月詠聖杯戦争5日目 夜パート4

12/18(日) 17:15 月詠ハイアットホテル最上階


 数秒、気絶していたらしい。  アンナが目を覚ましたとき。真っ先に視界に入ったのは、白い三日月と信頼すべき鋼鉄の騎士だった。  夜空が見える。  頭を振りながら半身を起こすと  どうやら、月詠ハイアットホテルの最上階は、床を残して吹き飛んでいることがわかった。  壁も天井もない。アンナたちがいる最上階が、新しく屋上になったようなものだ。  冷たい空気が肌をなでる。思わずアンナは小さくくしゃみをした。 「くちゅん……さっきまで熱くて仕方なかったんですが、温度差で余計に寒く感じますね」 「マスター」 「とりあえずこちらは片付きましたか。あとの二人は……まあ大丈夫でしょう。私たちはもう一歩も動けません、今夜は」 「マスター」 「なんです? もう下の階で部屋を勝手に借りて寝たい気分なんですけど」 「それは、槍でも降るからやめておけ。いや、少しな……油断した」  そこまで言って、ぐらりとセイバーは倒れた。  は? と呆気にとられるアンナ。  セイバーの背中には、深々と傷がついている。間違いなく致命傷だ。  そして、その傷に手を突っ込み、今まさにその傷を作り出した  少年が、うめいた。 「あ、ああああああああああああ」 「……あ」  瞬間的に、アンナは何が起こったのかを理解した。  あの時 『セイバー! 全力でこの結界を破壊しなさい!』  と、アンナは命令した。  よって、セイバーは防御のことなど考えず、全力で太陽剣を放った。  月に。  それによって、それまで防御に専念をせざるを得なかったリアンがフリーになり  隙だらけのセイバーを、後ろからその手で貫いたのだ。  シグルド最大の弱点、肩甲骨の間を。  つまり、アンナのミスである。 「おかあさんを……おかあさんを、かえせええええ!」 「なるほど」  怒り狂う死徒(サーヴァントと余裕で殴りあえる)を前にして、アンナは静かに自分の死を悟った。  自分は……  ああ自分は……  本当に!  本当に、サーヴァントの足を引っ張ることしかできなかった。  シグルド。北欧神話の大英雄。セイバー。勝利を約束されたような手札。  ああもちろん、彼こそは最優だった。誰にも文句は言わせない。  けれどそれを御するマスターが、単なる騎士かぶれの小娘だったのだから。  セイバーを手にしたからといって、自分という存在が膨れ上がるわけでもない。  結局。自分という存在が、他の人と比べてどうなのか、というだけなのだ。  だから、そう。  マスター同士の一対一で、勝てないというのなら  ただそれだけの話で。それ以上でも、それ以下でもない。 「っ!」  アンナは(こんなものが通用しないとわかっていながら)脇下からルーン刻印された  ルガーP08拳銃を抜き放ち(一瞬後に死ぬと悟りながら)死徒に銃口を向け [アーチャー 狙撃 梵天覇軍         51ANG5 = [6,4,2,4,2,3,3,3,1,1,4,4,2,2,5,5,6,5,5,5,3,1,6,1,3,5,5,2,6,6,3,2,6,4,5,5,5,4,6,2,3,4,4,3,5,3,3,1,5,2,3] = 44]  月詠ハイアットホテルの最上階だった場所は、再び爆炎で根こそぎ吹き飛んだ。

12/18(日) 17:15 月詠タワー展望台  その数分前。  月詠市で最も高い建物は、月詠タワーである。  なので、月詠タワーの展望台の上に立つ馬鹿がいたら、月詠市で最も広い視界を持っていると言える。  馬鹿×2  ニコラス神父とアーチャーは、30分前からその場所で待機していた。  月詠市で最も高いということは、寒風直撃度も最も高いということである。  半端な寒さではない。体感温度はマイナス三十度に達している。  が、神父はまるで平気な顔をしている。フィンランド人の寒さ耐性は半端ではない。  アーチャーは、むしろ彼自体が暖房状態になっている。流石太陽の申し子だけある。  二人がこんなところに陣取っているのは、もちろん月詠ハイアットホテルの攻防に横やりを入れるためだった。  このタワーからホテルまでは軽く2kmはある。  が、アーチャーの視力を以ってすれば十分狙撃が可能だった。(神父は双眼鏡を覗いている)  主は言っている。