第三次月詠聖杯戦争二日目 深夜パート3
GM : 幕間を用意しておいたので読んでおいてください。
クレダ : ほい。
2日目 深夜 北区/赤座籐河のアパート
菊竹市の市街地にあるアパートの一室に、赤座籐河はよろよろと帰ってきた。 別に怪我をしているわけではなく、戦闘に巻き込まれて疲れただけである。 扉を開いた籐我は、すぐさま万年床の布団に倒れ込んだ。 後ろについてきたランサーはため息をつく。 「ああやれやれ、愛しの我が家だ。もうこのまま寝たいぜ……」 「……不精だね。それに疲れるもなにも、トーガは後ろで見ていただけ」 「思いっきり魔力吸い取っておいてそれか! そもそも戦う必要あったのかよ」 その日の夜。ランサーとトーガは、サーヴァントとしての気配を発散させながら町を歩く作戦をとった。 いわゆる釣りである。 ランサー曰く、好戦的な陣営がいればまず間違いなく引っ掛かるだろうとのことだった。 そういった陣営を洗い出すのは籐河としても賛成だったので、半信半疑ながら付き合っていたら、実際釣れた。 金髪碧眼の青年、アダムと『ドレスの少女』キャスターが。 そうしてお約束通りに一戦を交え、引き揚げてきたのである。 「それにしても。あいつ本当に人間か? マスターがサーヴァントと打ち合うなんて、おかしいだろ」 「……そんなに驚くことでもないと思うよ。 私達の時代に勇者がいたように、この時代にも勇者がいる。それだけじゃないかな」 「いねえよ。たぶん、キャスターが渡した武器が鍵なんじゃねえのか。超強化の宝具とか」 「そうかな……」 そう。ランサーと剣と斧を交えたのは、マスターであるアダムだった。 その戦闘能力はまさしくサーヴァント級で、ランサーのパワーとスピードとテクニックに一歩も引かない程だった。 アダムがホムンクルスであることを差し引いたとしても、驚愕すべき相手である。 一方、その間ほとんどキャスターは何もしていなかった。 籐河は一応こまめに援護をしていたので、こうして疲れ果てているのだが。 「とにかくもう寝る、俺は寝る! 明日も仕事だ!」 「トーガ。昼間も言ったけど、やっぱり仕事を続けるのは無理があると……思うよ」 「いやもうちょっと、あともうちょっとで夏休みに入るからさあ」 「トーガは『本気で聖杯を望んでいる』の?」 「そりゃ……言ったし、見ただろ。当たり前だ。俺は……」 「あ」 結局寝間着に着換えることもなく、寝転がりながら会話をしていたマスターを ランサーは会話の途中でいきなり蹴飛ばした。 悲鳴と共に布団ごと、ごろんごろん転がった男は、即座に罵声と共に跳ね起きた。 「なにしやがる!? 真面目な話してただろ今は!」 「あとにして……敵が来た」 「ああん!?」 「サーヴァントの気配。それに人払いが張られたよ……魔術師ならそれくらい察知して」 「おいおいおいマジかよ。ここは俺の部屋だぞ!」 「そうだね」 実際のところ、あれだけ気配を出して街を廻ったせいで拠点までばれた、 という考え方もあるが、ランサーは口には出さなかった。 こうなってしまえばやることは一つである。 「迎え撃つよ、トーガ」 言うが早いか、ランサーは安普請のドアを蹴破る勢いでアパートの外に飛び出した。 風が渦巻き、ブラウスとジーンズが戦装束と斧に入れ替わる。 マスターもぶつぶつ言いながら靴をはき替え、表に出る。 アパートの横にある空き地では、既にランサーと相手が相対していた。 籐河のマスター能力は、後方に控えるマントの男の方がサーヴァントだと見て取った。 ランサーと相対している少年……? は、カソック姿で両手に拳銃を下げている。 銃刀法違反!と今更だが籐河は心の中で非難の声をあげた。まあ人払いしてあるから大丈夫だろうが。 「おいおい子供と社会人はもう寝る時間だぞ。何の用だよ」 「私としても女神を見守りたかったのだがね」 「僕はライダーのマスター、ビリー=マクスウェルです。 夜分遅くに申し訳ありませんが――――倒させてもらいます」 「サーヴァント、ランサー。受けて立つよ!」 即。 ランサーは大重量の斧を構えてビリーと名乗った少年に突進した。 籐河が何かを言う暇もない。 ランサーの感覚は、ライダーが戦士ではないこと、そして少年が充分な技量を持つ戦士であることを察知していた。 そんな相手から勝負を挑まれたのなら、ランサーの返答はただ一つ。斧の一撃以外になかった。 銃声が交差してから、籐河が「この脳筋が!」と手遅れながら罵声をあげた。 ―――――――――――
2日目 深夜 港湾区/豪華客船
