月詠聖杯戦争5日目 夜パート2

12/18(日) 19:05 月詠ハイアットホテル37階
 その日その時間に襲撃があるのはバレバレだった。  キャスターの情報処理能力、というのもあるが。敵側の同盟が大きすぎるせいだ。  四騎同盟。それもセイバーとランサーが含まれているなど冗談ではない。  対してこちらはキャスターにライダーの同盟。戦力の劣勢は明らかだった。  彼のマスターであるフサインなどは、フェイク・バーサーカーを与えられて喜んでいたが。  そもそもあれを使うということ自体、キャスターの都合に付き合わなければいけないということである。  たとえば城攻めの守り側に加わるといったようなことだ。  とはいえ、ライダー自身が守りが苦手なわけではない。むしろ得意だ。 「おらてめえら、さっさと準備しろ!」 「「「へーい!」」」  潮臭い海賊たちが部屋の排水溝に布をつめ、水道を出しっぱなしにしていく。  見る見るうちに37階の床は水浸しになっていく。  これは彼の最終宝具を使用するための準備だった。地形条件を満たさないといけない。  さらにこの階で足止めするため、階段をふさぎエレベーターを破壊する。  そうして準備を完了してしばらく後  階段から二つの影が飛び込んできた。  緑の騎士と金髪の青年。ランサーと、そのマスターだ。  海賊たちを前に押し立てて、ライダーはその二人組と水浸しになった廊下で対峙する。  口火を切ったのはライトブラウンの髪の女だった。 「ライダー! この黒髭野郎、一昨日はよくもやってくれやがったな!」 「ああん? うるっせえんだよ男女二号。てめえらキャラ被りすぎで区別つかねえんだ」 「あんなババアと一緒にするんじゃねえ!」 「君たち、いったい何と戦ってるんだい?」  この場にいない相手をディスるのはともかく。  もちろんライダーは、階下のフサインから、上に行った相手について念話を受けていたし  ランサーとエリックの目的は、元々ライダーの撃破である。  そしてお互い、相手の撃破には十分に勝算がある。  故に今、この戦場は成り立った。 「野郎ども! 仕事の時間だ、気合を入れな!」 「俺たちゃ海賊! 俺たちゃ海賊!」 「ランサー」 「おうよ。マスターは手出しするなよ。この程度の連中、あたいだけで十分だぜ!」

開始時点    ライダー/海賊:ランサー+エリック    IV:海賊orランサー16,ライダー15,エリック11 1ターン目    ターン開始時:        海賊:パイレーツオブカリビアン起動      ランサー:ブラックダヴィデ起動 "ランサー行動: 海賊に攻撃"         23ANG5 = [1,3,4,5,6,4,1,1,2,6,4,6,2,6,4,3,6,5,6,1,2,5,5] = 17 "        海賊防御"         8ANG4+3ANG3+6ANG5 = [4,2,4,4,4,5,5,6]+[4,1,1]+[1,4,2,4,5,5] = 13          23+4−8=19ダメージ "  海賊行動: ランサーとエリックに攻撃"         12ANG4+3ANG3+6an5 = [1,1,5,1,4,2,1,4,5,6,5,4]+[5,4,5]+[1,4,2,4,5,5] = 13 "        ランサー防御"         18ANG5 = [4,2,4,2,3,2,3,2,5,2,5,4,3,3,4,2,2,6] = 17 "        ランサー庇う"         18ANG5+2 = [3,1,1,4,3,5,1,2,4,5,2,4,1,3,1,3,4,5]+3 = 20 "         結果: 回避"
