月詠聖杯戦争8日目 深夜パート2

8日目 12/21 深夜 命泉学園


  ランサー主従も与えられた部屋に引き上げ、体を休めていた。   四騎同盟のときと同じ部屋である。   お互いに言葉は少ない。   月詠聖杯戦争もいよいよ佳境に差し掛かっている。   キャスターが倒れ、ライダーが倒れ、セイバーが倒れ、フェイクバーサーカーが倒れ、   アーチャーが倒れ、アサシンが倒れた。   一時は九騎にまでなったサーヴァントも、残るは三騎。   バーサーカー、ランサー、そしてアヴェンジャー。   特にアヴェンジャーは。元々十分な強さを持ったアサシンが、   2体のサーヴァントと死徒を吸収し、更に超英雄クラスまで強化された規格外の存在である。   アヴェンジャー。   それが、数時間前。エリックたちのすぐそばで為したこと。   目に付くもの全てが死に絶えたあの光景。   それはある意味、彼にとっては馴染み深いものだった。   もっとも、エリックが行ったのははるかに乱暴で破滅的なやりかたであり   アヴェンジャーが行った命の刈り取りは、芸術的な技巧を以って行われたものである。   それでも結果は同じことだ。   アレを許してはいけない。   エリック自身が、自分を決して許さないように。  ・  ・  ・   エリック=プラチナは戦士ではない。   代行者のようなことをしているが魔術師でもない。   彼自身はなにも特殊な技能を持たない、ただの人間である。   彼の持つ宝具は継承可能なものであり、彼自身に価値はない。   あえて実績を上げるなら大量殺人者だろう。   彼は自分の生まれ育った村を住人ごと、自分自身で破壊し尽くした。   ………   発端と終局は彼の持つ真正魔剣ダインスレフである。   デンマーク王ホグニが持つ、永遠の闘争を象徴する魔剣。   それが何故か、彼の村の、彼の家に封印されていたのだ。   由縁は一切不明である。彼が幼いころに死んだ父親が関係していたらしい、が。   そしてある日。魔剣を手に入れるために、一匹の死徒が村にやってきた。   後はお決まりのパターンである(パニック映画的に)   暗躍する死徒。グール化する村人たち。   母親と共に逃げ回り、ここは私に任せて先に行きなさい。   悲劇は。   納屋に無造作に置かれていた、埃をかぶった鉄の塊に、   エリックがたまたま触れることで終わった。   その村は、ひどく平和な村だった。   犯罪といえば万引き程度。のんびりとした、牧歌的な空気の漂う村だった。   戦乱を呼び込み糧とするダインスレフにとっては、砂漠に埋められたようなものだったろう。   逆にいうなら、死徒が引き起こしたその争いこそが、魔剣を封印から解き放つ呼び水となった。   エリックが命を魔剣と一体化させたのは、最後の段階の偶然にすぎない。   『終結なき戦乱の狂刃(ダインスレフ)』   呼び覚まされた魔剣は、何十年かぶりの戦乱を、余すところなく食らい尽くした。   死徒も、村も、グールとなった住人も、グールとなった母親も。   その顛末を狂化の中で、エリックは全て克明に記憶していた。  ・  ・  ・ 「ランサー、明日のことだけど」 「マスター、あいつらのことだが」   長い沈黙の後、言葉を発したのはほとんど同時だった。   お互い、ひどく真剣な顔をしている。どちらも重要な話題なのは間違いない。 「おっと。わりい」 「いや、いい。ランサーから言ってくれ」 「ああ、わりいな。じゃあ先に言わせてもらうけどよ」   ランサーはひどく真剣な顔で話題を切り出した。 「あいつら……デキてんのかな?」 「……なんだって?」 「ほら。夜に学校に来た時、手繋いでたろ? その後もなんか空気があれだったし……どう思う?」 「いや、どうって言われても」   最終決戦を前にした夜に一体何を考えていたんだろう、このサーヴァントは。   しかも、この上なくまじめな表情である。冗談でもないらしい。   エリックは少しの間、どう答えるか悩み、結局普通に取り合うことにした。 「うん、まあそうなんじゃないかな。