菊竹市の港に一週間前から停泊しているクルーズ客船『エクスペディション号』は、 ヘルメスの瞳が秘密裏に所有している船舶である。 全長90m,全幅15m,船客定員96名。クルーズ船としては小型だが、たった三人が使うには十分すぎるほどだった。 もちろん全体が陣地化されている。いわゆる移動魔術工房だった。 そのラウンジで、この船を利用する全ての人間、あるいは非人間が集まっていた。 「さて。説明しろ、アダム。何故あのときセイバーを追撃しなかった」 冷徹な詰問と共に、ふちなしメガネの位置を直す男性。 黄色のジャケットを着た学者風の男だった。年齢ははっきりしないが、30代前後程に見える。 ネイビア=マックス。 彼はヘルメスの瞳の魔術師であり、金髪碧眼のホムンクルス――――アダムの創造主でもある。 「貴様のスペックならあの程度、追撃は可能だったはずだ」 「質問に返答する。追跡を行った場合、キャスターを置いていくことになったからだ」 「それがどうした? 単独で戦闘したところで、貴様の戦闘能力に問題はないだろう」 「狙撃手の存在を事前に確認していた。放置すればキャスターを失った可能性が高い」 「こんな役立たずを守る価値があるのか……?」 「…………」 栗色の髪をしたお姫様然とした美少女――――キャスターがうつむく。 明らかにネイビアはキャスターを軽んじていた。 「まったく。神代の英雄とやらのデータが取れると思ったら、こんなものが召喚されるとはな」 「……申し訳ありません、ネイビア様」 「マスター。キャスターを失うことは聖杯戦争からの脱落を意味する。 よって彼女の護衛を優先した。問題はあるか」 「貴様はこれから先も同じような場面では同じように行動するつもりか? そんなことではいつまでたっても充分な戦闘データなど取れないぞ」 「了解している。今後はセイバー陣営との戦闘を優先しよう」 アダムはキャスターのマスターではあるが、ネイビアの従僕でもある。 なので実質的にこの陣営の行動方針を決定しているのはネイビアだった。 アダムとネイビアはマスターとサーヴァントのような念話機能で繋がっており、船にいる彼が自由に指示を下すことが出来る。 更にアダムから令呪を一角譲渡させており、キャスターのサブマスターでもあった。 小聖杯を埋め込んだホムンクルスを用意した『御三家』の一人である。 そんな彼の、聖杯にかける願いとは何なのか。 実のところ、無い。 「今のところある程度データが取れたのは『ランサー』と『モンスター』か」 「ああ」 「英霊というものがどういうものか半信半疑だったが、予想以上に良好なデータが取れたな。 全ての解析が終われば我々の研究に大きく貢献するだろう」 「そうか」 「もっとも、こういう『ハズレ』もいるわけだがな」 「…………」 じろりとキャスターをさげすむネイビア。その視線は期待外れのモルモットを見る目だった。 そう、ネイビア=マックスは聖杯戦争を、ただデータ収集の場としてしか見ていない。 『過去の成功例』である英霊のデータを収集し、彼の(そしてヘルメスの瞳の)研究目標である 『完璧な人間』の創造に役立てるためである。 ネイビアにとってキャスターがモルモットであるなら、アダムはデータ採取のための試料だった。 そもそもネイビアにとって専門は人体改造であり、ホムンクルスであるアダムの製造には半分程度しか関わっていない。 軽んじるのも当たり前である。 「まあいい。では明日は―――そうだな。やはりセイバーのデータを収集してもらおうか。可能なら宝具を使用させろ」 「ネイビア様、それは……危険です。宝具とは英霊にとっての切り札。それを使わせるということは、アダムが」 「了解した、マスター」 「アダム……」 「よし、下がれ。私はデータの分析を行うからな、明日の夜まで声をかけるな」 ………… ラウンジを辞したアダムとキャスターは、休養のために自室に向かっていた。 アダムが淡々と前を歩き、キャスターが後ろについていく。その間、特に会話はない。 ふと、キャスターが前をいく男に声をかけた。 「アダム。明日の行動はどうしますか?」 「夜からはデータ収集の任務があるが、それまでは自由時間だな。朝方は休養を行うとして、昼は空くか」 「はい」 「そうだな……少し他の参加者に聞きたいことがある。夜間は戦闘をしなければいけないからな」 「お供します」 「そうか。ではどこかの陣営にアポイントメントをとりつけておいてくれ」 「はい」
クレダ : ん…2枚分のテキストファイルがセットになってるんでしょうか。これは。
GM : 2編あるのは面倒だからまとめただけです。
クレダ : なるほど。
GM : 読み終ったら始めましょう。
クレダ : 終わりました。
GM : ではシーンを再開しましょうか。
セイバー: うむ!よろしくなのである!
