第三次月詠聖杯戦争五日目 朝〜昼パート1

5日目 朝


  セイバー: 夢……夢を見ている……         さて、それじゃあマスターさん。         今居るのは森の中かな?それとも塀が続く草原かな?それともそれともお城の中かな?         選んでいいよ。
  クレダ : じゃあ、草原で。
  セイバー: 猫「なんだ。また来たっていうのかい?」         塀の上で丸くなってる猫が、マスターさんを見て言うよ。
  クレダ : 「呼んだのはあなた…いえ、セイバーじゃないんですか?」         と、答えます。         さすがに二回目となると、“これはセイバーに関係するんじゃないか”と推測できているので。
  セイバー: 猫「あの塊は誰も呼びはしないし、俺だって呼びはしない。猫は孤高を好むのさ。           だが来たという事は誰かが呼んだかもしれないし、           はたまたお前さんがそれを望んだから来れたかもしれない」
  クレダ : 「私が望んだ?」         まあ、夢だから、なんでもアリなのかもしれないけれど。
  セイバー: 猫「一つ言える事はあの塊は年がら年じゅうあんな事をやっていて、           年がら年じゅうあのままだって事さ。たった一度を除いて」
  クレダ : 周囲を見回して、草原の果てを見つめます。この風景も、私の心象風景だというのだろうか。
  セイバー: あぁ、視界の片方は、どこまでも続く塀があるよ。
  クレダ : 「たった一度の例外、ですか? …ちょっと興味ありますね」
  セイバー: 猫「あの塊は一度だけ自分から殺しに行った事があるのさ。知らないのか?」
  クレダ : 「そんなことをするような人には見えませんけれど」         ここだけの話、私だけだと、昨夜、アンジェリカと和解することは決してなかったと思うので、         こっそりセイバーには感謝してるんですよ。
  セイバー: 猫「あの塊はそういうものだ。かといって嘘をついてるわけじゃない。           お前さんと一緒に居た中で、嘘をついた事はひとつも無い。           いつも曖昧な俺の言葉だが、それだけは確約しよう。           ただ、本当の事を全て言えているわけでもないけどね」
  クレダ : 「…ええ」         振り向いて、塀に手をついて、答えます。         「信じますよ」         私の左目は、人の過去や、能力や、内面が見える。そのせいで、子供の頃は、孤立したりもした。         でも、イブのように、見えないものもある。         セイバーもまた、そうだ。私に、彼の考えていることはわからない。
  セイバー: 猫「それで、お前さんはあの塊の何を知りたいんだね?あの塊の過去は既に見ただろう?           あの塊がどういう存在がそれで解った筈だろう?いや、解ってないから来たのかな?」         にまぁ、と口だけの笑いを猫はするよ。
  クレダ : 「そうですね…解りません。たぶん、この左眼でも、解らないと思います」
  セイバー: 猫「それはどうかな。解るかもしれないし解らないかもしれない。           それはお前さんが見ようとしてないだけかもしれない。           怖くはないのかな?あの塊はお前さんが想像してるものと全くもって違うものかもしれない。           それを見るのが怖いってだけじゃないのかな?」         にまにま。にまにま。
  クレダ : 「…」         猫を見上げて、あいまいな笑みを返します。         「そうかもしれない…でもまあ、その時はその時、ですよ」
  セイバー: 猫「期待や希望を手ひどく裏切られても構わないって?」
  クレダ : 「そういうわけじゃないですけれど…。でも、なんとなく、わかる気がするんです。          本当の姿が“見えないこと”こそが、答えなんじゃないかって」         いまだ“正しい解釈”の存在しない、パンドラの箱の伝承ように。
  セイバー: 猫「そう思うならこの塀を右にずっと歩いてみるといい。別に知らなくていいと思うなら左に歩くといい」         すぅっと猫の姿が消えてくよ。
  クレダ : 「答えは解ってるでしょう?」         と、消えた影に呟いて、右に行きますよ。
  セイバー: それじゃあ、暫く歩くと、100cmくらいの卵が塀の上に乗ってるよ。         ちょこんとした手足が生えてて、のっぺらぼう。
  クレダ : 「…ハンプティ・ダンプティ?」         小さかったころ、母さんが教えてくれた話に、そんなのがあったような。
