第三次月詠聖杯戦争一日目 夜パート1

  GM  : とりあえず前回の案内の内容は掲示板にまとめておきましたけど         地形的なところで質問事項はありますか?
  クレダ : 待って。教会に戻る前に、一つやりたいことがあるんだけれども。
  GM  : なんでしょう? ひるまのうち?
  クレダ : …というか、尾行がいるのに、そのまま教会に戻るのはちょっと。
  GM  : じゃあどうします?
  クレダ : まあ、PL的に言うと、追跡をかわすのは難しそうなので、         どの道戻るしかないかなーというのはわかってるんですが。         それで少し確認なんですが、GM。
  GM  : はい。シーパークは温泉もありますよ。スーパー銭湯というやつです。
  クレダ : いや、サービスシーンがしたいわけじゃないです(笑)         まず、霊体って何ですか? 今の描写を見ると、単なる無敵状態に見えるんですが。
  GM  : 霊体ですね。おまちください。    −−−−− サーヴァントは血肉を備えた「実体」と、不可視で物理的に縛られない「霊体」の二つの状態をとることができる。 基本的に、両者の行き来に制約はなく、サーヴァントの意思によって自由に行える。 実体は物理的干渉力を持った状態であり、基本的には戦闘を行うための状態。 霊体は物理的干渉力を持たない状態であり、基本的には非戦闘時の状態。 霊体の状態であれば、サーヴァントを維持するための魔力の消費が少なくて済み、敵からは目視されず、 物理的に干渉されないため壁を抜けて移動できるなど、偵察行動などに向いている。 ただし、この状態では相手から干渉されない代わりに自らも相手に干渉できないため、 敵を攻撃する等の行動はとれない。しかも、サーヴァントの持つ武装の多くは概念・魔術的特性を持っているため、 霊体にも干渉できる場合がある。 自らは防御手段をとることができず、敵から一方的に攻撃される危険を孕むため、 サーヴァント同士の戦闘中に霊体化することは安全とは言えない。唯一不可視化する利点はあるが、 サーヴァント同士は(個人差はあるが)互いに気配を察知できるため、万全の安全策とはならない。 サーヴァントの実体は、「霊核」と呼ばれる存在の周囲を、魔力で出来た肉体で包むことで成立している。    −−−−−   GM  : とりあえず辞典から抜粋。         ま、霊体というのは幽霊状態であるというようなことです。
  クレダ : なるほど。攻撃は当たると。わかりました。         あと、もう一つ。この前のセッションで、ナターシャさんに、魔術探知機みたいのをつけたと思うんですが
  GM  : はい。
  クレダ : 現状、私の行動は、         1.自分に探知機がついてるんじゃないかと疑う         2.追っ手を振り切ろうとする が自然だと思うんですけれども。         あの魔術探知機って完全フレーバーですか?         正直、効果がどこまであって、対応策がどこまであるのかがまったくわからないので、         イマイチ行動しにくいんですが。
  GM  : 基本的にはフレーバーですが、クレダの探索魔術の形態があれで決まったと言えます(笑)
  クレダ : なるほど。
  GM  : 探索魔術の方式にもいろいろあって、直接的にソナーするとか、         動物の視界を借りるとか、式神を偵察に飛ばすとか。         クレダの場合はカメラを設置してその場所かものを継続的に監視するという形式ですね。         で、実際情報が集まるかは、情報魔術の即決勝負で行います。
  クレダ : ついでに音も拾ってもらえると嬉しいです、演出的に。
  GM  : はい、音も拾えます。         さて。自分にカメラがついてるかどうかというのは、正直気にしなくてもいいです。         仮にクレダから情報をもらうとしたら、魔術の即決勝負を行いますから         その判定に敗北したら情報が漏れるし、勝てば防げたということです。         あと魔術は基本、隠密には向かないようです。
  クレダ : …魔力使いのサーヴァント相手に、圧倒的に不利じゃないですか。         まあ、そうですよね。つまるところ、魔力が高ければなんでもやりたい放題ってわけですもの。         これは、朝倉さんが強さを追い求めたのは間違ってなかったと言うしかない。
  GM  : 頼子は恐ろしく直接的な魔術行使しか行っていませんでしたが(笑)         ま、逆にいうと、魔術で防げるのは探索魔術だけなので         今回みたいに直接ストーカーされてると防ぎようがないですね。         少なくとも魔術では。
  クレダ : 敏捷で逃げたら魔術に切り替えるくせに…。         まあいいです。とにかく、教会に戻る前に、すこし現状について整理して、         ビリー君と話して、教会に電話するシーンが欲しいんですけれど。
  GM  : 夜でいいですか?
