第三次月詠聖杯戦争六日目 朝パート1

6日目 朝


  GM  : あらすじどうぞ。
  クレダ : 聖杯戦争的には、キャスターの核ミサイルが爆発した。詳細不明。         個人的には、アダム&イブと戦ってひどい目にあった。
  セイバー: アダム達と一戦交えたのである!
  GM  : そういえば幕間を用意したんだった。

5日目 深夜 海/中天島


「着いたか」 「足元に気をつけて、トーガ」 「おう。とりあえずボートが流されないように結ぼうぜ。なくしたら罰金でえらいことになる」  籐河とランサーは中天島に到着した。  島まで来た手段は、港で借りたモーターボートである。操縦はランサー。  もちろんランサーは小型船舶免許など保有していないが、彼女の騎乗スキルはプロ以上の航行を可能にしていた。  おかげで波の強い沖合を小型の船で渡りながら、トーガは船酔いを免れている。  ともあれ。岸辺にロープでボートを繋ぎ、主従は島の中心部を目指して歩いていった。  目的地ははっきりと目に見えている。  島の中心に、ドカンと建てられた近未来的灯台状の建築物である。誓ってこの街にあんなものはない。  灯台には砲台らしきものも設置されている。キャスターからの障害がなければあれで迎撃されていただろう。 『まったく、俺の街に変なもん作りやがって』 『ここですることを確認するよ、トーガ』 『おう。ライダーについて聞きだす、核の扱いについて確認する、マスターについて確認する、だな』 『キャスターを倒すんじゃないの?』 『いい加減にしておけ脳筋が!』  仕方のないことかもしれないが、ランサーは核の脅威というものをいまいちわかっていないようだった。  ともあれ二人は灯台に出向き、建物の入り口でキャスターとナターシャの応対を受けた。  まず籐河が驚いたのは、キャスターが見た目高校生ぐらいの少女であったことである。 「ようこそ市民。私はキャスターのサーヴァント。  コードネーム■■■■■■。全人類を幸福にするのが私の使命」 「お、おう。俺は赤座籐河。こっちがランサーだ」 「……初めまして」 「私はチームリーダーのナターシャ=1=O。現在トラブルシューターは募集中だ。幸福は義務だよ」 「なんだって?」 「市民トーガ、市民ランサー、私は貴方達を歓迎する。私は貴方達を完璧に統治する」 「え、なんだそれ? 何もかもすっ飛ばして部下確定なのか? 征服王よりひどくね?」 「やっぱり……倒そう?」 「ああ、話なら私が応対しよう。キャスターはここで警戒を頼む」  意味がわからない単語を口走るキャスターとそのマスターに、さっそくこの島に来たことを後悔する籐河だった。  さておき、ナターシャに連れられて、灯台を離れるトーガとランサー。  二人とも警戒はしている。この島に来た時点で虎穴に飛び込んだも同然ではあるが。  予想以上にキャスター陣営がおかしいことに対する警戒も追加されていた。  キャスターから十分な距離をとったナターシャは、ウォッカを煽りうっすらと笑った。 「すまんな。見てわかると思うが、あのキャスターは少々病を患っている。適当に合わせてやってくれ」 「あんたは正気……なのか? さっきのは演技ってことか?」 「もちろんだとも。共産主義的宣伝(プロパガンダ)の一つでも打ってやろうか」 「……影響されてるような」 「失敬。改めて、キャスターのマスター。ナターシャ=カミンスキーだ」 「んじゃあ最初に聞きたいんだがよ。何を考えて原発になんてところに陣地張ってやがったんだ?」 「責任転嫁になってしまうが、それはキャスターの意向だ。  効率最優先に考えた場合、最も守るに易く攻めるに難い場所があれだった」 「そのためなら町の人間がどうなってもいいのかよ?」 「移転には応じた。それで判断してほしい」 「そうだね。これ以上は過ぎた話だよ、トーガ」 「……んじゃ、ライダーについて聞かせてくれ。なんであいつを危険視するんだ?」 「悪いがその質問には答えられない」 「は?」 「キャスターには高度な未来予測演算機能がある……らしい。  その結果、三日以内にライダーが勝利する可能性が非常に高いと結論したようだ」 「預言者……カサンドラみたいなものかな」 「ただし経過は不明だ。キャスターの未来予測は結果だけを算出するものであって、  何故ライダーが勝者になるかは説明できない。故に君の疑問には答えられない」 「なんだそりゃ……そんな理由でライダーをぶっ殺そうって宣言したのかよ」 「預言は大事にしたほうがいいと思うよ」 「私もどうかと思ったが、キャスターが強硬に主張するのでな……それにどちらにしろ倒さなければいけない相手だ」 「……あんたは聖杯に何を望むんだ?」 「初対面で話すようなことではないな。  それに結局、君等は私達に協力するとも言っていない。私達と同盟を組む気はあるか?」 「む……」 「そうだね。だいたい当座の目的も済んだし、戦うかどうか決めようか」 「私達の陣営に協力するなら、装備の提供などを行わせてもらおう。  敵も多いので、終盤付近まで付き合ってもらうことになるだろうがな」 「待て待て待て。もう一つ確認したいことがある……こいつはセイバーのマスターから聞いた話なんだがな」  そこで三人の後方で何かが火を吹いた。  全長4m程の円柱が45度の角度で夜空に昇っていく。  