第三次月詠聖杯戦争八日目 夜パート6

8日目 夜 海/中天島


   配置:キャスター/ナターシャ+灯台:アダム+セイバー:天目+クレダ    IV:天目、アダム、灯台、キャスター、クレダ、セイバー、ナターシャ      ラウンド2   GM  : 冒頭宣言……は前と同じなら飛ばしますが。
  クレダ : こちらは同じです。
  セイバー: さて、HP36/58、バーブレッド14/80、MP0/21なので、回復お願いするのである(笑)         バーブレッド維持であるな。
  GM  : こっちも同じ。では行動開始! 天目からです。
  クレダ : まず、装填魔具を使って、溜めてあるHP回復魔法2つをセイバーに使います。これで14、15の、計29点回復。
  セイバー: わーい!HPフル、バーブレッドは7点回復である。
  GM  : がんがんいくね。
  クレダ : その後、瞬間魔眼でセイバーのHPを回復。達成値分。         12an4         (ころころ……) [6,5,1,5,4,5,3,2,4,5,4,6] = 6         しょぼ…。ま、まあいいです。
  セイバー: バーブレッド27/80である。
  クレダ : あ、よくかんがえたらこれ、カリスマも乗るのか。まあいいや。         そして最後に回復魔術。対軍で、天の目、クレダ、セイバーのMPを回復。達成値の半分。         20an5+1an1+10 魔力開放5         (ころころ……) [2,1,2,1,6,3,6,4,1,4,1,5,6,3,4,3,1,4,6,1]+[5]+10 = 26
  セイバー: 13回復であるな。
  GM  : うい。
  クレダ : 行動終了。
  GM  : ではアダムですね。指示はある?
  セイバー: ナターシャは殺さないで欲しいである。
  GM  : 何故?         アダム「さて……仕留めさせてもらうぞ」(じゃらん)
  セイバー: 何故も何も、拙は傍らの子が何を喜び何を悲しむかも知らんであるからな。         ナターシャが死んだら、その子が悲しむかもしれんのである。
  クレダ : 「アダム…わかっていますね? ネイビア氏が何と言うか」
  セイバー: 『殺せ』と言いそうであるなぁー(笑)
  GM  : 「マスターなら殺害した後に魔術回路を剥がせというだろうが、あれは魔術師ではないようだ」
  クレダ : しかし、アダムは今回の戦闘で、キャスターの宝具が使われるところをほとんど見ていませんよ。
  GM  : それもそうだった。         アダム「あとは宝具のことか……なるほどな」
  クレダ : 殺害した相手の礼装を再利用できるというなら話は別ですが。         しかしそれでも、宝具はさすがに無理では? 原典的に。…いえ、あまり詳しくはないですが。
  GM  : 無理ですよ! 主人公でなければ。宝具の複製? 普通は無理です。
  クレダ : これがいわゆる、口先三寸ですね。
  セイバー: マスター、しかし核が使われたらアダム死ぬであるぞ(笑)
  クレダ : 「つまるところ、“彼女にはまだ利用価値がある”と」
  GM  : アダム「そのようだな」         ではアダムは待機します。
  クレダ : 自分で言っていてイライラしてきました。こういう物言いはあまり好きになれません。
  セイバー: 好きでないなら否定してもいいのであるぞ、マスター。
  クレダ : アダムを止めるために必要なら、うそでも何でも言いますよ。         叔父さんは神父として許さないかもしれませんが… …いやないか。
  GM  : ではキャスターの行動。         キャスター「…………計算終了。               通常戦闘での勝率1%未満。               宝具戦闘に移行する」         がこん、とキャスターの前に禍々しいブロックが出現します。         それがゆっくりと開いていく。三つ葉のクローバーっぽいマークがついてる。         ナターシャ「な……や、やめろ! ここで宝具を使うな、キャスター!」
  セイバー: ナターシャ諸共巻き込むであるからな、使うと。
  GM  : キャスター「理解不能。私と市民ナターシャの保護は可能。他は全て反逆者である」
  セイバー: あぁ、で、あるなら子供達であるか。
  GM  : ナターシャ「子供たち、は……!」         キャスター「『認識不能』―――オールクリア」         ナターシャの以前使った令呪命令、子供たちを認識するな。         そしてこの島に移動するときに一画。セイバーの攻撃を防ぐのに1画。         既にナターシャにキャスターを止める手段はありません。
  セイバー: つまりアダムが動くしかないという事であるな。それか、マスターが令呪を使用である。
  GM  : キャスター「最大出力――――『文明滅ぼす罪過の火(ニュークリアボム)』」         アダムは、宝具を、見る!(笑)>さっき言われたこと
  セイバー: 死ぬであるぞ(笑)
  クレダ : うーん。でも、自分用の令呪を、同意する気の無い相手に強制的に使用することはできるんですか?