  クレダ : 演出の都合上、昼だとありがたいんですが。
  GM  : じゃあ昼で。
  クレダ : 行動するなと言うなら行動しませんけれども。         行動していいなら今のうちに(役に立つか立たないかわからない)変装をしておきます。(苦笑)
  GM  : 昼行動はさすがにもう一杯だ!

1日目 昼 港湾区/水産市場


  GM  : 港湾区の駐車場としましょう。
  クレダ : じゃあ、ハンドルに突っ伏して呻いてます。         (あー、どうしよ…)
  GM  : ビリー「? どうしました、クレダ司祭」
  クレダ : 「いや、君、落ち着きすぎでしょう…          ストーカーに追いかけられたら、誰だって不安になります」
  GM  : ビリー「けれど僕たちは監督役の立場ですから、どちらにしろ手出しは難しいですよ。             あちらから攻撃してくれば別ですが……」         というかビリーにストーカーのことを言ってたことを忘れていた(笑)
  クレダ : 「ううー。でも…。私達以外に、誰か教会の人来てないんですか?」
  GM  : ビリー「ああ。ええと……街には教会のスタッフの方が常駐しています。             ただ彼等は非戦闘員で、主に神秘の隠匿が仕事ですね」
  クレダ : 「じゃあ、それなりに戦えそうなのって、私と君と、叔父さんだけってことか…」
  GM  : ビリー「……はい、そうです」
  クレダ : 「なら、君、もうマスターになってるんでしょ?」         と、言ってみます。
  GM  : ビリー「え!?」         驚き狼狽します。         ビリー「ど、どうして――――……いえ、そうです」
  クレダ : 「…うん。君が素直で嬉しいよ」
  GM  : ビリー「申し訳ありません。時期を見て話すつもりでしたが……どうして分かったんですか?」
  クレダ : 「ありがとう。本当は、しばらく黙っておこうと思ったんだけど。          正直、君とはできるだけ敵対したくないから、今言ったんだ」
  GM  : なぜわかった!
  クレダ : 「根拠は、叔父さんの言葉だよ。朝、“まず聖杯戦争を主導する御三家。          次に聖杯戦争に参加する意欲のある魔術師。それでも足りなきゃ余りもんだ”って言ったの。          そして私の聖痕はあまりもの、ってね。…この言葉を正しいとするなら、          私より優先される聖堂教会の何者かが、先にマスターになっているはず。          その上、君は先に現地入りしていた。準備する時間もあった。あとは…半分あてずっぽう、かな」         クスっと笑う。
  GM  : ビリー「あてずっぽう……ですか」
  クレダ : 「かまかけ、とも言うね。試してごめんね」
  GM  : ビリー「それは……参りました」
  クレダ : (本音を言うと、後ろについて来てるのは君のサーヴァントじゃないか、          と思ったりもしたんだけど、さすがに根拠がないし、黙っておこう)         …正確に言うと根拠はあるけど確証にかけまくってる。
  GM  : ビリー「はい。僕は二日前にサーヴァントを召喚しました。             ただ……その時はまだ、聖杯戦争に参加するかどうかは決めていませんでした。             ですからその時以来、彼の行動には関知していません。監督役としての中立性にも問題がありますし」
  クレダ : 「ダヨネーアハハー。何か、叶えたい願いでもあるの?」
  GM  : ビリー「……願いではないです。それ以上は今は言えません」         いやまあ願いかもな。
  クレダ : 「じゃあ、これだけ聞かせて。やっぱり、叔父さん…監督役なんてする気、ないんだ?」
  GM  : ビリー「ええと……すみません。アンドレ司教の意向については分かりません。             召喚は僕が勝手にやったことですから」
  クレダ : 「え、ホント!?」
  GM  : ビリー「はい。僕は英霊の探知機として呼ばれたんだと思いますし…」
  クレダ : 「まあ、マスターとしてすごい優秀だよね…その能力」
  GM  : ビリー「あまり便利でもないんですけれどね。自分の英霊が傍にいても痛いですし」
  クレダ : あ、そうか。ビリー君が監督性に問題が、っていったの、自分自身が、か。勘違いしてた。
  GM  : そこでか(笑)         少なくともクレダとアンドレが来るまでは、ビリーがこの街の監督役だからね。
  クレダ : なるほど。ところでGM、ふと思ったんですけど         監督役が、つまり叔父さんがサーヴァント召喚することってできる?