普通に」 「マジか! やっぱりそうなのか! じゃあ受肉ってのはそのためなんだな!」 「えっと……」 「マスター的には、ありなのか? そういうのは」 「この話題まだ続けるんだ」   今更言うまでもないが、サーヴァントはかりそめの客である。   もちろんそれは彼らを軽んじる理由にはならない。   現にエリックは、短い付き合いならがもランサーには全幅の信頼を置いている。   自分が倒れた後に、望みを託せるほどに。   英霊といえど、恐れ敬う気持ちは薄い。   まあランサー自身がこんなんだから、というのもあるが。   もしもこんな出会いではなく   エリックがエリックでなかったのなら   そんなことも有り得たのかもしれない。 「そうだね。そういうことが、あってもいいとは思う」 「そ、そっか。けど別に、誘ってるわけじゃないからな! あのババアと一緒にするなよ」 「けど、僕は」   赦されるわけがない。   許すわけがない。   エリック=プラチナは、まず何よりも先に贖罪を果たさなければいけないのだから。   人間らしい営みなど二の次だ。   母を殺した事実は、大きな傷となり   今も血を流し続けている。   死んでいないのは、魔剣に命を繋げられているだけだ。 「ランサー。妙な同情はやめてくれ。明日、その二人を引き裂くのは僕たちなんだから」 「わかってるよ。それとこれとは話が別だ」 「それと、もう一つ。明日のアヴェンジャーとの戦いだけど。  いいか、ランサー。僕を庇って倒れるぐらいなら、見捨ててくれ」 「は……はあ!? なに言ってんだマスター、逆だろ!?  あんたじゃなきゃ、あいつにとどめは刺せねえじゃないか」   アヴェンジャーの最終宝具である『この世全ての悪(アンリ・マユ)』   アヴェンジャーを倒した対象に発動するそれは、サーヴァントを一瞬で乗っ取る反則級の宝具だが   人間相手には発動しないという弱点がある。   もちろんただの人間が、サーヴァントにかなうわけがない。   だが、このエリック=プラチナは別だ。   真正魔剣ダインスレフを発動した時の彼は、サーヴァント級の戦闘能力を発揮する。   ぶっちゃけランサーより強い。   だからこそ、エリックはアヴェンジャーに対する切り札になりえるはずだった。 「アヴェンジャーを殺しきる手段はもう一つある。バーサーカーが言っていたはずだ」 「相討ちのことかよ。けど……それは非常手段だろ?」 「僕たちの目的は、アヴェンジャーを倒すことじゃない。聖杯を手にすることだ。  もしも君が倒れたら、僕は二対一でバーサーカー達と戦わなければいけなくなる」 「それがなんでマスターを見捨てることになるんだよ!」 「ただの計算だ。僕が倒れたら、アヴェンジャーを倒す手段はバーサーカーの相討ちしかなくなる。  その時に君が残っていれば」 「それは勝ちを盗むやりかたじゃねえか!」 「そうだ。けれどランサー、僕たちは必勝を誓ったはずだろう」   これは戦争なのだから。   だが同時にこの戦術は、ランサーを骨の髄まで信頼していなければ成り立たない。   なにしろ自分の願いを他人に託すのだから。   家族を襲った悲劇と、その発端となった剣を、過去に遡って消し去ること。   二人ともに、同じ願いを抱き、聖杯による奇跡を求めてきた。   マスターとサーヴァント、という以前に   同志であり、同類であり、運命を共にしていた。 「アヴェンジャーを倒すなら、もう一つ手段はあるぜ」 「なんだって?」 「あたいがあいつをぶっ殺した後、令呪を使って自殺させればいいだろ」 「……ランサー、それは意味がないと言っただろう。その後の戦いを考えないと」 「うっせえんだよ! そんなこと言うなら、まずあたいもあんたも生き残ればそれでいいだろうが!」   主従が立ち上がり、睨みあう。   この聖杯戦争で初めての光景だった。 「誓ったはずだぞ、弟の名にかけて。あんたに聖杯を渡すと」 「……わかったよ、ランサー。ひとまずは全力を尽くそう」   結局折れたのはエリックだった。   その後は明日のことで作戦会議をし、就寝することになる。   もちろんランサーに睡眠は必要ない。