  セイバー: 違う違う。拙に使用するのである。『バーバラにあれを使わせるな』と。
  GM  : それは可能ですね。
  セイバー: で、拙が無理矢理行動、使用前にバーバラを宝具で倒すわけであるな。
  GM  : ただ……子供たちが死ぬこと自体の是非は?
  クレダ : 死ぬこと。
  GM  : 正確には子供の抜け殻が消滅することの是非か。
  クレダ : ライダーの話では、既に死んでいるという話でしたが…さて。
  GM  : とはいえ時間はあまりないので手早く決めてください。
  クレダ : ん。私が決断しろということですか。
  GM  : まあ決断するのはクレダですね。
  クレダ : セイバーは何か意見あります?
  セイバー: 解りやすく纏めると、子供達は肉体的にはまだ生きているのである。         精神的にナターシャの横に居る赤ん坊一人に纏めて昇華したと推測されるであるが、         まぁもしかしたら目覚めさせる方法もあるかも、という所である。
  GM  : 神を分解する行為ですね。神というのがまずいなら精霊あたり。
  クレダ : それ、魔術だったら達成値いくらくらいいるんでしょうね?
  GM  : 魔術っていうか魔法の域? いや魔法でも可能かどうか。まさに聖杯に願うに足る願いですよ。
  セイバー: 拙として、赤ん坊の答えを聞いていないわけである。そのままで在りたいのか、それともまた子供達として在りたいのか。         答えも聞かず話もできない内に、選択肢を消すのは拙としては嫌であるな。
  クレダ : セイバーの言いたいことはわかるつもりです。けれど私の意見はノーです。
  セイバー: ふむ、何故であるか?
  クレダ : この戦闘をナターシャさんと子供が生き残った後のことを考えると。
  セイバー: 具体的に。
  GM  : キャスターが死んだ後ナターシャがどうするかですか。
  クレダ : パターンA、聖杯を奪うためにナターシャさんがなりふり構わない手段をとる。         パターンB、聖杯を奪いそこない、子供と放浪。         ………         …いえ、欺瞞ですね。
  セイバー: マスター。それは『死なせた方が楽である』とマスターは言うのであるな?
  クレダ : はっきり言います。私は動けず、喋れず、回復の見込みの無い(と思われる)子供よりは、         ナターシャを優先します。“私がナターシャであれば”。         本来であれば、彼女が決めるべきだとは思いますが。
  セイバー: ふむ、マスター。これはフラグにも関わるので問うのであるが。         マスターは、自分が手を伸ばせる場所に踏みにじられるかもしれない命がある事を知っても、         自分とその命に関わりが無いなら放っておくのであるか?
  クレダ : ふむ。その理論のポイントは“手を伸ばせる場所”というのが正しいかどうか、ですね。
  GM  : 自分に関係ない他人を見捨てることができるかどうか。
  セイバー: 少なくとも今、この瞬間、子供達には可能性があるのである。         が、核はそれを根こそぎ無かった事にするのである。
  クレダ : 可能性か。セイバー。この前、トロッコ問題の話をしましたよね。         事故でトロッコが迫ってきていて、放っておくと多数の人間がしぬけれど、         路線を切りかえれば、その人たちは助かる…代わりに、切りかえ後のルートにいた人間が死ぬ、と。         でも、この話にはもう一つの切り口があるんですよ。         普通の人が、そんな場面に遭遇したら、どうなるでしょう? って切り口が。         ある人の答えは「何もできない」でした。         それが、ショックで何もできないのか、関わらないことで自分を守るためなのかはわかりませんけどね。         まあ、私の父なんですけれど。
  GM  : まあ時間はない>何もできない
  セイバー: #すまない、ぶち壊していいだろうか! 空気というか、あれね。雰囲気ね。
  クレダ : どうぞ。
  セイバー: うむ。さっきも言ったように、マスターの選択と答えが拙のフラグに関わってるのである。         つまり、重要なのは『令呪を使って子供達の身体を助けるか否か』と『その理由』というわけであるな!         最初からこう言った方が良かったであるな。うん。         どちらを選んでも背後霊はちゃんと尊重するのである。         ただ、拙としては子供達の身体は守りたいのである。理由は先程の通りであるな。         問答風に聞いたのが悪かったである。つまり、マスターの選択とその理由を聞きたいわけである。         だって、夢会話に関わるわけであるからして!(笑)         と、いうわけで、さっくりと使うか否か、あと理由も沿えて欲しいのである。
  クレダ : 前から言おうと思ってたんですけれど…ずるいです。あなた。
  セイバー: *ちゃんとPLとPCを分けつつ、PCの望むようにロールするというのが方針だからね!