  GM  : まあ召喚の条件がそろってれば可能ですよ。
  クレダ : ん。わかった。         「じゃ、ちょっとまってね。叔父さんに電話掛けるから」         と、教会に電話を掛けたいんですけれど。
  GM  : 携帯電話が使えますよ。
  クレダ : なら、直接かけましょう。
  GM  : PRRRRR         アンドレ『なんだクレダ。今居留守してるから手みじかに頼むわ』
  クレダ : 「別に誰が尋ねてくるわけでもないでしょうに」
  GM  : アンドレ『いや参加者が訪ねてくるんだぜ? あ、晩飯はなんだ?』
  クレダ : 「刺身の盛り合わせですよ。          で、私達、そろそろ帰ろうと思ってたんですけれども」
  GM  : アンドレ「おう。早くしろよ鮮度が命だからな」
  クレダ : 「後ろについてきてるアレ、叔父さんの仕業ですか?」
  GM  : アンドレ『何の話だ』
  クレダ : 「サーヴァントっぽい何かにおいかけられて、すごく迷惑してるんですよね〜。          このまま風呂の中までついてきたら、いくらなんでも本気で怒りますから」
  GM  : アンドレ『おいおい……お前ら監督役だろ?              まあ、あれだ。そのまま帰ってきちまってもいいんじゃねえの?              風呂ぐらいいだろ減るもんでもない』
  クレダ : 「冗談じゃないです!」
  GM  : アンドレ『やれやれ。まだ結界も張ってねえのに』
  クレダ : 「すいません、ちょっと興奮しすぎました。…あと、一応言っておきますけど――、          私、右手に聖痕が浮かんだのも、叔父さんの仕業じゃないかって思ってるんですからね」
  GM  : アンドレ『なんでも監督役のせいにする風潮はよくないと思う。              いつからそんな疑り深い子になっちまったんだ?』
  クレダ : 「最初からそうです。口に出さなかったし、          疑っても行動に起こさないから気付かなかったかもしれませんが。          イタリア人女性だったらこう言ってるところですよ。          “一度や二度の浮気でガタガタ言わないから、男のくせにコソコソすんな”」
  GM  : アンドレ『おいおい。つまり俺がサーヴァントを寄越してお前に召喚させようとしてるってことか?』
  クレダ : 「さあ。実際はどうなのか、私にはわかりません」
  GM  : アンドレ『俺どんだけ信頼ないんだ』
  クレダ : 「でも…私、それがなんだって、やりたい放題されるのは、大っ嫌いなんです」
  GM  : アンドレ『やれやれ……で、どうしたいんだ?』
  クレダ : 「叔父さん、しおりの4番に乗ってた魔法陣。準備できてるんですよね?」
  GM  : アンドレ『ああ。まあ書くだけならすぐだぜ』
  クレダ : 「まだなら、作っておいて貰えませんか」
  GM  : アンドレ『そんな理由でよんじまっていいのか?』
  クレダ : 「なら、どんな理由ならいいんです? 世界平和ですか? それとも、肉親を生き返らせること?」
  GM  : アンドレ『落ち着けよ――――いいか?              サーヴァントを召喚するっていうことは聖杯戦争に参加するってことだ。              で、監督役は参加者に中立でなければならない。俺はお前を助けてやれなくなるぜ。              もちろんビリーもだ。それでもいいのか? ってことだよ』
