第二次月詠聖杯戦争5日目 昼パート2
GM : そういえば、マリの修行のネタを考えたよ。
頼子 : マリの修行?
GM : リスクを積み重ねれば積み重ねるほど効果が上がる。
頼子 : げええー。マリが死んだらなんにもならんのに。私等の勝手な都合ではあるけどさ。それは。
GM : 全乗せありで。 ・一晩死ぬ危険のある苦しみを味わう。(デフォルト) ・人間を辞める。平穏な生活と離別する。 ・一週間前後で燃え尽きる。 ・聖杯戦争終盤でライダーと殺しあう。どちらかが死ぬまで。タイミングはライダーが決める。 ・大切な記憶を失う。マリがマリでなくなる。 ・トバルカインも協力する こんな感じ。
頼子 : もうデフォルトの時点で死にそうだ(笑) っていうか、デフォルト以外全部却下だよ!(笑) っていうか最後がある時点でもう修行自体が臭くなってきたわ!(笑)
GM : じゃあどれなら許容可能?
頼子 : デフォルトですら許容したくないが、デフォルトまでならまだ許容出来る。
GM : ああ全却下なんだ。全乗せすれば頼子並に強くなれるかもしれない!
頼子 : 私と殺しあいたいんかマリは? 却下に決まってるだろう!(笑)
GM : でも決めるのはマリだから。ここは思い切って、全乗せで!
頼子 : マリは、何のために強くなるか、完全に忘れてるだろう(笑)
GM : そういえばさ、アサシン倒す気なら真名看破したら?
頼子 : ああ、うん。あ、今できるの?
GM : できるよ。
頼子 : じゃあしとこうしとこう。何で判定だっけ。目標値は?
GM : ランク次第。15-(ランク/2+知名度補正)
頼子 : 宝具は使われてたよね。あれはどうなるん?
GM : なるほど。宝具の数だけ加算される。が、奴の場合はスキルで難易度が+5される。
頼子 : ってことは、20ってことか。ランクは9だったから、えーと、5マイナスか。
GM : そういうことだな!
頼子 : 宝具は、1個か2個だから、15−5−1+5=14か!
GM : そうだね。
頼子 : 14は、MP支払わないと無理だ。 そういえば、次はどのタイミングから始まるんだ?
GM : 前回どこまでいったか覚えてる?
頼子 : キャスターにサーヴァント1騎倒してこいやライダー倒れてねえやんって言われた。 で、学園から出てきたトコで終わってたはず。
GM : 意図的に忘れてるのか?(笑)
頼子 : おう?
GM : ユノがランサーを殺すよといって、マリがん?となって、ライダーがいきなり床をぶち壊した。
頼子 : そうそう。凄い悩ましい状況だった。 とりあえずユノを抑えこんで、私がアサシンを倒しに行かねばならん。
GM : ひとりで?
頼子 : ユノにはマリと和布のお目付け役をしてもらいたい! あとライダー。 まあ、其れが出来るかどうかは、分からんけど。
GM : 逆にユノが頼子に頼んでくるよ。マリを守っててくれと。
頼子 : 本当逆なんだけどなぁ(笑) ユノより私のほうが、命令聞くサーヴァントいるから、安心なのに。
GM : サーヴァントを倒す義務はユノに移ったから、その方が正しいだろう。
頼子 : 分かった。ユノと私でアサシンを倒す。
GM : 新しいな?(笑)
頼子 : アーチャーをお目付け役で残す。 今思ったけど、ユノもライダーもマリも和布もドラムコーも、全員ほうっておくと何するか分からん。 お留守番をまともにこなせるのは、アーチャーしかいない。
アーチャ: 留守番じゃない、拠点防衛と言え(笑)
GM : まあ実はまた厄介事が起こってるよ。御門家で。
頼子 : お前等はなんでお留守番もできないんだ?(笑) 小学生のガキでもまだマシな留守番ができるぞ?(笑)
GM : 留守番って地味じゃん?(笑)
頼子 : 地味だからなんだよ(笑)
GM : 持ち場放棄は騎士の花です。
頼子 : ちっげえよ絶対ちっげえよ!(笑)
GM : いやドラムコーの英雄譚からいってそうだから(笑) 国に戻れと国王から知らせがきてもガン無視するのが騎士の花。
頼子 : じゃあそこにいろよぉー!(笑)
GM : 女を追い掛ける! 淑女を追い掛ける。
頼子 : あー、女いないな。確かに。ドラムコー、維持するの面倒臭いなぁ(笑)
GM : 冗談はさておき。アサシンの真名看破はどうする?