  セイバー: 卵「ふむ、そうでもあるしそうでないかもしれない。           君にいったいどんな権利があってわしをそう定義付ける事ができるのかね?」
  クレダ : 「気を悪くしたなら謝りますが、名前をつけないと、不便じゃないですか」
  セイバー: 卵「たしかにそうかもしれないが、だとしても君にわしをそう名付ける権利は無いのだよ。           何故なら名をつけるというのはその親からつけられるものであり、           全くもっての赤の他人が名をつけることはできないわけだ」
  クレダ : 「それが、私だけの呼び名であっても?」         つまり、あだ名。
  セイバー: 卵「何?自分だけだからいいって?いやいや、それはそうではない。           他人から提案されたのは、自分が納得したから『よし、その名を名乗ってやろう』という自己決定に過ぎない。           いいかね、名前というのはことに面倒でことに大事でことにしっちゃかめっちゃかなものなのだ」
  クレダ : 「東洋では“名はよく体をあらわす”というそうですね。その点、私は名前負けしてるかも」
  セイバー: 卵「それだって後から定義されたものに過ぎない。名前とはただ名前であり、           それを定義するものであり、しかしそれを意味するものではないのだ」
  クレダ : 「…イデア論かなにかですか?」         倫理の授業はあんまり真面目に聞いてなかったんですけどね。
  セイバー: 卵「さて、君は何でわしの所に来たのかな?わしは言葉に給金を与える代り、           意味を詰め込む事をしなけりゃならん。さて一体何をしに来たのかね?」
  クレダ : 「ちょっとそこで、猫に誘われて」         と、続く言葉をちょっと考えて…         「――本当のセイバーを探しに」         見えないのに本当とは、これいかに。
  セイバー: 卵「セイバー?セイバーとはあの塊の事かね?ふーむふーむ」
  クレダ : 「なんでみんな塊って呼ぶんでしょうね…」         まあ、見た目そのまんまだけど。
  セイバー: 卵「見た目でもない、ただあれはそういう塊という存在だからだよ。あれはただの塊なのだ。           あの塊の本当の塊を探しに来たというのかね。ならばそれはわしの仕事かもしれん。           意味を詰め込むのはわしがやれる事だからな」
  クレダ : 「…? 意味を詰めこむ?」         どういう意味だろう。
  セイバー: 卵「まずは思い出してみるといい。あの塊にできることはなんだね?」
  クレダ : 「盾役とか壁役とか? …あと、飲み食いする」         ついでに私をおちょくる もつけようか。
  セイバー: 卵「それは本質ではないな。全くもってただの上っ面、紅茶に淹れる一滴二滴のミルクのようなものだ」
  クレダ : 「本質、ですか」
  セイバー: 卵「わしが聞いているのは紅茶が紅茶である事であって、           紅茶に入っているささいな砂糖やミルクの事は聞いてはいない」
  クレダ : 「つまりこう言いたいんですか? セイバーは、“自分からは何もしない”って」
  セイバー: 卵「そう見えたかね?そう見えたならそれも本質の一つだろう。それじゃあ何故何もしないというのかね?」
  クレダ : 「さあ…。それこそ、やりたくないからじゃないですか?」
  セイバー: 卵「ほほう!ほほう!君はあの塊がやりたくないからやらないと思っているわけか。ほほう!」
  クレダ : 「……」(ジト目で見返します)
  セイバー: 卵「では一つ解釈を与えよう。           あの塊が動かないのは果たしてそれが自覚無自覚問わず必要が無いからとは考えなかったのかね?」
  クレダ : 「必要無い、ですって?」
  セイバー: 卵「君はあの塊の過去を見た筈だ。あの塊の過去を聞いた筈だ。ではあの塊が動くのはどんな時だね?」
  クレダ : 「他者に指示された時、ですよね」
  セイバー: 卵「あっているが間違っている。点数ならば30点!成る程君のおつむは中々出来が宜しくない」
  クレダ : 「…悪かったですね」(むすっ)
  セイバー: 卵「いやいや実にいい事だ。わしは誰かに偉ぶるのが非常に大好きなのだからな」
  クレダ : (さ、サイテーだ。このタマゴから何が産まれてくるのか心配でしょうがない)
  セイバー: 卵「猫から聞いた詩を思い出したまえ。あの塊が動くのはいつだってあの姫の為で           いつだってあの少女の為なのだ。誰でも良いわけがあろう筈がない」