  クレダ : 「私は…、私は、それでも! 叔父さんがいてくれたら、それでよかったのに!!」         電話を白くなるまで握り締めていた手が、ギリ、っと悲鳴をあげた。         今まで押さえ込んでいた本音が、最悪のタイミングであふれ出した。         …いや、前もって、思っていることを口に出さなかったがゆえの、自業自得なのかもしれないけれど。         「っ……」         呼吸が荒い。こんなになるまでエキサイトしたのは、何年ぶりだろう。         「…すいません。なんでもないです」         つとめて、声を落として、冷静さを装う。でも、声の震えは隠せなかった。
  GM  : アンドレ『ああ。ま、とりあえず帰ってきていいんだぜ』
  クレダ : 「とにかく…私、やりますから。準備、お願いします」         と言って電話を切ります。         …そしてそのまま、脱力して、ハンドルにもたれかかり、額をつけます。         「あーあ…嫌われちゃったかなぁ」         (なんでこんな大事な時に、冷静になれないかな…死にたい)         今感じている、この自己嫌悪が自分を殺してくれるなら、どんなによかっただろう。         「…叔父さん。寂しいよ…」
  GM  : ビリー「クレダ司祭。ええと……あの」
  クレダ : 「…あ、うん、ごめん。恥ずかしいところ見せたね…」         目じりを拭って、顔を起こして、笑顔を作ります。
  GM  : ビリー「いえ、僕こそすみません。             というかその、もう一つ謝らないといけないことがあるんですが……」
  クレダ : 「え?」
  GM  : ビリー「召喚したサーヴァントを呼んで対処しようと思ったんですが……             今ついてきているのが、僕が召喚したサーヴァントみたいです……」
  クレダ : 「…そ、っか…。じゃあ、安心して帰れるね」         今度は、自然な笑みを浮かべて、車のエンジンをかけます。
  GM  : ビリー「……すみません」         いろいろ申し訳なさそう。
  クレダ : クーラーから、ヒヤッとした気持ちいい空気が吹き込んできて、髪をかきあげる。         「謝らないで。…人間、誰にでも人生はあるんだから。君は君の人生を生きればいいよ。          私は…叔父さんと会う前のことは、あまり覚えてないから。今のこの生活しかないんだよね」         と、言う。…だけど、それは嘘だった。10歳になるまで…、私にも、普通の生活があった。         あの時のことを口にだすと、まるで不幸自慢をしている気がして、今日も言い出せなかったけれど。
  GM  : ビリー「―――クレダ司祭。司祭には罪を犯してでも成し遂げたいことはありますか?」
  クレダ : 「でも…たぶん、あるんじゃないか、と思う。          そんなの、気付かないほうが幸せかもしれないけどね」
  GM  : ビリー「……そうだったのかもしれませんね」
  クレダ : 「君にはあるんだろうね。…なんとなくだけど、わかる気がするな。ソニ君は元気?」         アルバニアの日々が頭をよぎる。
  GM  : ビリー「はい。この前手紙が来ましたよ」
  クレダ : 「そっか、元気にしてるんだ。よかったぁ。イタリアって遠いから、切手代高いんだよね。          それに、内乱で、まともに手紙が配達されない区域もザラだし。          そっか…。元気なんだ…」         自分がしたことが無駄じゃない、というのは、生きる上で、救いだと思う。
  GM  : ビリー「クレダ司祭」
  クレダ : 「なにかな?」         思わず涙ぐみかけて、潤んだ目を慌ててこすって隠し、聞き返します。
  GM  : ビリー「夕食の準備をすっぽかすことになってしまいますが、僕はここで……失礼すべきだと思います」
  クレダ : 「そんなに、気にしなくてもいいのに。…どうせ、明日からは、教会以外の場所で寝泊りするつもりだったし。          だってほら。教会で戦いなんかやったら、修理が大変じゃない」