2日目 深夜 港湾区/港
GM : 狙撃! というところからですね。モンスターとの戦闘中でした。 さてこの狙撃はどっちに飛んでもおかしくないのでランダムに対象を決めましょう。 1d2 して、1だとセイバー陣営、2だとモンスター陣営に飛んできます。 (ころころ……) [1] = 1 運がなかった。あ、それよりモンスターとセイバーのラックで即決勝負をした方がいいか。 せっかく運というステータスがあるんだし。
クレダ : なるほど、確かに。
GM : というわけでセイバーはラックのみで判定してみてください。 6an3 モンスター、ラック判定 (ころころ……) [2,3,2,5,4,4] = 3
セイバー: 6an3 (ころころ……) [1,5,5,3,2,2] = 4 勝ったのである!
クレダ : さっすが。
セイバー: まぁ、判定は同値であったであるが(笑)
GM : まさに運。
クレダ : これがリアルラックですね。
GM : じゃあモンスターに狙撃が飛んでくる。 その発射元は、王子岬の方角です。
セイバー: ふむ。一応聞くのである。カバーリングは可能であるか?
GM : 可能。 ぎゅおんぎゅおんと魔力が集中し ずばん!と一抱えもある光の柱が発射される!
セイバー: では、取りあえず狙撃の判定をして欲しいのである。
GM : 40an5+8 1kmほど向こうから。どごん! (ころころ……) [2,1,1,6,3,(中略),3,4,3,6,1]+8 = 43
クレダ : すごい精度ですね。威力もけっこうなものですが。
GM : モンスター「ゲソっ!?」 モンスター、ガード。港から水流が立ち上ぼり盾になります。 28an5+15an5+5an5 (ころころ……) [5,5,2,6,6,(中略),2,2,5,4,4] = 39 4差命中! たったか…!
セイバー: 一応、カバー可能かどうか拙が聞いたのであるから、 カバーするかどうか聞いてくれても良かったと思うのである(笑)
GM : ああ(笑) ええとカバーは防御判定の後なので今からでもできますよ。
セイバー: うむ、ではさせてもらうのである。
GM : 言っておくけど狙撃手は怪物じゃないよ?(笑)
セイバー: 心配無用である、えーと、強化魔術+カリスマで今+20ダイスでOKであったか?
GM : それでもいいならどうぞ。 +15an5ですね。強化+カリスマ+魔眼
クレダ : はい。
セイバー: うむ、解ったのである。すると、35ダイスであるな。魔力放出MP3点、達成値+6である。 35an5+6 判定である! (ころころ……) [5,6,5,5,1,(中略),2,5,2,5,3]+6 = 36
GM : 7差命中! モンスター「ゲソっ!?」
セイバー: 5an5+36 失敗分を幸運で振りなおしである。えーと。5であるな。 (ころころ……) [1,6,6,4,1]+36 = 39
GM : ひどい(笑)
クレダ : むぎゅう。
セイバー: 出目が悪いであるな(笑)
GM : 4差命中。
セイバー: まぁ、これで良いのである。
GM : 固定値は13です。
セイバー: うむ。鎧だけで弾く(笑)
クレダ : 硬ーい。
セイバー: 拙の固定防御力、30点である!(笑)
GM : 灯台から飛来した光の魔力が、セイバーに直撃!