部屋の隅で、襲撃を警戒して座っているだけだ。   けれど、とランサー思う。   今のエリックに、どの道恋愛など無理だったのだ。   それが叶うのは、罪が灌がれてからでなければいけない。   しかしランサーとエリックが出会うのは、罪を灌ぐための聖杯戦争の中でなければ無理だった。   そういう意味では、バーサーカー組がうらやましい。   結局は巡り合わせだったのだろう。 「……いいさ。それなら、それでも」   多少血迷っていたが   騎士としての行いを全うして自らを救い   聖杯によって弟を救う。   すべきことは最初から決まっている。   救うべき弟がもう一人増えただけだ。   そうして、それは決して不快な気持ちではなかった。   ランサーは、一人。マスターの苦しげな寝顔を眺めながら   改めて必勝を誓った。 ―――――――――――― サーヴァントデータ 【クラス】 アサシン 【原典】 秘密の園伝説 【マスター】 ヴァレンタイン=トリファ 【真名】 ハサン=サッバーハ 暴風のハサン 【性別】 女 【身長・体重】 132cm,30kg 【属性】 秩序・悪 【イメージカラー】 月光 【特技】 変装 暗殺 【好きなもの】 砂風呂 斧 【嫌いなもの】 水風呂 政治 【参加理由】 真のハサンになる 【触媒】 なし 【外見】  髑髏の仮面にボロボロの黒いマントをまとった小柄な影。はだし。手足は褐色。  本当に小柄。小学校低学年ぐらい。武器は簡素な手斧。トマホークアクション!  ひらがなでしかしゃべれない。 ランク8 忌み名/悪名 筋力E- 耐久C→B 敏捷A 魔力B 幸運C→B 宝具C→C+ HP36 MP38/46 IV18 基礎攻撃力:1 基礎防御力:3 スキル 気配遮断 A+  サーヴァントとしての気配を絶つ。  完全に気配を絶てば、探知能力に優れたサーヴァントでも発見することは非常に難しい。  ただし攻撃後は気配遮断の効果は失われる。 信仰の加護 A  一つの宗教観に殉じた者のみが持つスキル。  加護とはいうが、最高存在からの恩恵はない。  あるのは信心から生まれる、自己の精神・肉体の絶対性のみである。 帰依詠唱/回教 A 攻撃・強化・回復  イスラム教の宗教的奇跡、悪魔払い等の術式。  更に呪術的治療術、風の悪霊(ジン)使役術を取得している。 自己改造A 宝具効果+,身体判定にボーナス、取り込める  自身の肉体に、まったく別の肉体を付属・融合させる適性。  このランクが上がればあがる程、正純の英雄から遠ざかっていく。 変化 C  魔術と体術を併用した肉体変形術。  全くの別人に成り代わることが可能。 アッラーの加護A 宝具効果+  アッラーアクバル! 麻薬中毒 B  精神の安定を大麻に頼っている。  明瞭な精神を保つには、一日に財産点を2点消費しないといけない。 弱点・水 C  風と土の魔術に特化しているため、体質もそれに準じ、水属性の攻撃に弱い。  防御判定にランク分のペナルティを受ける。 直情 C  正直。聞かれたことにはつい答えてしまい、自慢したいことはしゃべってしまう。  暗殺者としてそれでいいのか? (投擲 A  ライダーから奪ったスキル。  射撃による攻撃にランク分のボーナスがある) (死徒 A  利点:野生,復元呪詛  弱点:流れ水、日光、銀の武器  リアンから奪ったスキル、特性。  身体能力を増強させ、復元呪詛を得るが  日光によってダメージを受け、流れ水で行動を阻害され、銀や聖別武器で追加ダメージを受ける) 装備・宝具 『妄想翼線(ザ・バーニャ)』 種別:射撃武器 形態:単発 対象:対人 ランク A+ ダイスボーナス 10/20 追加効果  必殺  無効化条件 神性で軽減可能  防御無視(真) 固定値増無 MP消費:10/20 攻撃力:5 死の天使アズラエルから授かった羽撃き。 両腕の下腕から生えた羽毛を振ることで発動する。 渦上の羽毛はあらゆる現象に死をもたらし、無限の切れ味を持つ鋼線のように対象を切断する。 正確には、死すべき存在に死をもたらす直死であるため、決まった場所しか切断は出来ない。 