  GM  : ビリー「でも、クレダ司祭。貴女は殺し合いなんてやるべきではないと思う」
  クレダ : 「…そう? そう言ってくれたのは、君が始めてかな。…ありがとう。本当に。          大丈夫。できるだけ、犠牲者は出さないようにするよ…って言ったら偽善かな。          あはは」
  GM  : ビリー「じゃあ……教会までは御一緒しましょう。アンドレ司教にはちゃんと伝えて」
  クレダ : 「うん。そうだね。一度、ちゃんと話さないとね……行こうか。          シートベルト、締めてね」         そして、ビリー君の準備ができたのを確認したら、アクセルをゆっくりと踏みこみます。
  GM  : ぶろろろ。
  クレダ : 慣れない右ハンドルの車を、ゆっくりと前進させて…水平線を横目に、海岸沿いの道路に車を走らせて。
  GM  : 夕日。海にオレンジの太陽が沈んでいきます。
  クレダ : ―――次の夜が、近づいていた。         …という感じで、シーンカット?
  GM  : そうですね。         時間食ったので教会につくころには日が暮れてることにしましょう。
  クレダ : これでPC作成時にやりたかったこと70〜80%やった。ワーイ。         大人しく、教会の敷地に車を乗り入れますよ。逃げも隠れもしません。         …あ。やばい、刺身、痛んでないよね…(汗)         サバとか好きなのに。

1日目 夜 王子岬/教会


  GM  : まあ夜になるとビリーが血を吐きます。
  クレダ : 「ちょ…!」
  GM  : 教会につく前あたりに。
  クレダ : 「大丈夫?」
  GM  : ビリー「……はい。新たなサーヴァントが召喚されたようです」         それはクレダもわかる。何故ならナターシャを監視していたから。         というわけで幕間。
  クレダ : 車のエンジンを切ってから、ビリー君の背中をさすって、回復魔法を掛けてます。
  GM  : 演出であってダメージはないから大丈夫(笑)         強いていうなら突然ボディブローを食らった感じですね。
  クレダ : 何言ってるんですか、ダメージ入ってたらちゃんと魔法使いますよ。(苦笑)
  GM  : そうだね(笑)
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1日目  夜  港湾区/コンテナ置き場

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Rec(監視魔術からの映像) 「……ふう。やっと涼しくなったな」  上半身ブラジャーのまま日陰で涼んでいたナターシャは、日が暮れて風が冷たくなってからやっと白衣を着込んだ。  ちびちびとやっていたウォッカを運転席に放り込み、代わりに駅前でもらったしおりを取り出しめくる。  手順を確認。 「1.召喚したい英霊に縁のある触媒を用意する……触媒? 白金でも用意しろというのか?」 1823年にドイツの化学者であるヨハン・デーベライナーは、白金のかけらに水素を吹き付けると 点火することに気がついた。白金は消耗せず、その存在によって水素と空気中の酸素とを反応さ せることを明確にした。触媒は反応の速度を増加させる。適切な触媒を用いれば、通常では反応 に参加しないような活性の低い分子(例えば水素分子)を反応させることができる。しかし原系( 反応基質側)や生成系(生成物側)の化学ポテンシャルを変化させないため、反応の進行する方 向(化学平衡)を変えることはない。すなわち自発的に進行する方向に反応の速度を増加させる 働きを持つ。言い換えれば、自発的に起こり得ない方向への反応は触媒を用いても進行しない。 