頼子 : ああ、そうだった。次って昼行動から? この真名看破って、昼のうちの行動になるの?
GM : 昼のうち。
頼子 : 不味いなぁ。結界MPも足らんのに。っていうか、本当、ギリギリだな私。 ユノと組んでアサシンを倒せるのかどうかすら不安になってきた。 とりあえず、昼のうちに真名看破だけしておく。無窮の叡智を封印解除して、20an5でやるわ。 20an5 魔力魔術叡智。 (ころころ……) [2,1,5,1,1,5,1,1,1,6,1,3,5,1,4,1,5,4,1,2] = 19 お前……。
GM : わあ(笑)
頼子 : まあ、なんて言うか、多分真名看破できた。
GM : 次はリアルで当てるタイムです。どうぞ。
頼子 : 伊東一刀斎じゃないか?
GM : なんだってー!
頼子 : おおう!? ど、どうなんだ! GM : 正解です。 頼子 : 良かった……。
GM : 先に聞いておくけど、元から知ってた?
頼子 : 私が? まさか。調べたよ。私はそういう知識は皆無だよ。 バカボンドも結局読んでないしな。あれ、一刀斎、ちょっとしか出てこないし。
GM : まあね。
頼子 : 伊東一刀斎が出るフィクションってなんかあったっけ。
GM : バカボンドぐらいしか。
頼子 : 知らない人はやっぱり知らないんだな。
GM : まあ小説は結構出てる。
頼子 : 小説か。なるほろ。
GM : じゃあデータを公開するか。
頼子 : お願い。 【クラス】 アサシン 【原典】 史実 【マスター】 アナスタシア 【真名】 伊藤一刀斎 【性別】 男 【身長・体重】 165cm,50kg 【属性】 中庸・中立 【イメージ】 なし 【特技】 剣 【好きなもの】 酒 女 【嫌いなもの】 神 【外見】 黒スーツに黒ネクタイをつけた14歳程度の少年。 髪は後ろでまとめ、ベルトに日本刀と酒瓶を下げている。 - ランク 9 武術/開祖/不敗 筋力C 耐久D 敏捷A+ 魔力E 幸運B 宝具C+ HP44 MP32 IV19 基礎攻撃力3 基礎防御力2 - スキル 気配遮断 - アサシンのクラスが持つ共通スキルだが、このサーヴァントは使用していない。 - 武術・一刀流 A+++ 追加ダメージ、追加防護点、気配遮断、武術発動/対人*5、達成値マイナス、見切り、カウンター Aランク、防具制限/軽装 戦国時代末期に鐘捲流の流れを汲む伊藤一刀斎によって創始された剣術の流儀。 弟子の小野忠明(神子上典膳)が徳川将軍家の剣術指南役になったことから隆盛した。 一刀流は中条流の影響を色濃く受け、定寸の刀も二尺の細身の刀と一尺五寸五分の小太刀を用いる。 稽古は、新影流が早くから竹刀を取り入れているためその系列である柳生流が竹刀を用いているのに対し、 あくまで木刀を用いて厳しい稽古を行ったため、自然歴代将軍は柳生流を好んだ。 木刀による型稽古に習熟した者は剣理に明るく、間合いの読みに熟達したが、 動きが鈍重になることは免れ得ないが、流祖が「剣鬼」のこの流派は敢えて型稽古を貫き、力強い剣を使う。 基本の構えは下段青眼。 幕末に至ってその剛直さが好評を呼んで多くの流派を生み出した。 有名な分派には唯心一刀流、梶派一刀流、天心独明流、溝口派一刀流、 甲源一刀流、北辰一刀流及びその分派等が挙げられる。 鐘捲流の鐘捲自斎より授けられた中条流の極意の形とされる「五点」(五天、五典ともいう)を以て指導したとされる。 - 対人極意・絶妙剣(追加効果・カウンターに対して発動可能・ステータス隠匿解除) 機を超越した兆を捉えて切り落とす絶技。 