行く気はあるかね?」
  クレダ : 「どこかと言われると…そうですね。あえていうなら。核心かな?」
  セイバー: 猫「なら、卵の所にはもう行っただろう。残りはお城と荒野と何処かになる。           何処を選んでも近道かもしれないし、何処を選んでも回り道かもしれない」
  クレダ : 「じゃあ花占いでもしましょうか」
  セイバー: 猫「実に少女趣味で結構。俺は好きでも嫌いでもないがね」
  クレダ : 「城ー、荒野ー、城、荒野、城ー」             10分経過         「えーと…どこまで数えたっけ」
  セイバー: 猫「さて。俺は数えてないから知らないな」
  クレダ : 「やっぱり花びらを千切らなかったのは失敗でしたね。          ま、忘れたって事は、そこまで重要でもなかったんでしょう」         と言って、周囲を見渡します。         城が見えたらそちらの方へ歩いていきますよ。         「アデュ〜」
  セイバー: 猫「見回しても何も見えないさ。此処は誰かが何処かへ行こうと思わなければ何も見えない。           同時に聞こうと思わなければ聞こえないし、言おうと思わなければ言う事ができない」
  クレダ : 「めんどくさい仕組みですね…」
  セイバー: 猫「同感だね。実にしち面倒で手間がかかって、俺に迷惑千万な話だ」
  クレダ : 「必要とされない限り何もしないのが私の生き方なのに」         と、冗談めかして言います。         「これじゃ学校ですよ」
  セイバー: 猫「それはある意味幸福と呼べるかもしれないし、           それはある意味不幸とも呼べる生き方かもしれないね。俺にはどっちでも良い事だが」
  クレダ : 「ところでチェシャ猫さん。アリスを見ませんでしたか?」
  セイバー: 猫「見たことしかないとも言えるし、見たことも無いとも言えるね。さぁ、どっちかな?」
  クレダ : 「では、彼女は今どこに?」
  セイバー: 猫「何処にも居ると言えるし、此処にも居ないとも言える。さぁ、どっちだろう?」
  クレダ : 「では、質問を変えましょうか。この夢は、アリスの見ている夢なんですか?」
  セイバー: 猫「さぁ、どうなんだろうね?果たして此処はアリスの夢と呼べるのかな?           それとも君の夢と呼べるのだか。いやはや『君たち』の夢なのかもしれない」
  クレダ : 「なるほど」
  セイバー: 猫「俺には何の断言もできないし、何の否定も有りはしないし、何を肯定することもない」
  クレダ : 「では…、どうすれば彼女に、挨拶できますか?」         コミュニケーションは挨拶から、と。
  セイバー: 猫「もうしたはずだよ。覚えてないのかね?」
  クレダ : 「………え、いつ?」
  セイバー: 猫「何の断言も否定も肯定もしない俺だが、もうした事実は変えれないな」
  クレダ : 「じゃあもう一回お願い」
  セイバー: 猫「さて?君が思い出せば良いことじゃあないのかね?」
  クレダ : ぎーぶみーあちゃあーんす 最後にかけてみたーいーんだー♪         わーんもーあちゃあーんす 後悔だけはしたーくーなーいー♪
  セイバー: 猫「ヒントはもう既に出ていた筈だ。さぁ、どうする?」         #今までの夢会話と、前回の夢会話思い出してみよう!