 カトラスを振りかざした海賊たちとランサーが、ホテルの廊下でほぼ同時にぶつかり合う。  弾けとんだのは―――海賊たち。  銀と黒の双剣で多勢に無勢を覆したランサーが獰猛に笑う。 「ぎゃー!」 「はっ! やっぱりこの程度か。てめえらの雑魚さは割れてるんだよ!」 「陸の海賊相手にいきがってんじゃねえぞ小娘!」 「悔しかったら船でも持ってきたらどうだ、海賊風情が! ちょっと水深が浅すぎるみたいだがな!」 「もちろん……そうさせてもらうぜ!」  ライダーが髭に結わえた火縄を、拳銃につけて天井にかざす。  振動  床の水が細かく揺れだす。ゴゴゴゴゴゴゴゴ。  それが、ライダーが真に頼みにする宝具の予兆だった。  真名解放 「来やがれ!『復讐の女神(クイーン・アンズ・リヴェンジ)』!」 「来たかっ!」 "ライダー行動: 対軍宝具使用MP-25 "        13an5+5an5+20an5 38ANG5 = [6,3,4,3,2,6,3,1,4,6,6,2,1,6,2,2,4,5,6,1,6,2,5,4,4,4,2,2] = 26  どばっ!  その瞬間、質量保存の法則を無視してライダーの背後の水面が盛り上がり、  廊下を丸々覆う津波となって前方に押し寄せた。  勿論ただの津波ではない。ライダーも海賊もすり抜け、ランサーとエリックだけを襲う魔性の波だ。  その破壊力も、鉄塊を思い切りたたきつけるのに等しい。  トラックが突っ込んでくるのと何も変わらなかった。しかも砲弾が混じっている。  しかしランサーは一歩も引かず、エリックの前に立ちふさがった。敵の真名から、切り札については予想している。  双剣を交差させ、波と砲弾を……切り裂くっ! "ランサー防御: ランサー防御 "        18ANG5 = [4,2,4,2,3,2,3,2,5,2,5,4,3,3,4,2,2,6] = 17         ダメージ26−17+10−18=1 "        18ANG5+2 = [3,1,1,4,3,5,1,2,4,5,2,4,1,3,1,3,4,5]+3 = 20"         ダメージ6+10−18=0 "          結界発動" 「はっ! この程度……おわっ!? なんだ、しょっぺえ!」  見事一撃を防ぎ、啖呵を切ろうとしたランサーは、突然足場を失って水中に沈み込んだ。  なんだこりゃ!?  一瞬あわてたが、卓抜した脚力で水中を蹴って水面に飛び出す。15mまでなら問題ない!  そして、水面に飛び出したランサーが見たのは。内陸のホテルではなく  荒れ狂う波、降りしきる雨、雷雲が立ち込めた空、藻屑の浮かぶ水面、そして髑髏のマークを掲げたフリゲート帆船。  そこは嵐の海だった。  巨大な帆船の舳先に立ち、ライダーは大笑した。
「がははは。ようこそカリブへ! 山出しの小娘にはちょっと波が荒かったかね!」 「てめえライダー、なんだこりゃ……ってマスター、どこだ!?」 「いねえよアホが! ここに招待したのはお前だけだ」  ライダーが搭乗する300トン級のフリゲート帆船こそ、  彼が真に頼みにする宝具『復讐の女神(クイーン・アンズ・リヴェンジ)』である。  それは船舶としての名であり、この固有結界の名称でもある。  最初に津波と砲撃で対軍単発宝具として機能した後、その津波を受けた相手を固有結界の中に取り込む。  結界内部は嵐で大荒れのカリブ海であり、この場所こそライダーと海賊たちが本領を発揮できる場所だった。  アーケード街の戦闘で、ランサーに関してはマスターのほうが厄介と判断したライダーの分断戦術である。 「さあ野郎ども、持ち場につけ! 泳げもしない小娘一人叩き潰すのに時間をかけるんじゃねえぞ!」 「アイアイサー!」 「じょうっとうだこの野郎! その首叩き落して大事な船のマストに飾ってやる!」  高波の間に漂う木材(それはライダーが今まで沈めてきた帆船の末路でもある)を足場にして、ランサーが駆ける。  マスターを巻き込まないのはむしろ望むところだった。  あの力はタダで使えるものではない。人間のままで英霊を凌駕するなど、都合のいい話はないのだ。  故に今晩。マスターにあの魔剣を使わせないことも、ランサーの勝利条件には含まれていた。