カウンターが発生したとき、武技発動によって防御達成値を加算し、上回ればカウンターを行える。 - 対人極意・真剣(追加効果・奇襲発生・ステータス隠匿解除) 刀を相手から見て点になるように構え、さらに剣気を消すことで奇襲を発生させる。 戦闘中に改めて奇襲判定を行える。 - 宗和の心得 A 同じ相手に同じ技を何度使用しても命中精度が下がらない特殊な技能。 攻撃が見切られなくなる。 - サムライ A - 勇猛 A 威圧・混乱・幻惑といった精神干渉を無効化する能力。 また、格闘ダメージを向上させる効果もある - 仕切り直し A 戦闘から離脱する能力。 また、不利になった戦闘を戦闘開始ターン(1ターン目)に戻し、技の条件を初期値に戻す。 間合いを読み、機を取ることを極めている。 - 善悪の中立者 A 善悪に極度に縛られない。 美意識や嗜好に基づく自分なりの基準が無いでもないのだが、 身を捨てて人を救った直後に罪もない人間をためらいも無く殺しかねない。 あまりにも縛られない様子故に、それによって不利なイベントが起きたり他者の反応修正がマイナスされたりしてしまう。 鬼に会っては鬼を斬り、仏に会っては仏を斬る。 - 中毒・酒 B 酒好き。一日に一リットルは軽く飲み、つねに徳利をぶら下げている。 一日に財産点を一点消費する。 - 反骨の相 D 間合いに入ればマスターをも斬る対象になる。 こらえるのはランク判定が必要。 - サーヴァント能力障害 霊体化 - 装備・宝具 『夢想剣』 種別:結界 形態:常時 対象:対人 ランク:A ダイスボーナス 1 追加効果 防具装備不能 BS時不能/勇者の力以外 達成値マイナス 技量的なもの 必中 ステータス隠匿/見切りAで無効化できる 勇者の力 解説 アサシンが辿り着いた境地。剣境。 夢想の域に到達することで、自らの存在を消失させる技法。 極めたものは心剣合一し、その姿を剣に透けこませる事すら可能となる。 また、この境地においてはいかなる存在をも斬り捨てることを可能とする。 あらゆる奇襲を無効化し、斬る経過をすっ飛ばして斬ったという結果のみを残す、因果短縮を引き起こす。 この事象が発生するのは、この境地においては本質的に『因』である理由原因が存在しないため。 仏に逢うては仏を斬り、鬼に逢うては鬼を斬る。 - 英霊通常装備 『瓶割刀』 種別:白兵武器 ランク:A 攻撃力:5 消費MP:5 一刀斎が鬼夜叉といわれていた頃、三島神社より与えられた刀で その神社に賊が押し入った際、瓶に潜んだ賊を瓶ごと切り伏せたことから「瓶割」との異名が付いたといわれている。 - 設定 一刀流剣術の祖。名は景久。幼名は前原弥五郎。 剣豪で知られるが、経歴は不明確。生国についても伊豆伊東、伊豆の大島、江州堅田、加賀金沢など定説がない。 生没年についてもいくつかの説があるが確証はなく、それだけに伝説や逸話が多い。 一刀斎は我流の剣法であったが,富田流の鐘捲自斎に学び一刀流を創始したといわれ 全国を周遊して真剣勝負をなすこと33回,敵をたおすこと57人と伝えられる。 鎌倉八幡宮で無意識のうちに人を切り夢想剣を開悟したとか 愛妾と酒を飲み、蚊帳の中で寝ている間に裏切った愛妾が刀を持ち出し、賊を招き入れ襲われるが、 相手の刀を奪って危地を切り抜け仏捨刀(ふしやとう)を編み出したなどの俗説は有名。 この姿は、十四歳で極意を悟り、鐘捲自斎に五つの秘伝を伝えられたときの姿。 GM : 以上。武技解放はあと二つある。
頼子 : 少年なのにも意味があるんだな。しかしまだ武技解放を残しているのか。
アーチャ: まだ変身を二つ残している、意味はわかるな?