  クレダ : 「そこをなんとか。お土産のマタタビあげますから。ヒント頂戴、ヒント」         懐から取り出したるは、大吟醸マタタビ侍。
  セイバー: 猫「マタタビなんて下品なものは好きじゃあないな。上品に燻らせるものなら考えないこともない」         #最後の方でフラグだって言ってたやつとかね!>思い出してみよう
  クレダ : 正直に言いますけど、量多すぎるんですよ。(笑)
  セイバー: 猫「会話の量が多いかどうかは知らないな。           君の口が良く回るか回らないかの違いじゃないかね?           さて、お前さんは核心とやらを知りたいのだったかな?           じゃあ、『誰』と話しに、『何処』へ行くか、お前さんが決めるといい。           なんと3分もだんまりだ。そんなに何を考え込んでいるのかな?           さぁ、もう5分が経つ。君は何かを知りたいんじゃなかったのかね?           7分。話しかけなければ何も始まらないが、お前さんが何も始めたくないのなら、そのまま黙っているといい」
  クレダ : 「まったく。煽らないで欲しいですね。誰かに煽られてミスをしたとき、          咎められるのはミスをした自分であって、煽った誰かではないのですから…往々にして」
  セイバー: 猫「では決めたかね?『誰』と話しに、『どう』声をかけるか」
  クレダ : (どこへ行くかじゃなかったんかい)
  セイバー: 猫「往々にして表現も方法も変わるのさ」
  クレダ : 「困ったときは原点に立ち返れ、と言いますし。お茶会をしていた場所に戻りましょうか」
  セイバー: 猫「それが君の選択でいいのかね?」
  クレダ : 「いいですよ。失敗したらその時はその時ですから。…でも、誰と話すかという質問でしたけれど。          それ、違いなんてあるんですか? 全部、彼方なんじゃ?」
  セイバー: 猫「そうかもしれないし、そうでないかもしれない。           お前さんはもう既にアリスに会っているし、挨拶もかわしたな。           しかし今現在話していないというだけさ。         * * *         猫「さて。森に着いた」         帽子「おや?なんだなんだまた来たのかね?            相変わらずヤマネと兎は来て居ないんだ。しかし君なら体積の分二人の代わりになるだろう。            さぁ、お茶を淹れよう。砂糖は何杯?ミルクは何滴?」
  クレダ : 「砂糖2杯でお願いします。ミルクはいれない代わりに、カモミールをお願いします。          ごきげんよう、帽子の人」
  セイバー: 帽子「うん、うん、それでいいとも!さぁ、お茶は淹れた、            お茶菓子にはスコーンだね。ジャムとクリームはどのくらいかな?」
  クレダ : 「ロシアで食べたサクラジャムはとても美味しかったのですが、こちらにはありますか?」
  セイバー: 帽子「君があると思えばあるとも!さぁ、これがジャムの壷だ。一緒にクリームもいかがかね?」
  クレダ : 「…体重が気になるので遠慮させていただきます」         はは、は…         「ところで彼方は、アリスのことをご存知ではありませんか?」
  セイバー: 帽子「アリス?アリス。あぁ、お茶会にそんな少女が来た事はあるね。だがただそれだけだ。            そんなことより、スコーンにクリームはどうだね?ジャムもつけるだろう?」
  クレダ : 「彼女はどちらへ向かいました?」
  セイバー: 帽子「何処にも向ったし、何処にも向ってないんじゃないかな!お茶にレモンはいかがかな!」
  クレダ : 「道行く女性を捕まえて、無理やり口に食べ物を押し込もうとするなんて許されざる犯罪行為ですが…          あなたのお名前は? それと、帽子を取って顔を見せてくださいませんか?」         左手にはいつの間にか黒塗りの手帳。         手帳の中にはこれまで辿ってきた場所の一覧。つまるところ、“しらみつぶし”。
  セイバー: 帽子「見て解らないかな?解らないというのかな?帽子屋さんだよ!この値札にかけて誓っていいね!            さぁ、スコーンにつけるジャムはどのくらい?」
  クレダ : 「小さじ一つでお願いします。いくら美味しくても、食べすぎは毒です。          何事も、過ぎたるは及ばざるが如し、と」         そうしてスコーンをもらったら、また歩き出しましょうか。どうやらはずれだったようですので。