『復讐の女神(クイーン・アンズ・リヴェンジ)』 "種別:射撃乗騎/両用乗騎 " 形態:単発/維持 "対象:対軍 " "ランク:A+/A " "ダイスボーナス:20/4 " 追加効果 "MP消費 25/8 攻撃力5 IV5 "  大量の水がある場所で真名解放することにより召喚される、300トン級のフリゲート帆船。  40門の大砲が搭載され、200人を越える幽霊の船員達が乗船している。  最初に津波と砲撃で全体に一撃を加え、以降は結界を形成する。最初の一撃を受けた相手が結界に引き込まれる。  結界内部は嵐で大荒れのカリブ海で、全体を水中とみなし、肉体的なペナルティが与えられる。  足場は船体の他、今までティーチが沈めた船の残骸が漂っている。  また、ティーチと海賊たちは無条件で船の支援を受けることができ、判定値が上昇する。  更に財産点が続く限り、トループを1行動で再召喚することが可能(ちなみに財産点10点で召喚)  ただし結界展開中はティーチの魔力を消費し続ける。
2ターン目    [ライダー/海賊:ランサー]結界 (分断) エリック    IV:海賊21,ライダー20,ランサー16,エリック11     海賊 19ダメージ MP-3     ランサー ペナルティ-1 MP-1     ライダー MP-25
「(撃)ってえー!」  ライダーの号令と共に『復讐の女神』に備えられた、片舷二十門もの大砲が一斉に火を吹いた。  目標は海面の藻屑を八艘飛びよろしく足場にして跳躍するランサー。  大砲の射界に入らないように回り込んでいたランサーだが、海賊たちの操船技術の方が上を行った。  先手を許す。  硝煙をたなびかせて飛来するのは炸裂弾でもなんでもない、20ポンドの鉛の塊であるが  見事な統率によってばらまかれた砲弾は、見事につっこんでくるランサーを迎え討ち  そして剣で弾き返そうとするランサーを、逆に吹き飛ばした。 "  海賊行動: ランサーに2回攻撃 "         33ANG5 = [3,1,1,4,1,5,3,5,6,2,6,1,4,4,2,3,1,5,1,5,6,4,1,2,2,3,4,6,1,6,1,3,1] = 28 "        ランサー防御 "         18ANG5-1 = [2,2,2,1,1,3,3,5,3,2,4,2,4,3,4,3,6,2] = 16          ダメージ12+16−18=10 "        ランサー防御 "         18ANG5-1 = [2,2,3,5,5,1,4,5,4,4,3,5,3,4,1,4,3,4]-1 = 17          ダメージ11+16−18=9 「があっ!?」  予想外の衝撃に、水きり石のように海面をバウンドするランサー。血反吐を吐く。砲撃は確かに貫通していた。  ライダーとの戦闘で彼女が傷つくのはこれが初めてである。  旧式の艦砲でありながら『復讐の女神』から発射される砲弾は、実に戦車砲並の威力を持っていた。  宝具の宝具たる由縁といったところだろう。  更に加えて、砲を操る技量、この高波をものともしない操船、その指揮。  ライダーのライダーたる本領だった。 「がははははっ、海の海賊を舐めてやがったな。船と海さえあればざっとこんなもんよ。そうだろう、てめえら!」 「へい、親分!」 「今まで散々やってくれやがって、ぶちのめしてやるぜ!」 「俺たちゃ海賊! 俺たちゃ海賊!」  ライダーの檄に口々に賛同する海賊たち。まあ人間にすらいいようにやられてきたしな。  景気づけにぶっ放されたライダーのマスケット銃が、ランサーを捉える。だがこちらは鎧で防ぎきった。 "ライダー行動: ランサーを攻撃 "         23an5=23ANG5 = [3,1,3,5,1,6,2,3,5,4,5,1,1,5,2,4,6,1,4,3,5,2,1] = 21 "        ランサー防御 "         18an5-1=18ANG5-1 = [4,3,4,5,4,2,6,2,1,3,3,1,4,2,1,2,3,5]-1 = 16 "          ダメージ5+8−18=0"  どうやらライダー自身、自分よりも部下を指揮して戦うタイプらしい。  劣化イスカンダルといえばあらゆる意味で合っている。  海賊たちさえ始末してしまえば、ライダー自身に大した能力はない。  だが、その海賊こそが大問題だった。  フリゲート船、大砲、海上、高波、嵐。  有利と不利を差し引きすると、今の連中はサーヴァント級、それもバーサーカーと同レベルの戦闘力を保有している。  ちい、と舌打ちするランサー。  状況を打破する手段は、ある。  