頼子 : うーん、防御判定、気合入れれば40個ぐらい振るのか。ユノのHPがどれくらいあるかによるなぁ。 私が頑張ってアサシンを倒せるかっつったら、正直、普通に無理クセエ。
アーチャ: というか反骨の相持ちだったのか……他が自由すぎて、むしろ忠誠心が厚い印象があったくらいだが(笑)
GM : 反骨の相というか、彼の特性的に。間合いに入ったものを即斬してしまうデメリットという感じですね。 なにしろ斬るのに理由がないという理屈で因果短縮を引き起こしてるわけなので。
頼子 : よくもまぁこのキャラの奇襲を何度も防げたもんだ。
GM : 自分で言うな。
頼子 : 正直奇跡に近い気がする。でもコイツ以外、倒せそうなサーヴァント、いないんだよなぁ。
アーチャ: アレだな、サムライって奴は無駄に強いな、能力以上に。
GM : サムライだから、という理屈で何でも斬るからな(笑)
アーチャ: 他はこれ以上強いってことなんだよな?
頼子 : 嫌だなぁ(笑) 他の奴らは100個ぐらい振るんじゃないかしら。私、100個は振れないぜ。
GM : 何言ってるかちょっとわからないですね。
頼子 : うん、100個は無理だな。アーチャーに、アナスタシア狙撃してもらいたいわ。ミストさんみたいに。
GM : またか(笑)
頼子 : 今までなんで狙撃できなかったって、相手から殴りに来るのばっかだったからだし。 今回のアサシンは、ランサー狙いだから、安心して狙撃できる。また私は単独行動するハメになるけど。 そして普通に思ったけど、また令呪がトバルカインのとこに行く。
GM : ミラージュさんは三画残して死んだぞ(笑)
頼子 : 一画はユノに行ったんだよな。
GM : うん。
頼子 : あと二画は、トバルカインのとこに行くんだよな。
GM : 仕様です。
頼子 : セイバー組と協力しないとトバルカインは絶対倒せないぞこれ。 今からアサシン組を倒してまた令呪が増える。トバルカインの。
GM : じゃあ上手に倒したら? 令呪を消費させてから。
頼子 : アサシンを狙撃すればいいのか。そしたらアナスタシアだけ残る。そこをユノと私で襲う。 でもアナスタシアも、チート能力持ちだからなぁ。令呪で、殴りなからHP増加する。 達成値HP防具は、1回だけだよね増えるの。
GM : 上書きは可能だよ。
頼子 : 上書きできる? 無限回復やん。
GM : 単発対軍礼装の消費MPはいくつだ!
頼子 : なるほど。常時礼装のこと考えてたわ。常時礼装でも同じ事できるからな。
GM : 瞬間的に達成値が高くないと意味がないじゃないか。
頼子 : そうか?
GM : まあ頼子にはわからない苦労。
頼子 : 30点ぐらいHP追加できれば簡単に言えば、防護点30点みたいなもんだろ?
GM : いや防護点はつかないんだ。
頼子 : いや、使い捨て防護点みたいなもんだろ?