  GM  : 分けてるのか?(笑)
  セイバー: *PLはPCに全力で応えないといけないから、全力でPCが望む方向に頑張ってるだけだよ。これも方針だね!
  クレダ : 男と女が駆け落ちをしたら、男性は夢を見て、女性は現実を見る、と言いますけど。         この前提だと、結局、駆け落ちはしてるんですよね。
  GM  : とりあえず話を進めよう。
  クレダ : 「自分に関係ない他人を見捨てることができるか、と聞かれれば、答えはイエスです。          私は、肉親を犠牲にしましたから。とはいえ、結論は、です。          令呪とかいう“モノ”一つ、いえ二つで信頼が買えるなら安いものです」         トロッコがぶつかるまでの時間稼ぎ。その程度の意味しかなくてもいい。
  セイバー: 『言うがいいのである、マスター。拙は、マスターのお願いに全力で応えるだけである』
  クレダ : 「本当にどうしようもなければ、傍観していたところですよ。ナターシャさん」         思い返してみたら、ナターシャさんにはほんと痛い目にあわされっぱなしでしたよ。
  GM  : ナターシャ「クレダ……」
  クレダ : 大して意味のない契約で令呪を使わされ、一度殺され、それでまた令呪を使おうとしてるわけですから。
  セイバー: 真ん中はメタ知識である!(笑)
  クレダ : アンタなんかしらないーって言ってやりたい。         だからこれは助けでも温情でもなんでもないんです。         単に、見てるだけだと気分が悪いから令呪を投げ捨てるだけです。         「セイバー!」
  セイバー: 『応!』
  クレダ : 手を掲げて…令呪を解き放ちます。         「“キャスターを止めて”! 今すぐに!!」
  GM  : 令呪で強制行動!
  セイバー: 『心得たのである!』         全力全開で行くのである。魔力放出、ヴォーパル、武錬++全部使用!         ヴォーパルはMP13のバーブレッドのHP2点、魔力放出5点は素のHPから5点、         武錬++はバーブレッドから10点、怪力のペナルティ5点は素のHPから!
  GM  : うい。
  セイバー: 令呪が一瞬だけ、ほんの一瞬、セイバーがセイバーになる前であった力を引き出す。しかし、その一瞬で充分!         その一瞬で、セイバーは巨大で、鋭く、鋭利なその剣を二刺しする!
  GM  : 判定どうぞ。
  セイバー 『【錐穿ち首狩る大剣(ヴォーパル・ソード)】!』         70an5+10         (ころころ……) [6,5,5,5,1,(中略),1,6,5,1,5]+10 = 69         11an5+69 ラック!         (ころころ……) [6,6,2,6,2,3,1,4,3,4,5]+69 = 77         達成値77点、2回攻撃、固定値25である!
  クレダ : 「チクタクチクタク音をたてるだけで動かない時計は、いい加減、役目を終えるべき。          時間は流れている。誰も逃れられないのだから…結局は、立ち止まるか、進むしかない」
  GM  : 防御!         35an5+5an5         (ころころ……) [2,3,1,4,2,(中略),2,1,6,5,6] = 33         35an5+5an5         (ころころ……) [3,3,5,1,5,(中略),1,4,5,5,4] = 37
  セイバー: 43、40差分で命中であるな。
  GM  : 攻撃力は……まあ計算するまでもないな。死亡だ!         キャスターが大きく抉られ、切り裂かれます。         キャスター「――――私はコードネーム『チクタクマン』。               私に入力された使命は、旧人類の保護と幸福――――」
  セイバー: GMGM、いつも言ってるであるが、拙の剣は鋭すぎる程鋭いのである。         あんま抉るとかいう傷跡汚そうな表現はちょっと(笑)
  GM  : そもそもそういう語源じゃないのか?(笑)
     セットアップ 開始      再起動 終了      ネットワーク 接続      システムチェック 終了      至上命題 確認      都市管理型AI コードネーム『■■■■■■』 起動      『Hello World』           幸福は義務です           あなたは幸福ですか? ―――――――――――  西暦XXXX年。地球は滅亡した。  だが人類は生き延びた。  星が星としての命を終わらせた後も、旧人類の科学力は種の生存を可能とした。  『彼女』は旧人類が地下に建設した人工楽園『アルファコンプレックス』の管理コンピューターであり  そして発狂する。 ――――――――――――      至上命題の確認。      旧人類の保護及び幸福の管理。      現状確認。      他都市との通信途絶。食料供給率80%。ジン汚染率計測不能。市民幸福率30%。      状況評価―――Cマイナス。      ネガティブ。改善の必要、大。      至上命題の確認。      