例えば、室温において水素と酸素から水が生成する反応は、反応前後でのギブズ自由エネルギー 変化 ΔG < 0 であるため自発的に進行し、白金触媒を用いると反応速度を増加させることがで きる。一方、水が水素と酸素に分解する反応は室温では ΔG > 0 であるため、どのような触媒 を用いても自発的には進行しない。 ΔG > 0 となる反応を進行させるには生成物を連続的に系 外に排出するか、外部から電気や光などのエネルギーを与える必要があり、場合によっては電極 触媒や光触媒を利用して反応速度を向上させる―――― 「なんだ、触媒はなくてもいいのか。ではなしで。2.聖痕(令呪のきざし)を確認する」  ナターシャは自分の手首をまじまじと観察し、おもむろにペンを突き刺そうとして、やめた。  代わりに白衣から赤ペンを取り出し、手首に赤丸を書き込んでおく。  右手の甲に浮かび上がっている痣はガン無視だった。 「よし。3.開催地で魔方陣を描き、召喚の呪文を唱える」  ナターシャは白衣の胸元からチョーク(市販品.1パック105円)を取り出し、  自分の腕をコンパス代わりにがりがりとアスファルトに図形を描き始めた。  一分後、きれいな三重円が描きあがる。  本来はこれに五星や六星、呪文を加えるのだが、ナターシャはこれで完成とした。  用を満たすかどうかも怪しいシンプルさである。 「さて、呪文か。えー……セット。素に銀と鉄礎に石と契約の大公祖には我が大師……あー、ではライプニッツ。  降り立つ風には壁を四方の門は閉じ王冠より出で王国に至る三叉路は循環せよ」  極めて棒読みの詠唱が始まった。  態度も、片手を白衣のポケットに、片手にしおりを手にした罰当たりなものである。  何よりやってる本人が半信半疑という風だった。  それでも律儀に、風が魔法陣を中心に渦巻き始める。 「閉じよ×5。繰り返すつどに五度ただ満たされる刻を破却する。  セット。汝の身は我が下に我が命運は汝の剣に聖杯の寄るべに従いこの意この理に従うならば応えよ。  あー……本当に効果あるのか、これは」  省略と余計な台詞まで入った。  それでもけなげに魔法陣は頑張る。ナターシャには感知できないが、魔力がその場に集まりつつあった。  ばちばちと、静電気がコンテナの周囲を走る。 「誓いを此処に。  我は常世総ての善と成る者我は常世総ての悪を敷く者。  汝三大の言霊を纏う七天、  抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ。っ」  ナターシャが詠唱を終えた瞬間、右手に痛みが走り、令呪が形を為す。  彼女が驚き、自分の右手の甲をマジマジと見ている間に、  魔法陣には膨大な魔力が集中し、無数の数字が人影を構成していく。  ここまでいい加減な召喚でも出てくるということは、つまるところ出てきたがっていたのだ。  そして数秒後、そこには一糸まとわぬ少女がいた。身体の起伏は少ない。  ナターシャに英霊に関する知識は全くない、なので驚きどころがわからない。  とりあえず成功のようだ、と思っただけだった。 「聖杯の招きに応じ、サーヴァント・キャスター、ログインした」 そして少女(全裸)は、全く感情の感じられない瞳で、ナターシャをじっと見つめて、口を開いた。 「問おう――――市民(マスター)、あなたは幸福ですか?」 (映像途絶。この直後に監視魔術は破壊された)
  クレダ : が、ガチ物理学…高校でやりました。懐かしいです。
  GM  : Wikiからコピーしてきただけなので気にしないでください>触媒
  クレダ : うわあああ、幸福ですか市民。この人怖いです。
  GM  : はい幸福は義務です。
  クレダ : もちろんですコンピューター様。
  GM  : ではシーンを再開しましょうか。そういう情報をクレダは会得できます。
  クレダ : なんですか、なんなんですかこれ? UV様とかなんなんですか?