GM : まあな。防壁を展開する。
頼子 : 装甲無視もされないし。
GM : されない。
GM : 今のうちに幕間を置いておこう。
アーチャ: ほほう。
『さあ、どちらにする?』 唯野マリというのは本名ではない。 かといって、本名が何かといえば、彼女自身にも答えようが無い。 唯野マリは日本国籍を持っているが日本出身ではない。 かといって、どこ生まれかといえば、彼女自身にも答えようが無い。 実の両親の顔も知らない。 本当の誕生日も知らない。 ただ一つ、生まれにまつわることでたしかなことといえば、双子の兄がいるということ。 この二人の兄妹は、物心つく前に親を失った、戦災孤児だった。 生まれ故郷のことをマリはほとんど覚えていない。ただ ずっと、ひどく寒く、ひもじいイメージがあるだけだ。 それからもう一つ。 兄と寄り添って、寒さに耐えているときに、目の前に現れたやさしそうなおじさんのことは、よく覚えていた。 「パンを与えよう」 「葡萄酒を与えよう。暖かいベッドを与えよう。安全な国に住まわせてあげよう。教育も受けさせてあげよう」 「寒さに凍える日々も、飢えに苦しむ日々も、銃火に怯える日々も、全て忘れるほどに遠いものになる」 「けれど、そうしてあげられるのは一人だけだ」 「もう一人には、きっととても辛いことが待っている」 「さあ、どちらにする?」 そのときの兄も妹も、どちらも同じような背丈だった。 同じような汚さだったし、同じような力だったし、同じようなひもじさだったし、同じような痩せ方だった。 つまり何も差は無かった。 けれど兄は、その男に妹を差し出して、言ったのだ。 「こいつを」 そうして妹は唯野マリという名前をもらい、国籍をもらい、食事をもらい、住居をもらい、教育をもらった。 兄はクロード(唯野蔵人)という名前をもらい、おじさんと一緒に去って行った。 以来十年以上、まともに会ったことは無い。 『さあ、どちらにする?』 マリにはずっと、深く苦しい負い目があった。 平和な国で、平和な日々を送る。学校に通って、友達とおしゃべりする。 そんな、周囲から見れば当たり前のことが、当たり前でないことをマリはよく知っていた。 本当なら、兄がこういう生活をしていてもおかしくは無かった。いや、兄のほうにこそその権利はあった。 あの時マリは、不意に現れた大人の男性に、怯えて何も言えなかったのだから。 だというのに兄は自分を犠牲にできた。 あのときの二人は、ほとんど何も違わなかったはずなのに。 『さあ、どちらにする?』 クロードがどんな生活をしているのか、マリはほとんど知らない。 たまに日本にやってくる『ゾディアおじさん』の話から、漏れ聞く程度だ。 世界中を転々とし、野宿も珍しくは無いらしい。受け取る写真の中のクロードは、厳しい表情しかしていない。 クロードが具体的にどんな生活をしているのか、マリは知らない。 しかしそれは、間違いなく、マリの生活よりもはるかに過酷なものだろう。 マリにこの生活をさせるために、兄は今も世界のどこかで。 そのことを思うたび、マリはいてもたってもいられなくなる。 一秒たりとも、無駄に生きてはいられない。 『さあ、どちらにする?』 正義の味方。 いつしか、クロードは正義の味方をしているのだと、マリは思うようになっていた。 悪い人と戦っているのだと思うようになっていた。 そこに理屈はない。 日本で見た、ヒーロー番組の人物に、兄を重ね合わせただけなのかもしれない。 世界中を転々としなければいけない生活というものを想像するときに、『悪と戦う』としか思いつけなかった。 だから唯野マリは正義の味方をする。 弱きを助け、悪しきを挫く。 世界が繋がっているのなら、それが少しでも兄の助けになっていると、固く信じて。 なにより、何かをせずにはいられなかった。 少しでも正しく、意味のあることをしたかった。 たとえそれがどんなに無茶なことだとしても そうしなければ生きている価値がない。 この生活は、兄の人生を犠牲にしたうえで成り立っているのだから。 『さあ、どちらにする?』 わかってる。 わかってるよ。 もしも次があるのなら 今度はあたしの番なんだね。
GM : 幕間一。
アーチャ: ……どうして、リアルに『どちらか一人だけ助けてやろう』なんて選択肢を実際に 出す相手と一緒に行って「正義の味方」をしていると考えるのか。 いや、そう考えないとやっていられなかったのか、自責の念で。
GM : 『私にも余裕がなくて助けられるのはどちらか一人だけなんだよ』というセリフだったんじゃないかな。
5日目 12/17(金) 昼 ???