振りかえった籐河とランサーは、いまいちピンとこなくてただ見送るだけだったが、  ナターシャは即座に察して顔色を変えた。 『ASMランチャー・ヴィゾフニル』  キャスターが再現製作した、未来において開発されたAI誘導性の対艦ミサイルである。  その弾頭部分には黒いパーツが装着され、全長を50cmほど延長していた。 「ど……どこに撃った、キャスター!」 『北北東2200m洋上。ライダーの接近を感知したため迎撃に発射した』  数秒後。キャスターの指定した通りの洋上で、巨大な火球が発生した。  菊竹市沿岸を5m級の高波が襲い、港に停泊していた多数の漁船が転覆。  深夜だったため目撃者は少なかったが、監督役の手回しによって花火ということで隠匿された。  翌日、海水浴場に大量の魚の死体が打ち上げられ、浴場組合は対処に追われる。  犠牲者が出なかったこともあり、この一撃の社会的な隠蔽は比較的うまく行った方だっただったが  もちろん聖杯戦争の参加者にとってはそれ以上に重大な意味を持っていた。 ライダー陣営のコメント 「いや実際、死ぬかと思ったね。むしろ私でなければ死んでいただろう」 「はい。僕たちはモンスター陣営と、キャスター攻略のために共同作戦をとりました……接近する前にああなりましたが」 「女神以外を方舟に入れるなど業腹だが、結果的にそれが効を奏した形になったね」 「ライダーの船には『災害防御』という、大規模攻撃を減衰する効果がありますから……  それにしても、恐ろしい殺意がこもった宝具でした」 「あれが人類の生み出した炎かね。まったく汚らわしいにもほどがある。  全く関係ないがモンスターはなかなか見所があると言っていいだろう。  人類文明に対する軽蔑や、神への恨み。体型もかなり好ましい。彼女なら我が方舟の住人としてもよいだろう。  もちろん女神とは比べるべくもないがね」 「黙ってろライダー」 モンスター陣営のコメント 「母なる海にあんなものを撃ちこむとは、人類の愚かさを象徴する事件じゃなイカ! ビキニ環礁を私は忘れないでゲソ!」 「それ全然違う件だよな? 放射能とやらは検出されなかったらしいぞ」 「そ、そうだったでゲソか。それならまあ不問にしてやってもいいじゃなイカ?」 「するわけねーだろ。EX対界宝具持ってるキャスターなんて存在自体が罪悪じゃねーか。  監督役はさっさと討伐令出してくれねえか?」 バーサーカー陣営のコメント 「まあね、見てはいたよ。ウェヒヒ。  コメント? うーん……ノーコメントで」 キャスター陣営のコメント 「弁解が必要なことは一切行っていない。  この戦争においてNBC兵器禁止条約は締結されていない  よって私がどのような規模の兵器を使用することも自由裁量のうちである。  また爆発地点は海上であり、被害は極めて軽微なものにとどまった。人的被害はゼロである。  神秘の隠匿という観点から見ても、深夜の時間帯だったために目撃者は隠匿可能な範囲内にとどまった。  よって私は一切弁解は必要ないと判断する」 「……まあ、私も概ねのところでキャスターとは同意見だ。  通常の戦争行為の範囲で迎撃を行っただけだ。むしろ、他にどのような状況であの兵器を使えと?」 アサシン陣営のコメント 「特に害はない。俺達の使用している客船が揺れた程度だ」 「ネイビア様の研究機材が、大揺れのせいで幾つか壊れてしまったそうで……大層お怒りでしたわね」 「そうか。まあ俺の管轄外だ」 「他の情報についてはクレダ様と同程度しか提供できないかと思います」 ランサー陣営のコメント 「やっべえ……船が転覆して本土に戻れなくなった」 「それよりキャスターに完全に同盟相手だと思われてるよね。下手に逃げたら、すごく怒りそう」 「すごくってどれくらいだ?」 「ああいうタイプは……街を壊滅させるぐらい怒り狂うと思うな」 「駄目じゃねえか!」 「じゃあ倒す? 今、ここで」 「いやいやいや……あんなもんかまされたら死ぬだろ、絶対」 「仕方ないね」 「仕方なくねえ!」
  GM  : 読み終ったら感想して始めましょう。
  見学者 : (ランサー貫禄すぎないか? 不憫的な意味で)
  GM  : よくあることです。
  クレダ : …正直、3チームくらい死んでると思ってました。         PL的に言っても、核ミサイルが発射される可能性はまったく考えてなかったし、片手落ちでしたね。         アホかと思われるかもしれませんが本当の話(苦笑)
  セイバー: わーである(笑)
  クレダ : 元々、PC3以降の立ち位置ばかりを担当することが多く、物語の進行を丸投げしても…         というか元々得意ではなかったのが災いしたようです。気をつけましょう。
  セイバー: これは、もうあれであるな、ライダー、街に近寄るなという事であろうか?(笑)
  クレダ : ライダーが近寄ったらボーン?
  セイバー: いや、ライダーが街に居ても構わず撃ってきそうという点であるな(笑)
  クレダ : た…確かに。         しかし、ライダーは箱舟に乗っているから無事、というわけですか。
  GM  : では、6日目を開始しましょうか。
  セイバー: よろしくお願いするのである。
  クレダ : よろしくお願いします。