セイバー: 『ふむ。何ほどの事も無いのである』
GM : モンスターを庇って。 モンスター「いきなりなにゲソ! 今のは別に私でも防げたじゃなイカ!!」
セイバー: 『拙の信条である。モンスターはまだなんら悪事らしき悪事はしていないのである。 話す余地があるなら拙は守るのである』
GM : モンスター「お前私を舐めてなイカ? 私は悪魔でもあるでゲソよ」
セイバー: 『拙の基準であるな。 悪事をしたなら容赦はしないであるが、していないなら悪魔でも怪物でもまずはお話である』
GM : さて、岬の先端に立つ灯台には……千里眼を高ランクでもっている存在は誰かいる?
セイバー: うむ、見えんのである!
クレダ : トループが見えます…ね。 魔眼支援能力で感覚を共有できる(千里眼を仲間に付与できる)ので、全員見えるかと。
GM : じゃあ灯台の頂上に若木のような弓を持つ、灰色の戦闘服を着た、少女の姿があります。 あと髪はピンク。
クレダ : …アンジェさんですか?
GM : はい。アンジェリカ=チェチーリア。
クレダ : 私が言うのもなんですが…人間離れしたマスターが集まりましたね。
GM : 彼女は鋭い眼で彼方を見やり……もう一度弓を引き絞っていきます。 クロウ「けっけ。どうやら『灰かぶり』の邪魔が入ったか。 お互い相手を傷つけられないみたいだし、今日はこれくらいでお開きにしねえか?」
セイバー: 『お開きにするのは構わんである。マスター、どうするであるか?』
クレダ : 「な、ちょ…待ちなさい! こっちの用はすんでません!」 と、言うけど、引きずっていってもらえると助かります(笑)
GM : モンスター「言っておくけど私はまだ本気を出していないでゲソからね!」
クレダ : 「う…」
GM : じゃ、モンスターが触手でクロウを掴み、海に身を躍らせます……が、邪魔しますか? ルール的には逃走判定。
クレダ : さすがに、横からガンガン撃たれながら戦うのはプレッシャーが大きいので、 追いかけるのをためらった瞬間に逃げられます。
GM : どぼん! 夜の海に大きな水しぶきが上がり、クロウとモンスターの姿が見えなくなります。
セイバー: 『うむ。相手の足の方が遥かに速いのである』
GM : いや遅い、けど。セイバーほどじゃない(笑) モンスターの敏捷Dでセイバーの敏捷Eだもんな。
クレダ : 「…あーーーーっ! 逃げられた! でかい口たたいたのに! 悔しーーーっ」 ムギャオー! とはいえ、水の中で戦う気はしませんね。
GM : 明らかに沈みそうなのがいるしな。
クレダ : あと、真名看破はシーン終了後にやる方針でしょうか?
GM : いえ行動を消費すればいつでもいいですよ……が、その前に。 灯台にはまだ針のように鋭い魔力が集中しつつあります。
クレダ : (灯台の方を見て)「あーっ…、イライラする!」
GM : このままそこにいるともう一発ぶち込んでくるでしょう。退散するなら即座にできます。
セイバー: 『ふむ。向こうはやる気みたいである。マスター、どうするであるか?』
クレダ : 「やられっぱなしは悔しいですが、めちゃくちゃ悔しいですが、逃げましょう!」
GM : うい。ではすぐ物陰に隠れて狙撃を免れます。
クレダ : 近づく間に何回攻撃されるかわからないですし。
GM : 狙撃はルール的に逃走判定を邪魔出来ないのが弱点ですね。
クレダ : 逃走を邪魔できる狙撃って、狙撃というより面制圧じゃないですか。
GM : 一応アドバイスしておくと。セイバー飛べっていえばすぐですよ(笑)
クレダ : はい?(笑)
GM : 令呪。
クレダ : ああ、場所移動ができるんでしたね。
GM : 一瞬で灯台の頂上までいけます。1名連れて>令呪による移動
クレダ : でも、やりません。
GM : はい。アンジェリカは小さく何事かをつぶやき、灯台の頂上から飛び降ります。 ではシーン終了しましょうか。
クレダ : あい。