また、霊魂を回収する即死効果を持つが、役割的に神性を持つ相手は対象外となる。 相当の神秘とも競り勝つが、消耗が激しいため一日2発が限度。 『無貌の暗殺者』 種別:結界 形態:常時 対象:対人 ランク:A ダイスボーナス:3 追加効果  自己封印 自己改造  特定条件ロック 変装していると使えない  瞬間強化  ステータス隠し MP消費 3  山の翁に代々受け継がれていくドクロの仮面。  この仮面を受け継ぐ者は顔と素性を奪われ、ハサン・サッバーハとなる。  所有者の固有能力を隠匿する。 英霊通常装備 『手斧』 種別:両用武器 ランク:B 攻撃力:2 消費MP:4  簡素な片刃の手斧。投げてよし殴ってよし伐採してよしの万能ツール。  重量自体が武器となるため、体術に熟達していれば非力を補える。  アサシンが所有しているのは4丁で、投げるたびに回収している。  ただし何にも当たらなければブーメランのように戻ってくる投げ方をしている。 『外套』 種別:対魔防具 ランク:B 防護点:4 消費MP:4  黒衣の外套。ぼろぼろで、素足が露出している。 設定 イスラム教の伝承に残る「暗殺教団」の教主、「山の老翁」。 この名は個人のものではなく、教団の教主に代々襲名されてきたもの。 複数いる「ハサン・サッバーハ」を名乗った暗殺者の内の1人が彼女である。 このハサンは風の魔術と体術の双方に長け、歴代ハサンの中でもトップクラスの戦闘能力を誇る。 人呼んで暴風のハサン。ターゲットの周囲もろもなぎ倒していくため。 また変化の術を備え、様々な姿に化けることもできるが、その本来の体躯は小さな子供のもの。 術で顔を作ることはできるが、本来の顔と素性はやはり奪われている。 戦闘スタイルは、四方八方に風を噴射して飛び交い、暴風のように体ごと手斧を叩きつけてくる。 GM解説 あさしんのさーヴぁんと、せいはいのもとめにおうじて、さんじょうした。 とおう、なんじがわれのますたーか。 みんなのハサンシリーズ、幼女編です。うわようじょつよい。 正面戦闘力がセイバー並に高いという反則ハサン。 奇襲でマスターどころかサーヴァントを打倒可能です。 ただしそのせいか、やや自信過剰で正面戦闘を好むところがあり、 暗殺者としてはどうよという感じ。 自分のことをしゃべりたくてたまらない病にかかっています。 3回ぐらい、こいつは本当にハサンだろうかと疑ってしまうようなキャラ。 自己改造によって打倒した相手の魂魄を回収してパワーアップ可能で、 実際作中ではリアンやライダーを吸収して更に強力になっています。 ただし死徒特性をとりこんだため、麻薬と併せて一日に大量の財産点が必要になり、 弱点も多く抱えてしまったのは難あり。 また、一匹食うごとに2歳ずつ歳をくっていきます。スタート地点は10歳。 小回りが利き、打撃力があり、奇襲上等で、隠密能力も随一のため、 かなり使いやすいサーヴァントだと思います。 ロリ枠ですし。
【クラス】 アーチャー 【原典】 マハーバーラタ 【マスター】 ニコラウス 【真名】 カルナ 【性別】 男 【身長・体重】 178cm,65kg 【属性】 秩序・中立 【イメージカラー】 砂金 【特技】 武芸 忠節 【好きなもの】 寛容 正直 ライバル 【嫌いなもの】 なし 【参加理由】 なし 【触媒】 なし 【外見】白い髪に黒い肌に黄金の鎧、ぼろいマントを纏った青年。 武器は朱塗りの強弓。 陽炎のようなゆらめきを纏い、その正体と鎧を隠す。 ランク10 神族/武術/軍勝/被呪 筋力C 耐久C 敏捷A 魔力B 幸運E 宝具A HP44 MP37/46 IV16 基礎攻撃力:3 基礎防御力:3 スキル 対魔力 E  魔術に対する守り。  無効化は出来ず、ダメージ数値を多少削減する。  ただし宝具である黄金の鎧の効果を受けているときは、この限りではない。 単独行動 D  マスターからの魔力供給を断ってもしばらくは自立できる能力。  ランクDならば、マスターを失っても半日間は現界可能。 騎乗 -  アーチャーとして呼び出されたため失われている。  御者の息子として生まれ、戦車で戦場を駆け回った。 