  クレダ : 「…“少女”。あの子は、誰?」
  セイバー: 卵「それは言ってもこの場で意味は無いし、聞いてもまた意味が無い。           何よりもまだまだ話は続いているのだ。さぁ、思い出したまえ。           あの塊にできる事は、本当に壁や盾なのかね?」
  クレダ : 「…もしかして、怪物殺しのことですか?」         実際に見たことはないので、いまいちピンとこないんですけれど。
  セイバー: 卵「それを聞いてるわけではない。さぁ、あの塊は本当に盾や壁だと君は定義しているのかね?」
  クレダ : 「ううーーーん」         あれも違う、それも違うとなると。         「えーーっと………話し相手」
  セイバー: 卵「話し相手!話し相手ときたものか!           さぁ今一度問うとしよう。『君はあの塊を話し相手と定義する』のかね?」
  クレダ : 「な、なんですか」         見るからにムッとした感じで答えます。         「仲間とか友達とか言えばいいんですか?」
  セイバー: 卵「仲間とか友達だとか、名前は重要ではあるが大事ではない」
  クレダ : 「それとも、なんですか“私が決めたように、セイバーは変容する”と?」
  セイバー: 卵「いいや?全く。言っただろう?           『名をつけるのは親だからこそできるものだ』と。君はあの塊の親なのかね?           だがだからこそ君の定義もまた意義を持つ。さぁ、君はあの塊を何と定義しているのかね?」
  クレダ : 「…定義と本質は別ではなかったのですか?」
  セイバー: 卵「そうだとも、そうだとも。良く覚えていた!定義と本質は別のものであり、           されど定義されたものはその定義の役割を持つ。本質とはいざ知らず!」
  クレダ : 「それでも定義を答えろ、と」         …なんでしょうね。私にとってのセイバー。         マスターにとってのサーヴァントですら、仲間と捉える人もいれば、駒として扱う人もいるのに。         「一言であらわすのは難しいです、ね。まるで、母親がいつも作ってくれた料理の美味しさを説明するみたい」
  セイバー: 卵「何とも実に頼りないものだ。あぁ、されど今はまだ君には、いやあの塊には早かったという事か。           猫の言葉をよくよく覚えていくがいい。そしてあの塊が今までに言った事もよくよく思い返すといいだろう。           そしてその上で定義を持ってまた来るといい」
  クレダ : 「…腐れ縁とか言っておけばよかった」
  セイバー: 卵「さぁ、行きたまえ。君はわしを落す役ではないしその役には未来永劫なり得ない。           しかしほんのちょっと手を引く事はできるだろう」         卵はしっしっ、と追い払うよう手を振るよ。
  クレダ : 「じゃあ、また。ごきげんよう」

5日目 昼 北区/廃屋


  GM  : 一通りメールがきています。
  クレダ : 「…昼まで寝る生活に慣れてきた自分が憎い」         空高く太陽がのぼっているのを見、あくびをします。
  セイバー: 『ん?マスター、起きたであるか?』         縁側からのそのそ入ってくるのである。
  クレダ : 「あ、セイバー。昨日の夢はすごかったですよ。マリーザさんがマリマリされそうになるのをアンジェが…」
  セイバー: 『ほうほう、それは凄いのである!全く解らんであるが!』
  クレダ : 「…冗談ですよ。おはよう」
  セイバー: 『うむ、おはようである』
  クレダ : (うーん、アレ、本当にセイバーの夢…なのかなぁ)         ちょっと好奇心を出して、魔眼をつかってセイバーを見てみるけれど、ピカピカに磨かれた兜が見えるだけだった。         太陽の光が反射してまぶしい。
  セイバー: 魔眼の性能ってどんなものであったか?(笑)
  クレダ : データが見えたり過去が見えたり。