アナスタシア=ニコラエナの朝は遅い。 基本的に朝は寝て過ごし、起きだしてくるのは昼ごろである。 聖杯戦争参加者ならみんな似たようなものだが、彼女については本国にいるころから昼夜が不安定な生活をしていた。 まあ死徒の上にニートなのだから当たり前なのだが。 氷の棺桶から目をしょぼしょぼさせながら起き上がり、まずは身だしなみを整える。 使用する化粧品は本国から持参した最高級品であり、間違ってもカエルが混じっていたりはしない。 氷の鏡を見ながら見事な手際で化粧を済ませる。 本来こういう仕事はメイドのやることだが、彼女は自分でも一流ドレッサーの真似ごとができた。 普段は単に面倒でやらないだけである。 「ふあーあ……アサシン、今日の予定は?」 「ランサーをぶっ殺すんじゃねえのってだから俺は執事じゃねえ」 「そうそう、そうでしたわね。皆さんにメールを出してから寝たんでしたわ」 「つーかあれに何か意味があったのか? 宣戦布告か?」 「だって面白くないじゃないですか」 「なんだって?」 「クロードさんのマスターカードにアサシン。この組み合わせなら確かに討伐令の達成は簡単ですわ」 「同盟相手を普通に追い込むってのはどうかと思うけどな、まあいいや」 「けれど事が簡単に終わってしまったら、全く楽しめないじゃないですか。 だいたい私はこの国に暇つぶしに来たのに、誰も彼も私を無視するっていうのは何事なんですか!」 「あんたなんでアサシン召喚したんだっていう疑問に集約しちまうんだが」 さておき アナスタシアはとりあえずマスターカードを取り出してクロードの位置を確認した。 市街地。 寝る前に確認したのとほとんど場所は変わっていないようだった。 これからのスケジュールを考える。 「動くのは夜になってからでいいでしょう。今日の天気は晴れですし」 「じゃあ昼間の間はどうするんだ?」 「使い魔を作りましょう。昨日は頼子さんに破壊されてしまいましたし」 「まあ姫さんが礼装ぶっ放すための時間稼ぎだよな。俺は盾には向かねえし」 「ты прав!(その通り)! それでは材料を調達兼食事に行きましょうか」 そんな会話をしながら、アナスタシアは歩いて住居の『外』に出た。 ざわざわと、人の気配が溢れる。 子供の手を引く父親、腕を組んだカップル、女の子数人のグループ、親子連れ。 平日だが、人の入りはまあまあのようだ。 そう、アナスタシアがこの街の仮宿にしているのは、月詠市の遊園地、月詠ランドだった。 温泉街/月詠ランド アナスタシアが出てきたのは、月詠ランドのアトラクションの一つ、月詠キャッスルだった。 現在改装中の立て札が掛かっているが、実際はアナスタシアが職員全員を暗示で誤魔化して占有していた。 中はクーラーどころではない冷凍庫状態で、彼女がこの遊園地でさらった家族連れが氷の彫像となって林立している。 まあアトラクションに見えないこともない。 アナスタシアにとっては手軽に食材と材料が調達できる、格好の住処である。 昼間に適当な家族連れに挨拶し、同行し、月詠キャッスルに連れ込んで驚かせて挙句に氷漬けにするのが、 ここ数日のアナスタシアの行動パターンだった。 さて アナスタシアが適当な家族連れを探していると、ふとマスターカードにメールの着信があった。 マスターカードをとりだし、メール欄を確認してみると、クロードからのメールだった。 内容。 『南西を向け』 「?」 南西は市街地の方向。ついでにクロードのいる方向でもある。 メールの内容そのままに、アナスタシアが南西方向をくるりと向く。 直後 ――軍神五兵・弓(ゴッドフォース・キャノン)必中無弓(ゆみ、きそうかちなし)―――― 彼方から飛来した対城宝具による狙撃が、アナスタシアを直撃した。 「ぴぎゃー!」