  セイバー: 帽子「てんで及んでない君がまず過ぎるということがあるのかな?まぁ、そんなことはどうでもよろしい!            君は実にめくらまっくら、つんぼだね!君には聞こえていたんじゃないかな?            だが、そんなことも関係ない。お茶会を続けよう!」
  クレダ : 「くすっ」         と笑って、帽子屋を見返しますよ。         「ええ、また今度、機会があれば、ぜひ」
  セイバー: 帽子「あぁ、またヤマネと兎を待てというのかね?            良いだろう、まぁ良いだろう。それで君は何処に行くんだね?」
  クレダ : 「次は…ええと、これ、どこだろう」         手帳を見つつ、ちょっとの間考え込んで。         「この夢のセイバーがいるのはどこでしょう? あなたはご存知ですか?」         まあ、夢の中で、どこ だなんて、大して意味が無いのかもしれないけれど。
  セイバー: 帽子「あの塊は何処にも居ないとも。あの塊は今君に呼ばれているだろう?」
  クレダ : 「では、私が以前、ここで見たセイバーは? ただの幻だったんですか?」
  セイバー: 帽子「あれはただの記録だよ。あぁ、ただそうであったという記録というだけさ。            うん、お茶はやはり香りにかぎる!」
  クレダ : 「さて、そうすると残るはハンプティダンプティと猫だけですか。          しかし、帽子屋の例を考えると望み薄かな」
  セイバー: 帽子「何が残ってるというのかな?お茶会の席も立って行くようなことなのかな?」
  クレダ : 容疑者がすべて犯人ではないのであれば…別のところをさがすべきでしょうね。
  セイバー: 帽子「何の容疑者で何の犯人だというんだい?」
  クレダ : 不思議の国のアリスは最初のRPG、という意見を聞いたことがありますが…
  セイバー: 帽子「なるほど、それは初耳だ!」
  クレダ : いえ、TRPGでしたっけ? 詳しくは知りませんけどね。         その点を考えると、猫や帽子屋、ハンプティダンプティが役柄。         すると、俳優でもあり、監督でもある存在がいてもおかしくないのでは?
  セイバー: 帽子「ふーむ、それで?君は『誰と』話すんだね?」
  クレダ : つまるところゲームマスター。あなたとです。
  セイバー: #だってさ、GM!         帽子「ほう!で、ゲームマスターとは誰のことかね?」
  クレダ : GM、セイバーの秘密を教えてください。
  GM  : おい(笑)
  クレダ : 冗談です。
  GM  : 自分で考えろ。
  クレダ : 夢を見ている主体、セイバーと会えません?
  セイバー: 帽子「あの塊は君に向こうに呼ばれていると言っただろう?此処には居ないよ」
  クレダ : しょうがないですね。じゃあセイバーに直接お願いしましょうか。
  セイバー: 帽子「居もしない塊に、何を頼もうというのかな?」
  GM  : そのあたりはPL2さんに頼むと言い。
  クレダ : さて、雑談で軍師様がアドバイスを下さったので、これまでの夢を羅列してみましょうか。         まず、お茶会で帽子屋と会った後、猫のコスプレをした人に会う、と。         次の機会には、猫と出会った後、卵と出会う。         その次の機会も、また、猫と卵。         そして今夜が4回目ですね。
  セイバー: 帽子「うん、君が話したいであろう存在は、その中には入っていないよ。            話したというのになんとも薄情なことだ!」
  クレダ : 会話が「」だけであるとするなら、サブマスター…         というよりセイバーが発言したのは、???(帽子屋)、猫?=猫、卵。         夢の中で見たセイバーの姿は映像のみ、と裏で確認されたため、これは除外。         さらに、「」なしの会話も含めれば、名称不明の相手、夢の語り手と話していたことにはなりますね。
  セイバー: 帽子「何を言っているんだね?君は今、私とどうやって話している?            言っただろう?この世界に『語り手』は居ないのさ」
  クレダ : さて、ではなんと言えばいいのでしょうね。         姫? アリス? 少女とかいう単語も出てましたけれど。
  セイバー: 帽子「どれもまったくもって的外れ!」
  クレダ : 塊、という単語も出ていましたが…これは私の言うセイバーのことですものね。
  セイバー: 帽子「解らないかい?解らないのかい?君は今、『どうやって』私と話をしているのかね?            物語。つまり書籍にはつきものだろう?」
  クレダ : 文字? それとも本ですか?