最高のタイミングで横合いから思い切り殴りつけろと。  その教えに従い、30分前から、特にキャスターとそのマスターを吹き飛ばそうと陣取っていたのだが  キャスターが固有結界(のようななにか)を展開したせいで、殴りつける目標を失っていたのだった。  そして目標が再出現した時  ニコラス神父は躊躇なく指示した。 「やれ」 「一応言っておくが、マスター。我のこの技は、格上相手には通用しないからな。自分から当たりに行かなければだが」 「二度も言わすな」 「スーリヤよ、照覧あれ。『梵天覇軍(ブラフマーストラ)』!!」 月詠タワーから月詠ハイアットホテルの屋上へ、線を結ぶようにまっすぐに熱線が伸び そこにいるもの全て根こそぎ吹き飛ばした。
12/18(日) 17:16 月詠ハイアットホテル上空  前言撤回するようだが、月詠タワーの展望台が、この街最高の見晴らしというわけではない。  更に上空。鳥しかすまないような高さに、青い炎を纏う台車が浮かんでいた。  下の方では、月詠ハイアットホテルの最上階が再び吹き飛んだところである。 「たーまやー」 「マスター。鼻水を拭け」  がたがたと震えながら合いの手を入れる御門美樹の鼻を、アヴェンジャーは服の裾で拭いてやった。  霊体化すればどうせ汚れは取れる。  寒いどころの話ではない。凍る。  アヴェンジャーがふき取った鼻水もシャーベット状になっていた。  そうまでしてこれだけの高度を保たなくても……とは思うが、それは美樹の警戒心なのだろう。  どうやってもアーチャーの射界に入りたくなかったらしい。 「しかしマスター。アーチャーは放っておいてもよかったのか?」 「私の役目は、近くにやってきたアーチャーを追っ払うこと。狙撃なんてどう防げっていうのよ?」 「場所は感知できていたからやりようはあったと思うが。先に展望台に打ち込むなどな」 「死ぬわ! まあ、アサシンはホントに感知できなったんだけどね」 「己が言えた義理ではないかもしれないが、全く役に立ってないのではないか?」 「なんで? むしろセイバーが吹き飛んだなら万々歳でしょ。  まー、次はアーチャーを始末しないとね。あれは厄いわ……ごほっごほっ」
  GM  : とう! 読み終わったら感想どうぞ。
  駿人  : …読みかけだけど一言。互いに覚えてんのかよ!
  GM  : 史実です。
  駿人  : な、何やってんのアンタら…
  GM  : HAHAHA(笑)
  駿人  : …え?(…アンナ、死亡した…?)
  バサカ : 畜生、美樹め!ビビッて退きやがったな!?
  駿人  : ………セイバーにライダーにキャスターにイレギュラー。…一夜で落ちるにゃ、多すぎんでしょ…
  バサカ : しかし、これ…アーチャーの正体は、こっちの予想と「逆」か?         「倒したほう」かと思っていたが「倒されたほう」だったか?
  GM  : なんだ、まだばれてなかったのか?(笑)
  バサカ : 「倒したほう」だと思ってたんだ。
  GM  : というわけで、本編に入りましょうか。
  駿人  : 「…もしもし、姫さん―。エリックとエーベルの嬢ちゃん、どうなってる?」
  GM  : 君たちがロビーで話してると、ロビーを出た玄関に、上から何かが振ってきます。         ずどんっ!         しゅううううううう         蒸気をあげるそれは、人間……人影です。
  駿人  : …警戒しつつ確認するけど…
  バサカ : 「っ!?」
  GM  : 片膝をつき、しゃがみ込む人影……それはセイバーです。
  バサカ : 駆け下りてきたところに、その騒ぎ。         流石に驚くが…それどころでないことも瞬時に理解する。
  GM  : 屋上から降ってきた。いや飛び降りてきたのです。
  バサカ : 「セイバー!?」
  GM  : セイバー「……なんとか無事か」         そして彼は抱えていた人影を下ろします。         それはドイツ軍服を着た少女……アンナ=エーベルハルトです。         彼女は思い切り気絶しています。
  バサカ : 【炎避けの加護】か!         にしても、急所突かれて倒れれた段階で良く死ななかったな!?