  GM  : さて、諸々のメールですが。 監督役からのメール  月詠聖杯戦争5日目  現在脱落したサーヴァントはいません。  聖杯はアダムが所持しています。  原発区を改めて非戦区域に認定します。侵入者は監督役からペナルティを課します。  家事の出来る人員を募集しています。 ・ アンドレからのメール  キャスター移転の件はありがとうよ。  今度なでなでしてやるぜ。  ただ昼間から不審船やUFOの目撃談が出たのは減点な(もみけしておいたが)  半分公務みたいなものだったから、補償がほしければある程度は融通するぜ ・ キャスターからのメール(このメールは全陣営送信です)  私はキャスターのサーヴァント。私の目的は全人類の幸福。  計算の結果、このまま状況が推移すればライダー陣営がこの戦争の勝者となる可能性が高いことが判明した。  私はライダー陣営を除く全陣営に、ライダー打倒作戦を提案する。  賛同者はこのメールに対して返信を行うこと。 ・ アダムからのメール  本日、セイバー陣営に対して戦闘を申し込む。  時間帯と場所を指定すること。ただし日時は本日中に限る。  指定がない場合はこちらから索敵、攻撃を実行する。 ・ 籐河からのメール  昨日は原発にアダムとモンスターが仕掛けたみたいだな。俺も誘われたが周囲確認にしておいた。  結界は解除したみたいだがキャスターは既にいなかったらしいぜ。  とりあえず対キャスター同盟は気が抜けてgdgdみたいだな。  良ければまた会って話さないか?  ところでキャスターからのメール、なんだこりゃ? 心当たりあるか? ・ クロウからのメール  磯野ー、キャスター倒しに行こうぜー。  冗談はさておき、顔を合わせてちょいと情報交換しないか?  昼間、海の家にいるからその気になったら来るといい。 ・   クレダ : あとレンタカーのデータ。ようやくレンタカーに乗れる。         「っていうか、アンドレ叔父さんは、ラノベの読みすぎじゃないでしょうか」         ナデナデとか、なんつー羞恥プレイだ。         いや、小さい子なら喜ぶかもしれないけど、なんか、女の子は大人として扱われたがる気がするし…。
  GM  : ラノベプレイではない(笑)         ともあれこんなメールが来たわけですね。対応していってください。
  クレダ : 「まあキャスターに付き合うつもりはないし、正直ライダーも死にそうにないから放っておいてもいいかな…」         幕間でセイバーと相談した通りに、方針としては、         昼にクロウに会う、夜に藤河さんと相談、深夜にアダムと戦う、という方針で。
  GM  : メールの返信は?
  クレダ : ただし、アダムには、         「決闘に付き合ってあげてもいいけど、その代わり、昼と夜で教会の掃除お願いしまーっす」         と、メールします。
  GM  : うい。
  クレダ : クロウには、「午後○○時に行くからまってなさい」とだけ送信する感じで。         ライダーは…連絡がない限り放っておこう。(笑)
  GM  : いや決闘の場所と時間の指定を求めていますが>アダム
  クレダ : それじゃ、「掃除してくれるなら深夜に私も教会に行きますから」と付け加えます。
  GM  : うい。
  クレダ : で、アンドレ叔父さんに「参加者のアダムに教会の掃除に行ってもらいます。ちょっとくらい自分でやってください。          っていうかナデナデってなんですか? 私だってもう大人なんですから、子ども扱いはやめてください」と、送ります。
  セイバー: 決闘場所、教会であるか?(笑)
  クレダ : 教会前とかで…ダメ?<決闘
  セイバー: 被害は?(笑)
  クレダ : 被害がでないくらい離れる感じで…(笑)
  GM  : 意地でも見に行きたいようだ(笑)
  クレダ : 自分で確認しないと心配じゃないですか。         もし不十分なところがあったら、自分で掃除してから戦いに入るつもりでしたよ。
  GM  : さて。それでは車を借りてから海の家に行く?
  クレダ : ちょっとまってー。         …それと、藤河さんですね。普通に「夜に適当な場所で」とメールします。         それと、最後が一番重要なんですが         暇を見つけてアンジェにメールします。雑談メールを。(笑)         「きのこの山とたけのこの里どっち派?」とかそんなん。
  GM  : おい(笑)
  セイバー: 友達とのくだらない会話に餓えてるのである、多分(笑)
  クレダ : 話題の合う人とのおしゃべりって楽しいじゃないですか。         …で、おまけで、こちらが知っているマスターとかサーヴァントとかの情報をリークすると。         あ、でも、モンスターの真名は誰にも言わない方針で。キャスターにも伝えてないとゆーことでいいです…よね?
  GM  : うい。
  クレダ : メールは以上かな。
  GM  : きのこたけのこについては、あとで処理しましょう。
  クレダ : せ、戦争になるからやめて!(笑)
  GM  : では移動ですね。
  クレダ : はい。
  セイバー: では拙は車内では霊体化である。