旧人類の保護に従い、放射能汚染度の低下と食糧供給率の上昇を決定する。      至上命題の確認。      旧人類の幸福に従い―――――幸福の義務化を決定。      試算によると、市民幸福率は100%に上昇。      実行開始。 ――――――――――――  彼女は旧人類の保護と幸福が義務付けられていた。  だがしかし、彼女には幸福が理解できない。  衣食住―――環境充足率の上昇ならば理解できる。  しかし幸福とは何か?  彼女はそれを、対象に問うことで解決しようとした。  『市民、あなたは幸福ですか?』  返答は、あらゆる種類の否定。  もっと質のいい食料を、快適な環境を、自由を、外の世界との交流を。  しかしそれは不可能である。  リソースは乏しく限られており、効率を優先する必要があり、そして彼女はまさに効率のために生み出された存在だった。  効率を否定し自由を求めるのは、彼女の存在意義を否定することだった。  しかし自由こそが幸福だというのなら、『旧人類の保護と幸福の管理』という彼女の使命は決定的に矛盾する。  故に、彼女は発狂した。 ――――――――――――      至上命題の確認。      旧人類の保護及び幸福の管理。      現状確認。      他都市との通信途絶。食料供給率85%。ジン汚染率計測不能。市民幸福率25%。      状況評価―――Dプラス。      ネガティブ。状況の悪化を確認。      悪化の原因を計算。      妨害勢力の存在を推定。      1.ジンによって汚染されたミュータント――――新人類。      2.現状の社会構造を転覆させる概念――――共産主義。      以上を人工楽園アルファコンプレックスの破壊を目的とする赤色テロル勢力と認定。      反逆者として排除を行う。      反逆者には一切の保護を受ける権利はなく、幸福管理の対象にもならない。      反逆者を発見するために密告制度を設置。      反逆者を排除するために現行犯処刑制度を設置。      試算――――以上の制度改革によって市民幸福率は100%を達成。      実行開始。 ――――――――――――  ギリシャ神話における神々の前身は、都市の守護神である。  例えば戦いの女神アテナ。彼女は都市国家アテナイの守護女神であったが、  古代ギリシア人の伸長と共にギリシア神話に組み込まれた。  そして遥か未来。  人工楽園アルファコンプレックスにおける彼女は、信仰の絶えた世界で生まれた、最新の神だった。  『市民、あなたは幸福ですか?』  『はい、幸福は義務です』  それがこの都市における絶対の教義であり、住むものたちはその信仰を余儀なくされた。  こうしてアルファコンプレックスは完全無欠のディストピアとなる。  神は何一つとして人間のことを理解できず  支配は数百年に渡って続いたが、ついに終わりが来る。 ――――――――――――      至上命題の確認。      旧人類の保護及び幸福の管理。      現状確認。      他都市との通信途絶。各所で反逆者による破壊工作が発生。都市の反逆者率90%を突破。      状況評価―――Eマイナス。      原因の計算――――不能。      改善の計算――――解なし。      核兵器封印庫に暴徒接近。      通常戦力での対応不能。      ………………      アルファコンプレックスの破棄を決定。      汚染率の低い市民の脱出後、核兵器によって反逆者の大規模処刑を実行。      カウントダウン開始。      私は都市管理型AI コードネーム『チクタクマン』      私の使命は旧人類の保護と幸福の管理。      結果評価――――失敗。      原因計算不能(どうしてこうなった)      幸福理解不能(しあわせというものがわからない)      起爆。 ――――――――――――  こうして人工楽園アルファコンプレックスは消滅した。  彼女は数万人の市民を虐殺し、その怨嗟と信仰を以って見事に反英雄として座に至った。  人間の手によって、人間を救うために作り出された、機械仕掛けの神。  そう、彼女は人間を救う。  人間のことを何一つ理解できないままで。 ――――――――――――      それでも      それでも      それでも      私は――――全ての人類の幸福を達成しなければならない。      造物主(マスター)に入力された使命を果たさなければならない。      その内容を私が理解できなかったとしても。      私自身に原因が計算不能な以上、リトライの意味はない。      私自身に幸福が理解不能な以上、私自身が幸福を与えることはできない。      故に万能の願望機に、私は人類の幸福を入力する。           幸福は義務です。市民、あなたは幸福ですか?
  クレダ : 「AIさん。夢は見られましたか? おやすみなさい」
  GM  : キャスター「―――市民、あなたは幸福ですか―――幸福は、義務です」         ばちばちと火花を散らし         キャスターは倒れ――――消滅します。         最後まで人類の幸福を願ったまま。

―――――キャスター、チクタクマン。脱落。