  GM  : その情報はあなたのクリアランスレベルでは公開されていません。
  クレダ : うう…。まあ、無いよりは有るほうが絶対にいいけど、なんだってこんな組み合わせに・・・(涙)
   ※ 解らない人への簡単『パラノイア』講座         未来、偉大なるコンピュータ様の管理の下、完璧で幸福な生活を送る市民を演じるTRPG。         市民はトラブルシューターとして事件を解決したり、テロを起こしたり、粛清されたり、クローンとして復活したりする。         なお、市民にはクリアランスレベルという権限が色で指定されており、最高はUV(ウルトラヴァイオレット)になる。
  クレダ : と、とにかく教会に戻ります。
  GM  : あ。クレダが教会に入ろうとすると、ちょうど出てきた人と対面します。
  クレダ : ん。ちょうどドアノブに手を掛けたところだったので、慌てて腕を引き戻します。
  GM  : ぎいいいい。         教会の明かりを背景に中学生くらいの少女で、実際どこかの中学校の制服を着た少女です。         髪はピンクで両側で纏めています。そしてクレダには見覚えがあるような気がする。         少女「――――」
  クレダ : 「こんばんは」         と、挨拶します。         「もう暗いですから、気をつけて帰ってくださ、い、ね…」
  GM  : いや見覚えがあるもなにもない。服装以外当時そのままの姿なんだから。
  クレダ : 「………」         じっと、その少女の顔を見ます。
  GM  : 少女「―――こんばんは」
  クレダ : 一瞬、もしかして、幻覚攻撃でも受けてるんじゃないか、と思って立ちすくみます。
  GM  : 少女「あの、人違いだったらごめんね―――前に、会ったことがあるかな?」         ビリー「……」
  クレダ : ごめんGM、私には思い当たる例が、オリヴィアと、私を助けてくれたらしい天使さんと、         気がついたら死んでた子の3つあるんだけれど。
  GM  : メタ的にわからないか(笑)         答えBです。彼女は間違いなく、あのときクレダを助けてくれた少女ですね。天使?
  クレダ : わかりました。         「(天…いや、まさか)…イタリアで、あなたに良く似た子と会ったことはありますけれど…。          あなたは、イタリアにいたことはありますか?」         まさか…そんなはずない。あれから10年経ってるんだ。
  GM  : 少女「ああ……やっぱり。生きていてくれたんだ」
  クレダ : サーヴァントでもない限り。この場にいるはずが…         「………」(ぽかーん)
  GM  : 少女「生きていてくれて……よかった」
  クレダ : (………)驚きのあまり、口をぱくぱくさせてます。
  GM  : ビリー「クレダ司祭……」
  クレダ : 「ええと、なんていうか、あ、ああ、うん? ど、どうしたのビリー君?」
  GM  : ビリー「いえ……この人……お知り合いですか?」
  クレダ : 「…うん、その…命の恩人というか。今の道に進むきっかけを作ってくれた人というか…」         (なんていうか、偶然生き別れた産みの親に再会した時、ってこんな気分なんだろうな…)         やばい。不意打ちすぎて、まったく思考がまとまらない。
  GM  : 少女「ウェヒヒ。そういえば、あのときはちゃんと名乗ってなかったね」         少女は独特に笑って         「私の名前は、アンジェリカ=チェチーリア。聖杯戦争に参加しに来たんだ」         そう、名乗ります。
  クレダ : 「あ…その、クレダです。おひさしぶりです」         緊張しすぎて、自分より幼く見える相手に、敬語を使ってしまうの図。         (チェチーリア家って、確か…あの。魔法実験の失敗で、街ごと滅んだ、っていう)
  GM  : アンジェリカ「クレダちゃんは、参加者なの?」
  クレダ : 「あ、ええと……そうです」         駄目、腹芸をする余裕もない。
  GM  : アンジェリカ「―――― そう。それなら、私と遭う前に、棄権した方が、いいと思うよ」
  クレダ : 「……。」
  GM  : アンジェリカ「クレダちゃんを殺したくはないからね……ウェヒヒ」
  クレダ : 「それは…どうも」         相変わらず混乱していたので、気の効いたことは言えなかったけれど。         “棄権しろ”と言ってくれるだけ、彼女は優しいのだろう。
  GM  : ビリー「失礼します―――貴女は何者ですか?」
  クレダ : ああう、ビリー君! 私の代わりに質問してくれるオプションっぷり。そこにしびれる憧れる!