神性 B 宝具プラス効果  神霊適性を持つかどうか。高いほどより物質的な神霊との混血とされる。  太陽神スーリヤの息子である。 魔力噴射(炎) B  武器に魔力を込める力。  アーチャーの場合、燃え盛る炎が魔力となって使用武器に宿る。  また、弓によって打ち出すものが矢ではなく熱線になる。 武術 A++  基本,達成値マイナス/技量,武術解放/対軍,攻撃+,防御+  Aランク以上,武術解放制限(ランクが上の相手には使えない)  王家に仕えていた当代随一の武芸者ドローナから、アルジェナらとともに武術を習っていた。  しかし、幼少時からアルジュナを一番弟子として可愛がっていたドローナは、  ことあるごとにアルジュナに対抗しようとするカルナには、なかなか奥義を授けようとしなかった。  業を煮やしたカルナは、ドローナの師であったパラシュラーマに弟子入りし、  彼から奥義を授けられた。  クル族王家の主催する競技会に参加した時。中でもアルジュナが一際優れた技を揮っていた。  誰もがアルジュナの技に感嘆し、バーンダヴァを称賛する中で躍り出たカルナは、  アルジュナに勝るとも劣らない技を見せ、脚光を浴びた。  カルナは自らの優をさらに明確にすべく、アルジュナに対し挑戦したが、  身分の違いによって果たせなかった。 『梵天覇軍(ブラフマーストラ)』  対軍魔剣。  パラシュラーマから授かった最強のマントラ。宝具ではなく、魔術と武技の複合技。  炎熱を宿した矢を分裂させて放ち、一斉に爆発させることで広範囲を焼き尽くす。  数々の大英雄が習得した、インド神話における伝統的な必殺技。  パラシュラーマの呪いにより、格上相手にはこのマントラを思い出せなくなってしまう。 魔術・マントラ A 強化・回復・便利  主にインドで独自発展を遂げた魔術体系。  サンスクリット語の聖言を用いて魔術を行使する。  日本には真言として仏教とともに伝わり、法術として発展した。  カルナはドローナの下での修行時に習得した。 軍略 C  一対一の戦闘ではなく、多人数を動員した戦場における戦術的直感力。  自らの対軍宝具の行使や、逆に相手の対軍宝具に対処する場合に有利な補正が与えられる。  大恩あるドゥリヨーダナを王の中の王として君臨させ、自らの忠誠の証とすべく、  数々の勝利を貢献した。  カルナの輝かんばかりの武勇と器量の前に敵するものはおらず、  多くの国々がドゥリヨーダナの権威を認めるようになった。 千里眼 C  視力の良さ。遠方の標的の捕捉、動体視力の向上。また、透視を可能とする。  さらに高いランクでは、未来視さえ可能とする。 善悪の中立者 A  善悪に極度に縛られない。  美意識や嗜好に基づく自分なりの基準が無いでもないのだが、  身を捨てて人を救った直後に罪もない人間をためらいも無く殺しかねない。  全てを肯定する悟りの境地にある。 直情 E  正直。沈黙による嘘もつかない。  ずばずば本当のことを言い過ぎるので嫌われる可能性がある。 バラモンの呪い C  誤ってバラモンの持ち物である牛を弓で射殺してしまった時に受けた呪い。  「汝は敵と対峙するとき、汝の戦車の輪は土の中に沈みこみ、汝は敵に首を切られるであろう」  バッドステータスから脱出する時にランク分のペナルティがある。 誓い・正午に沐浴する A  毎日正午に沐浴し、父である太陽を礼拝する習慣がある。  そしてそのときバラモン僧が施しを求めてきたならば、何を乞われても望みの品を贈っていた。  昼の時間帯に沐浴と礼拝を行わなければいけない。怠ると、日輪具足は効果を失う。  また沐浴中は、日輪具足が『特性切替』以外の特殊効果を失う。 装備・宝具 『流星死随(ヴァサヴィ・シャクティ)』 種別:射撃武器 形態:単発 対象:対城 ランク:EX ダイスボーナス:28/42 追加効果:  必殺  必中  防御無視・真  防御不能  スキル相当:神殺し  武技開放と累積可能  特性切替  特性切替制限/戻せない  1回のみ使用可能 2体攻撃不能 MP消費 18/32 攻撃力 12  神々をも打ち倒す、一撃のみの光槍。  