  セイバー: 帽子「不正解!」
  クレダ : やれやれ。自己啓発セミナーに参加した気になってきましたよ。         …すいません。伏字でお願いします。
  セイバー: 帽子「○○○、これでいいのかね?」
  GM  : ピー
  クレダ : そこ伏せても駄目じゃないですか…?(笑)
  セイバー: 帽子「解らないかい?解らないかい?君は今、同じ方法で私と話しているというのに!」
  クレダ : 日本語とか。考える?
  セイバー: 帽子「おやおや。書籍と言ったのをもう忘れたようだ」
  クレダ : カギカッコ。
  セイバー: 帽子「君はつけているのかね?」
  クレダ : じゃ、文章? 単語、句読点、主語述語。
  セイバー: 帽子「かぎかっこをつけても文章には変わりない!」
  クレダ : まあ、確かに。(笑)         紙、インクの染み。しおり、挿絵。のり。カバーに、表紙。それと、たまに帯。
  セイバー: 帽子「君は全くもって頭の回転が鈍いようだ。あぁ、情けない。そんな物質的なものだと思っているのかね?」
  クレダ : 新しい本ですと、パルプの香りがしますね。
  セイバー: 帽子「私はあの香りは好きだとも!」
  クレダ : 声とか会話、はまだ言ってないですが…書籍と言っていいのやら。         「さて、1時間半かけて答えが地の文だとわかりました。          ナンバーロック式の鍵で、番号を全てためすかのように、裏でセイバーの発言を総ざらい。          その苦労に見合った会談になればいいのですが」
  セイバー: 帽子「ほう、君はそれと話をしに行くのかね?」
  クレダ : 「そういうことになります」
  セイバー: 帽子「そうかね、では行くといい!」        * * *            こんにちは。マスターさん。   クレダ : どうも。もう面倒なのでカギカッコつけませんからね。            貴女は別につけてもいいんだよ?   クレダ : 虚飾は大罪ですから。         さて、しかし、いざ話す段になると、何を言っていいか迷いますね。            ちゃんと声に出さないと伝わらない事もあるんじゃないのかしら?            この世界なら、口に出さないでも伝える事はできるけど。   クレダ : 思考時間が長すぎて、それまでの展開を完璧に忘れました。            うふふ。まるで煮込みすぎちゃったシチューみたいね。            柔らかくするのに夢中になりすぎちゃったのかしら。   クレダ : あいにく、私は煽られると冷める性格ですので。生焼けと言ったところですね。            皆は生焼けは好きよ?だって皮肉屋さんだもの。皮の肉しか食べないの。            それで、マスターさんは何を話に来たの?   クレダ : 忘れました。忘れたからには、大した用事じゃなかったんでしょう。            そう。なら、ずっと此処に居るかしら。   クレダ : 時間が無限にあるならそれもいいですが、夜も更けてきましたからね。            別にいいでしょう?外の世界は、辛くて、悲しくて、憎くて、痛い事で沢山でしょう?   クレダ : まあそうですね。            沢山の人の沢山の嫌な部分を見たでしょう?   クレダ : 新聞やテレビに出ない部分は、もっとひどいですよ。            だから、だぁれも信じられなくて、生きていくのは息苦しいんでしょう?   クレダ : ある意味、それは真実ですね。            沢山沢山苦しんで、もう嫌だって事もあったでしょう?   クレダ : ええ。            だから、いいのよ。此処に居ても。            苦しくて悲しくて痛いのが嫌なら、此処でのんびりしたっていいのよ。   クレダ : それもいいかもしれないですね。            皆とっても皮肉屋さんで鼻持ちならない人もいるけど、            此処は誰も苦しめとか悲しめとか痛がれとか言わないわ。   クレダ : (だってほら、あなただったら信じられます?)            何をかしら?   クレダ : (顔見知りのご近所さんや、同じくらいの歳の友達が)         ――それは私がまだ10にもみたない歳の頃の話。         ――私がいた村は、地図から消えた。         ――具体的な理由はもうわからない。内戦とか、飢饉とか、そういうことだったのだと思う。         (でも、はっきり覚えているのは。          ものすごく長く思える時間、食べるものがなくて)         …ところであなた、ウミガメのスープのお話、知ってますか?            知ってるよ。   クレダ : うん。まあ、そういうことなんですよ。         宗教的に許容する地域もあるし、文化的に許容する地域もあります。         必要にせまられて、やってしまった場合もあったそうですが。         結論だけ言うと、人間は、人間に対して、なんでもできます。         それからですよ。私が少しずつ、物を食べられなくなったのは。         せめて、どっちかが見知った人じゃなければよかったんですけどね。         はは。            だから、いいんだよ?            沢山辛かったんでしょ?沢山悲しかったんでしょ?            でも、それに慣れて、いつか何も感じなくなるのが恐かったんでしょ?   クレダ : 子供のころ、ある人が言ってましたよ。食べるってのは生きるってこと、だって。         私は生きていたくないのかもしれないですね。            息苦しいなら、此処に居たっていいんだよ。            生き苦しいなら、此処に居たっていいんだよ。   クレダ : あー、もうここに引越ししましょうか。            うん、歓迎するよ。外の世界は、辛いでしょ?   クレダ : 辛いですよ。            じゃあ、ずっと此処に居ていいんだよ。   クレダ : それはどうも。         ただ…            なぁに?   クレダ : ここも十分辛いですよ。            そうかな?   クレダ : 辛くないところなんてあるわけないでしょ。         それはまあ、引きこもっている、最初のうちはいいかもしれないですけどね。         後々苦しくなるんですから。            外の世界の人は、いつ裏切るか解らないよ?            いつ、傷つけようとしてくるか、解らないよ?   クレダ : そうですね。         まあ、「苦しくても外に出るべきだ」なんて言うつもりはないですよ。         仮に。もしあなたが、自分自身でよく考えて、それでも引きこもっている方が正しい、と判断したのであれば…         「その判断を改めろ」と強制する権利は誰にもありませんから。            ううん。私はお外に出ちゃいけないの。   クレダ : それはどうして?         (あ、子供に対して、両親がする場合は例外もある…かな?)            だって、私は傷ついたり、悲しんだり、そういうことをしちゃいけないの。            何故なら、お父様や、他の皆がそう望むから。   クレダ : …箱入り娘?         ああうん、まあ、そういう風に望む人もいますね…。            これでもお転婆って言われるわ?   クレダ : …私だったら、少しくらい、酸いも甘いもかみ分けた大人の方が、話していて面白いと思いますけれどね。         年老いた時に、年齢相応の中身のつまった会話をするためには、人生経験が必要不可欠ですよ。            でも、駄目。だって、私は『そう』望まれて生まれたんだもの。            それに、お外は辛くて、痛くて、悲しいんでしょう?   クレダ : あなたはファンタジーだけでなくSFも読むべきですね。聖者の行進は名作ですよ。            此処だと新しい本は読めないの。マスターさんが語り聞かせてくれないかしら?   クレダ : 嫌ですよ。めんどうくさい。自分で読んでください。            意地悪なのね。   クレダ : あなたほどじゃありません。         聖者の行進はアイザック・アシモフの短編集で…         中でも、バイセンテニアル・マンは、映画にもなった有名なお話です。         給仕ロボットのアンドリューが、少しずつ人間に近づいていくお話。         彼が、プログラミングされた行動をくりかえすだけだったら、誰もあの話で感動はしなかったでしょうね。            私の騎士さんのこと?   クレダ : SFはたとえ話です。         人間はどこから来たのか。人間とはなんなのか。人間はどこへ行くのか。         厳密には、私もあなたも人間ではないですけれど。         