同時刻 住宅街/建築中ビルの上
「命中確認」 「当然だ。俺が外すわけがないだろう」 煙をあげる巨大な弓を降ろし、ランサーが当然のように自慢した。 クロードはその横で双眼鏡を覗き、遊園地の状況を確認している。 ランサーは当然のように言うが、遊園地と工事現場の距離はkm単位で離れている。 アーチャーのサーヴァントでもないのにこの距離で必中を約するとは、大したものといえた。 まあ実際は彼の宝具、軍神五兵の射撃形態についているロックオン機能(スキル相当千里眼)が可能にした狙撃ではあったが。 「よし。マスターカードの破壊を確認した」 「まあ対城宝具をまともに食らえば、いくら頑丈な礼装でもそうなるだろうな」 「これで俺の居場所の追跡は不可能だ」 「ふん。いっそ本体に当ててやればよかったものを」 「それは許さん」 「それで、これからどうする、マスター」 「貴様は拠点を探せ。俺はしばらく撹乱した後、合流する。間口を狭くし、追跡者同士をぶつけさせる」 「ふむ。確かに、目的が同じとはいえ共同戦線を張るような連中ではないからな。ではくれぐれも死ぬなよ、マスター」
GM : 幕間二。
アーチャ: アナスタシアぇ...
GM : 仕様です。
アーチャ: あんたなんでアサシン召喚したんだ、が的確過ぎてふいた。 しかし、住宅街から温泉街まで狙撃とか、どこのアーチャーだ。
GM : いや君よりよほどまともなアーチャーの資格がある。
アーチャ: まぁ、呂布だから、ランサー、ライダー、アーチャー、アサシン、能力的にはセイバーも可能という万能ぶりだからな。
GM : ついでにバーサーカーもいけるしな。
アーチャ: 不可能なのはキャスターくらい。
GM : 脳筋だもんな。
アーチャ: 流石は日本でも有名な三国無双、ただ本国ではそんなに人気はない。
GM : らしいね。儒教的には有り得ない存在だから……らしい。
アーチャ: むしろ、日本での呂布優遇ぶりに中国人は首を傾げているらしいが。
GM : なんでランサーは知名度補正をもろにもらっています。まあ関羽の方が強いけどな、さすがに。
アーチャ: ここに紀霊がいたら(笑)
GM : 仮に三国志英霊最強決定戦をやるとしても、やっぱり最強は関羽じゃないかな。それか孔明先生。
アーチャ: 今です!
GM : これは孔明のわなだー!
アーチャ: げぇー、関羽! も、孔明の采配だしな。
GM : そういえば
アーチャ: うん?
GM : 4日目の深夜にある事件があったんだけどニュースにするのを忘れていた。
アーチャ: 事件? 『昨日深夜、ドラッグストアに強盗が押し入り多数の医薬品を強奪する事件が起きました。 居合わせた店員は『りょ、呂布だー!』などと意味不明の証言をしており…』 GM : みたいな感じ。
アーチャ: 医薬品を強奪する呂布とか、シュールなんて言葉では語れないものがあるな(笑)
GM : ほら4日目の夜に、クロードが重傷を負ったから。ライダーにやられて。
アーチャ: 打ち止めの為に痛くない絆創膏を買いに行った一方通行を彷彿とさせるな。
GM : まあ状況を整理するか!