  GM  : セイバー「火避けの加護がなければ即死だった」
  駿人  : 「…こっちの台詞だっての。そいつは。」
  バサカ : 「っ、な、何があった!?お前がキャスターを焼くってんなら兎も角、          その逆が…何でんな事になりやがったんだ!?」
  GM  : セイバー「すまんな。キャスターは始末したんだが……アーチャーか。              それに狙撃を受けたせいで、吸血鬼を取り逃した」
  駿人  : 「…あのバカ神父…横槍叩き込んで要を逃すとか、何考えてんだ…」
  GM  : セイバー「まあキャスターの奴は存分に焼いてやったがな」         と笑います。
  バサカ : 「っ、こっちは、フェイク・バーサーカーと、ライダーのマスターはしとめた!この戦は、こっちの勝ちだ!」         と励ますように言って
  GM  : セイバー「いや。気をつけろ。あの吸血鬼は普通のサーヴァントより強いぞ。              すまんが、アンナのことを頼んだ。あの吸血鬼を倒しに行くだろうが、力ずくでも止めてくれ」
  駿人  : 「…おい、何言って…」
  バサカ : 「っ、た、助かりそう…か?」
  GM  : セイバー「……即死は免れたんだがな」         ゆっくりとセイバーの姿が薄れていきます。         セイバー「どうやら俺はここまでのようだ」         きっぱりと、セイバーが言います。         その口調の中に含んだものはありません。
  バサカ : 「っ…!」         瞬時に、理解します。         「…駿人。セイバーは…シグルドはもうだめだ。…シグルド、お前の願いはなんだった。          せめて、最後に訊かせてくれないか。…アタシはもう、願いを叶えちまったからな。もし、良ければ…」         同盟相手としての信義として、そういいます。
  GM  : セイバー「女々しい願いだ。言うには及ばんさ。特に叶わなかったならな。              ああ、強いて言うのなら……今度こそ女を泣かせなかった。それで満足だ」
  駿人  : 「…」(無言で、シグルドに敬礼する)
  バサカ : 「っ、セイバー…この、バカ野郎…」         伝承では、女相手に失敗して破滅した、とだけ言われているが。         彼にも彼なりの理が、思いがあって…・こうして願いと、祈りを持っていたのだ。         「…ああ。アンタは、マスターを守り抜いた。今度は守り抜いたんだ。何も、恥じる事は無い。」         だからせめて、精一杯そう言って、彼を送ります。
  GM  : セイバー「では……さらばだ!」         最後に北欧風に勝利のルーンを切って、セイバーは消滅します。

――――セイバー『シグルド』 脱落


  駿人  : 「…なぁ、ヘルヴォール。長いソファーか何か、この近くにあるか…?」         そう言いながら、そっとアンナを抱き上げるわ。地面に寝かせとくわけにはいかないから。
  バサカ : 「あるだろうが…アンナを寝かせてる余裕は無いだろう。          アーチャーの第二射や、アサシンの襲来があるかもしれねえ。          それに、キャスターチームのマスターが生きているならそいつも繰るかも知れねえ。          他の同盟チームと連絡を取りつつ、離脱するに越したことはないぞ。」
  GM  : ではそのあたりで、ぼうっ、と何かが下りてきます……まあアヴェンジャー組ですがね。         青火車を地面に乗りつけ、アヴェンジャーと美樹が下りてきます。         美樹「……セイバーはアンナを守ったのね」         うつむいて。
  駿人  : 「…姫さん。エリックとランサーに連絡は取れたか?」
  GM  : 美樹「ええ。入れ違いで屋上に来たから……まあ順番に話した方がいいわね」
  バサカ : 「…ああ」         と、アヴェンジャーチームがアーチャーチームの狙撃を阻止していれば         シグルドは脱落せずに済んだわけなので
  GM  : 美樹「セイバーとアンナは戦いに入ってすぐ、キャスターの固有結界に取り込まれて消息不明だったの。            しばらくして屋上が吹き飛んで、三人は姿を現したわ。            そこでキャスターのマスターがセイバーを貫いて……            アーチャーの狙撃が屋上を吹き飛ばしたの」
  バサカ : 「…そっちの戦闘状況はどうだったんだ?見た限り、そっちは無事なようだが。」         と、遠まわしに、何故無傷か、アーチャーチームと交戦せなんだのか?         と、問います。
  GM  : 美樹「まさかあんなところから狙撃が飛んでくるなんて思いもよらなかったわ」         月詠タワーをさします。
  バサカ : 「……。本当に、察知できなかったのか?」         美樹を見て、押し殺した声で言います。
  駿人  : 「…むしろ、高台って一番の狙撃点だと思うんだが…」
  GM  : 美樹「ええ……痛恨のミスだわ」
  バサカ : 「美樹。お前は己が持ち場を全うできなかったわけだ。責任は取らにゃあならんぞ。」
  GM  : 美樹「……アーチャーを倒せというの? アヴェンジャーと私で?」
  駿人  : …GM。         気配察知、スキルダウン2レベルかかってるけど使ってみていい?