きっと私達にも当てはまることですよ。            それを探しに、マスターさんはお外に行くの?   クレダ : そうですね。そうかも。            見つかるか解らないのに?   クレダ : ええ。まあ、暇ですからね。         あなたも探しませんか? いつまでもここにいたら、飽きるでしょ?            優しいんだね。   クレダ : 自分にはもっと優しいですよ。まあ、その点はお互い様でしょうか。            素直じゃないんだね。   クレダ : むぐっ…あまのじゃく上等です。            うふふ。でもね。私は駄目かな。私はね。『子供』じゃなきゃ駄目なの。いつまでも、どこまでも。   クレダ : そのために産み出されたから?            そうね。そういう風に生まれて、そういう風に望まれたの。とっても沢山の人に。            だから、私はお外に出ちゃ駄目なの。皆が『大人になっちゃ駄目』って引き寄せるから。   クレダ : アリス…か。イタリア語ではアリーチェですけれど。         それでも私の言うことは変わりませんよ。         あなたが自分で考えて、それでいいと思うなら子供のままでいればいいし。         それではいけないと思うなら、別の道を探せばいいでしょう。         ただ…私もよくあるんですけれど         人間は、知らず知らずのうちに「思い込み」をする生き物ですから。         あなたも、知らないうちに、「子供でいなきゃいけないんだ」って思い込んでるのかもしれないですよ。         なので…ですね。         親にばれないように、こっそり火遊びくらいはしておいたら?         それで痛い目にあうのも経験ですよ。            うふふ。マスターさんは、悪い人なのね。   クレダ : ええまあ。極めて自己中心的ですよ。         …ま、強制はしません。あなたも、好きに生きればいいと思います。         でも、一つだけ覚えておいてくださいね。            なぁに?   クレダ : 生き方を選ぶのは、簡単な時もあれば、大変な時もある。チャンス次第のものですけど…         死に方を選ぶのはとっても難しいですよ。         好きな死に方がしたいなら、ちゃんと生きてないと駄目です。         それができなくて、悔し涙をながす人、とっても多いですから。覚えておいてください。            一応覚えておくね。私、死ぬかどうか解らないけど。   クレダ : アンジェリカの望みが叶えば、あるいはあなたも消えるかもしれませんし。            どうかな?それは、解らないよ。   クレダ : ええ。そうですね。         断言はできない。でもいつかやってくる。それが死です。そうあるべきなんです。            でも、マスターさんはまだ死なないでね。   クレダ : まあ、殺されない限りは死なないですよ。今のところは。            うん。私の騎士さんは、きっと悲しむと思うから。   クレダ : …ありがとう。            だからね。私も教えてあげる。   クレダ : え?            私の騎士さんはね。このままじゃ、消えちゃうよ。
  セイバー: 覚めたのである。
  クレダ : ハリセンで叩きます。
  セイバー: 「うむっ!?な、何をするのであるか!?」
  クレダ : 「………それはこちらの台詞ですが。具体的に説明していただきましょうか」
  セイバー: 「いや、話が見えないのであるが」
  クレダ : 「あなたねぇ。自分の夢のことなのにわからないんですか?」
  セイバー: 「はて?どういう事であるか?」
  クレダ : 「夢の中でアリスに言われたんですよ。“このままじゃセイバーは消える”って」
  セイバー: 「あぁ、うむ。んー、そういう事であるか」 (ぽむっ、と手を打って)
  クレダ : 「さあ…全部話してくれないと、次はチタン製スタンハリセンが猛威を振るうことになりますよ…」         (一度、これ使ってみたかったんですよね…)         わくわく。
  セイバー: 「ふむ、まぁ、このままでは『拙』は消えるであるな。考えても見るのである。          拙は元は、まぁ、ただのキリングマシーンであったのである」
  クレダ : 「ふむ。     じゃなーいっ!」SMAAAAAASH!