  GM  : アンジェリカ「私? 私はただの参加者で、魔術師だよ」         ビリー「では質問を変えます。貴女は人間ですか?」         アンジェリカ「本当に失礼だね、ウェヒヒヒ。他に何に見えるのかな?」         ビリー「いえ……失礼しました。僕も参加者の一人で、ビリー・マクスウェルです」
  クレダ : 「…クローンとか。」
  GM  : ゲームが違う(笑)
  クレダ : 「いや、だって10年前と同じ見た目とか、明らかにおかしいじゃないですかぁ!」
  GM  : アンジェリカ「若づくりなんだよ。ウェヒヒヒ」
  クレダ : 「その秘密教えてくださぁい!」
  GM  : アンジェリカ「それがチェチーリアの魔術の奥義だから、内緒だよっ」
  クレダ : (また言った)         い、いや、つい雰囲気に流されてしまいましたけど。         チェチーリア家って、確か、魔術実験で壊滅したんですよね?
  GM  : しました。
  クレダ : 魔術師とかの間では、今、どういう立場なんですか?
  GM  : そのあたりのことはあとで判定しようか!         とりあえずクレダはあえて触れてこなかった事柄です。
  クレダ : りょーかいです。         まあ、下手に触れようとしたら何をされるかわかりませんものね。
  GM  : アンジェリカ「それじゃあ、これからサーヴァントを召喚しないといけないから、失礼するね。                クレダちゃん――――さようなら」
  クレダ : 「…さようなら。あなたと戦わずにすむことを願っています」
  GM  : アンジェリカはゆうゆうと、二人の横を歩いていきます。         アンジェリカ「ウェヒヒヒ。勝つのは私だからね」
  クレダ : 「…勝つ、ですか」         ――何に?
  GM  : では彼女は夜闇に去っていきます。
  クレダ : (私は…負けたくないだけなんですけどね)         うう…不安だ。
  GM  : ビリー「今の人……ものすごい圧力でした……ただものじゃないと思います」
  クレダ : 「魔力も高いし…、というかぶっちゃけナスターシャさんも魔力高めだったし、          そんなんばっかりですかぁ。ぜ、前途多難ですね…」(泣)         アンジェリカについて、詳しいことは…調べてから考えましょう。うん、それがいい。
  GM  : ビリー「クレダ司祭……あなたはまだ参加者ではありません。参加しなくてもいいと思いますよ」
  クレダ : とりあえず、ビリー君には、何も言わず、笑みだけを返します。
  GM  : ともあれ中に入るんだね。
  クレダ : はーいじゃあ参加やめまーす とか言ってセイバーにどつかれるのも面白いですが。
  セイバー: そもそも呼ばれてないからどつけないのである(笑)
  GM  : いやいや実際あれだよ。アンジェリカが呼べば七騎だから。マジ開始できるよ?(笑)
  クレダ : あっれ。(笑)         ど、どういうことだってばよ
  GM  : 仕様です。
  クレダ : ひっ、序盤戦はマスターだけで戦う そんなWW2のロシアキャンペーンみたいなのは嫌です。
  GM  : 月詠聖杯戦争は八騎が伝統なんですよ。説明書には七騎開始と書いてありますが。
  クレダ : な、なんですとー! で、一人だけ異様に強いと。
  GM  : いや異様に弱い。ゴミが混じってる。というかイレギュラーはゴミ。
  クレダ : ひっ、そ、そういうのが一番油断できないんですよ!
  GM  : さておこう。
  クレダ : ああー。しまった! アンジェリカを魔物識別するの忘れてた!         くくー。…ま、まあ過ぎた事は仕方がないです。進めましょう。
  GM  : 圧倒的に毛押されていたな(笑)
  クレダ : アウアウアウ。だから言ってるじゃないですか。私ビビリなんですよ。
  GM  : というか魔物扱いするな(笑)
  クレダ : それは単にSW2.0のネタなので気にしないでください(笑)<魔物