  GM  : うむ。じゃあランク判定+適当な技能で対抗勝負と行こうか。         こちらは話術を足します。
  駿人  : 8an4+2an2         (ころころ……) [1,6,1,6,4,5,2,2]+[1,5] = 6         …スキルダウンさえなきゃ12an4だってのに…
  GM  : 15an5         (ころころ……) [3,4,5,1,2,1,1,4,6,3,2,5,2,3,1] = 14
  バサカ : ヘイドレクが居りゃ無窮の英知が役に立ったんだがな。
  駿人  : …普通にわからんわ。コレ。
  バサカ : ふーむ
  GM  : 美樹は全く落ち込んでいるようですね。
  バサカ : 野生の勘ってことで野生を加えて判定していいか?
  GM  : いいですよ。
  バサカ : 無窮の精神力はダメ?
  GM  : 駄目です。
  バサカ : 了解、 8an4+5an5+2an3 ランクレベル+野生+嵐の航海者:軍略相当効果         (ころころ……) [4,4,2,5,6,6,2,4]+[6,2,2,1,3]+[6,2] = 10         流石に届かんな…・。         「…」         一応、嘘ではないように見える。完全だ。         だが…完全だからこそ、何か引っかかった。
  GM  : 美樹「……ごほっごほっ」         そこで美樹が咳をして、血を吐きます。         美樹「すうー……はあー……」
  駿人  : 「…姫さん、病気持ちだっけか?」
  バサカ : 「っ。どうした。大丈夫か?何か、大規模な術でも使ったか?」
  GM  : 美樹「ああ……ごめんね。あとで話すわ」
  駿人  : 「…先言っとくと、嘘は抜きだぞ。調子悪いの隠して無茶した挙句、倒れられたら敵わんし。」
  GM  : 美樹「それで……話の続きね。ランサーとそのマスターは、そのまま死徒を探しに行っちゃったわ」
  バサカ : 「あいつら…!(ぴしゃ)」         流石にそれは呆れるわ。
  駿人  : 「…リアンと因縁あるらしかったからなぁ。彼…」
  バサカ : 「他の共闘者の事を何だと思ってやがる、向こうの状況も把握できて無いのに。          まあ、追撃を選択したってこた、戦力的余裕はあったと思うが…」
  駿人  : マスターが先行して、ランサーが放置できずに追って行ったってとこなんだろうなぁ。
  GM  : 美樹「とりあえずあなた達は帰っていいわよ。というか、アンナを連れて学園に帰って頂戴」
  バサカ : 「お前らはどうするんだ?」
  GM  : 美樹「私は……まあ落ち度もあるし、キャスターのマスターを探しに行くわ」
  バサカ : アヴェンジャーもそれには同行するんだよね?
  GM  : アヴェンジャー「そうだな。己たちは消耗はしていないからな」
  バサカ : 「…頼んだ。ただ。ランサーチームまで脱落させるなよ?」         と、暗に、 そこまで偶然が重なったら嫌でも疑わざるをえん、という意味を込めて         まあ、表向きには二度しくじるなよ、という威圧を美樹にします。         アヴェンジャーにはしない。
  GM  : 美樹「討伐令は、キャスターのマスターを始末するまでよ。            ……ま、逃げて帰るぐらいは許してね」         冗談ぽく言って
  駿人  : 「…いや、元から姫さん戦えると思ってないし。」
  GM  : アヴェンジャー「では行くか、マスター」         というわけでアヴェンジャーと美樹は、再び乗騎に乗って夜の街に飛び立ちます。
  駿人  : 「…姫さん、病気とか有ったっけか…?」         とマスター識別判定 8an4         (ころころ……) [5,2,5,4,1,5,2,1] = 5         …だめだー
  GM  : 少しはわかるな。ってまあわかっていいか(笑) 薄命C  聖杯戦争が終わるまでに寿命が尽きる。  小聖杯を体に組み込んでいるため、戦争が進むに従って苦痛に苛まれる。   駿人  : 「……………」         姫さんが言った方向を、目を細めて暫し見つめる。
  バサカ : まあ、聖杯戦争において健康人が寿命が縮む要素があるなら         これくらいしかない、って風に察した感じか。
  駿人  : 「…姫さん、どう転んでも勝てねぇじゃねぇか。」
  バサカ : 「…・」         アンナの髪を撫でて、背中に背負います。         「戻るぞ、今は。ただ、できればランサーチームと魔術で通信を繋げないか試しておいてくれ。          場合によっては支援で出るのもありだ。」         と、言い置いて、ここは帰る感じですかしら?流石に。
  駿人  : 「…分かった。」         それだけ呟いて、鼠の式神を大量に散らします。
  GM  : シーンカットしますね。夜行動、終了!