  セイバー: 「全部言わせるのであるー!?」
  クレダ : 「はっ…すいません、つい、殺意の波動が」
  セイバー: 「納得いかないのである……ともあれ」
  クレダ : 「それで、続きは?」
  セイバー: 「うむ。元からあった薄い薄い、すっごい薄かった『拙』としての意識が、          今回サーヴァントとして呼び出された為に強化・表出したわけであるが。          そもそもからして、『拙』は【ジャバウォッキーの騎士】としての役目に超喧嘩売ってるわけである」
  クレダ : (なんで喧嘩売ろうと思ったんだか…)
  セイバー: 拙の目的・姫(アリス)が外を歩けるようになること・大人になること。         ジャバウォッキーの騎士の役目・外の世界の、姫(アリス)にとっての恐怖を殺す事。
  クレダ : 「ともあれ、なんとなくわかってきました。しかし、それを言ったら、英霊は、          聖杯戦争が終わったら記憶等だけ本体に戻るわけですから、みんなと同じ…と言えるのでは?」
  セイバー: 「通常の英霊であるならばであるな」
  クレダ : 「つまりあなたの場合、記憶も消えると?」
  セイバー: 「否。拙の場合、まぁガチで『本人』…否、『一部分』?          んー。まぁ、言うなれば、『ジャバウォッキーの騎士』そのものなのである」
  クレダ : 「すると、人格の一つが消滅する、といった感じですか」
  セイバー: 「そもそもからして、拙は『実在人物ではない』のであるからして。          故に、サーヴァントとしての枠にそのまま呼ばれたのである。          で、なければ、限定付きとはいえ、『アレ(コード:アリス)』みたいな、          ガチ守護者としての力をそのまま揮えるなんて事はできないのである」
  クレダ : 「消える条件は? 深夜12時までしかもたない、とかあります?」         まあその場合、靴が遺品になるわけですが。
  セイバー: 「んー。まぁ、この戦争中は普通に持つから心配は無用である。          ただ、拙が『拙』として独立しない限り、消える事になるであろうな。          ただ、拙がこの戦争で死んだ場合でも、『ジャバウォッキーの騎士』は『アリスの世界』の一部である。          つまり、拙が消えてもまたポップするのである。          まーそれは『拙』ではないわけであるが!」
  クレダ : 「量産型というかクローンというか…まあ雰囲気はわかりました。          ………うーん、とはいえ、とっさにはどうしていいか思いつかないですね」
  セイバー: 「気にしなくていいと思うであるぞ?」
  クレダ : 「そうですか? まあ、寿命が短いのは多分私も同じでしょうし、似たもの同士ぱーっとやりましょうか」
  セイバー: 「そもそも、拙は拙が要らなくなるよう、この聖杯戦争に来たのである。          もし、その願いが叶わなかったら、消えるっていうことだけであるな。願いに危険はつきものなのである」
  クレダ : (うーん。前も同じこと言ったし、今回はあまり深く突っ込むのはよそう)         「つ…つまり聖杯に願えばセイバーは助かるんですね…」
  セイバー: まぁ、願いが叶ったから消えないって保証もないわけであるが!(笑)
  クレダ : 「だ が 断 る。          すいません、言いたかっただけです」
  セイバー: 「いやぁ、聖杯の願いはマスターが使えばいいと思うのであるぞ?」
  クレダ : 「っていうか、聖杯なんて、どうせ汚染されてて使えないですよ…」
  セイバー: 「悲観的であるなぁ」
  クレダ : 「現実的と言ってください」
  セイバー: ルール的に言うと『白化要素』をクリアして、『コード・アリス』が変質すれば拙は消えないって所なのである(笑)
  クレダ : (またフラグとかいろいろ設定してるんだろーな…)
  セイバー: ともあれ。まぁこんなところであるか?
  クレダ : はい。         「そろそろ夜になりますね。…準備をしましょうか」         今夜も長くなりそうですし。
  セイバー: 「うむ。やっと鎧をつけれるのであるな!」
  クレダ : 「そしてまた脱ぐことに。魔界村かと」
  セイバー: 「鎧の消費が激しいのである……」
  クレダ : 「はやく金メッキを…」
  セイバー: というところでお開きであるな。