雷光でできた必滅の槍。  インドラが黄金の鎧を奪う際、カルナの姿勢があまりにも高潔であったため、  それに報いねばならないと思い与えた。  黄金の鎧と引換に顕現し、絶大な防御力の代わりに強力な"対神"性能の槍を装備する。  一度のみの使用で失われる。 『日輪具足(カヴァーチャ・クンダーラ)』 種別:防具 形態:常時/単発 対象:対人/対城 ランク:EX ダイスボーナス:6/28 追加効果  スキル相当 対魔力  スキル相当  並列思考  破壊不能  ダメージ反射 減少させたダメージ 対魔力で削減可能  攻性装甲 ステータス隠し  特性切替 無効化条件 正午 MP消費:3/18 防護点:12  カルナの母クンティーが未婚の母となることに恐怖を感じ、  息子を守るためにスーリヤに願って与えた黄金の鎧と耳輪。  太陽の輝きを放つ、強力な防御型宝具である。カルナの肉体と一体化している。  光そのものが形となった存在であるため、神々でさえ破壊は困難。  傷つけようとする者は、自分の攻撃を光と熱に変換して食らうことになる。  その外観が正体に結び付かないように精神干渉が自動で行われる。黄金の鎧、一体何者なんだ。  真名解放が可能で、レンズ効果で巨大な光の盾を形成する。  その防御力は対城宝具を防ぎきるほどだが、この時隠匿効果は失われる。  ギルガメッシュが装備している鎧は多分これ。 英霊通常装備 『無銘・弓』  種別:射撃武器 ランク:A MP消費:5 『ぼろ布』  種別:対魔防具 ランク:B MP消費:4 設定  太陽神スーリヤの子で、パーンダヴァ五王子の生き別れの兄。  本来なら五王子の長兄としてクル族の王位を手にするはずだったが、  母のクンティーが未婚だった為に川に捨てられ、御者の息子として育てられた。  その後、修行中の過失により「戦車の車輪が沈み込んで敵に首を刎ねられる」  「正念場でブラフマーストラのマントラを忘れる」という二つの呪いを掛けられる。  五王子の妻となるドラウパディーに袖にされた過去から五王子に恨みを持ち、  カウラヴァ百王子の長兄であるドゥルヨーダナに戦士として仕える。  パーンダヴァとのクルクシェートラの戦いの直前には、  ヴィシュヌ神の化身クリシュナやクンティーの説得で自身の出自を知るが、  ドゥルヨーダナへの恩義からカウラヴァの戦士として死ぬことを決意した。  また、アルジュナの父であるインドラ神は息子の為に策略を巡らし、  僧侶に化けてカルナから不死身の力を与える黄金の鎧を奪い取ったが、  カルナの余りに見事な態度に感心を覚え、一回限りの使用ではあるが、  自身の持つ一撃必殺の神槍シャクティを貸し与えたという。  しかし、カルナは友軍を助ける為に羅刹ガトートカチャに切り札を使ってしまい、  無策でアルジュナとの戦いに臨んだ。  カルナは力の限りを尽くして戦ったが、最後は二つの呪いによって戦う術を失い、  アルジュナの矢によって戦死する。 GM解説 禁断インド枠で、セイバーと同じくアポクリファから採用のカルナさんです。 アポクリファではランサーでしたが、こちらではアーチャーとなっています。 アーチャーとしては堅実なほうで、EX宝具である鎧で防御を固めながら、 固定砲台よろしく高火力をぶっ放していくタイプです。 一回だけ使用できる槍はまさに切り札という性能で、 条件さえ揃えばブラフマーストラと組み合わせることも可能。 並の英霊なら4回はぶっ殺せる、まさに核兵器級の威力を発揮します。 反面、正午には鎧の効果がなくなってしまうという致命的な弱点があるため、 狙われるとまずいです。 強力ですが、癖の強いサーヴァントといえるでしょう。 単独行動がランサーより低いとか言ってはいけません。 聖杯を否定するという異色のサーヴァントですが、 マスター自身も聖杯否定派なので軋轢などは発生していません。 基本的に月詠聖杯戦争の主従は相性がいいので組んであります。 アーチャーのくせに弓を使うなんて、という風潮の昨今ですが。 熱線や槍を打ち出しているのでぎりぎりオーケーではないでしょうか。