魔力は足りる。  条件も整っている。周辺被害が問題だったが、おあつらえ向きに相手が隔離してくれた。  だが、それでも。ランサーは躊躇した。  できることならあれは使いたくない。自分がランサーと呼ばれるのも気に食わないぐらいなのだ。  だが、使わなければ状況は打破できない……! "ランサー 自己嫌悪:目標値4 6ANG3 = [2,4,6,1,5,2] = 3" 「くそったれっ!」 「取舵一杯!」  それでも、ランサーは躊躇した。苛立ちのままに藻屑を渡り、海賊船に接近する。  だがライダーの指揮が接近を許さない。  地上なら音速に迫るランサーの俊足も、この足場と天候では発揮しきれない。  加えて海賊船自体も、空でも飛んでいるかと思うほどに速かった。  追いつけない。それどころか、引き撃ちを食らう。 "ランサーの行動: 海賊を攻撃"          23an5-1=23ANG5-1 = [4,5,2,5,3,3,5,6,2,6,2,4,3,3,1,1,6,5,1,3,1,2,3]-1 = 19 "        海賊防御"          28an5=28ANG5 = [6,2,6,3,6,4,3,3,3,1,2,2,5,6,6,1,1,5,4,1,4,3,4,4,5,1,6,5] = 22 「ちくしょうっ……!」  ランサーが歯噛みした、その時。  嵐の海を、瘴気の柱が貫いた。 ――――――――――――――――  エリック=プラチナという青年は、魔術師協会の執行者であるが、魔術師ではない。  その経歴は新米といってもいい。  エージェントというよりは爆弾のような扱いをされており  状況がカオス極まるところに投入され、地ならしをした後に  正規の執行者が任務を行う……というようなことを数回行っている。  要するに、大規模化した死徒や封印していに対する毒薬のような扱いである。  どちらかといえば協会の目的は、彼の持つ魔剣の方にあり。  死後はそれを譲り渡すことが契約内容に含まれていた。  ちなみに封印指定ではない。  何故なら、彼の持つ魔剣は継承可能なものであり、一代限りではないからだ。  早く死ねばいいのに、と周囲からは思われていたりするし  実際、命は長くない。 真正の魔剣『終結無き狂刃(ダインスレフ)』  それは何の訓練も素養もない少年に、死徒二十七祖とさえ打ち合えるだけの力を与える。  その魂と引き換えに。  魔剣を解放するたびに使用者の魂は削れていき、最後は全てを魔剣に吸収されて死に至る。  無敵の力を何の代償もなく得られるなど、そんな都合のいい話はないのだ。  そしてエリックは、既に何度も、魔剣を解放していた。  七度。  それが、月詠市に来た時点での、青年が魔剣を解放できる限度である。  聖杯戦争を通じて考えるなら、決して多い回数とはいえない。令呪で逃げられればそれまでだ。  既に一度はアーケードで使ってしまっている。故に、残りは六度。  だからこそ、この二人には、戦闘回数を少なくするために同盟者が必要だったし  だからこそランサーは、エリックが魔剣を使わずに済むように戦うと決めていた。  死の危険を抜きにしても……その魔剣は、青年にとってのトラウマそのもので  ランサーにはその気持ちが、痛いほど分かったからだ。  だが "エリック 自己嫌悪:目標値5 8an4+2an2= [6,4,3,2,4,5,1,3]+[6,4] = 6 成功" ――――――――――――――――  嵐の海と嵐の空を、瘴気の柱が貫いた。  海といっても、ライダーの形成するこの固有結界の範囲はそう広くはない。  高さ、広さともに東京ドームほどである。(直径300m、高さ50m程度)  更に言うなら、この結界の中心点は『復讐の女神号』そのものであり、海流はライダーの制御下にある。  それは安定しているはずである。  つまり帆船に追いつこうとしたランサーは、中心点に向かってベルトコンベアの上を全力疾走していたようなもので。  更に言うなら嵐の強風も制御できるため、砲撃も一方的にぶち当たり続けたのだ。  だが、だからこそ  外部からの攻撃を、かわしようがなかった。 「な……なんじゃこりゃあ!」 「親分! なんすかあれは!」 「知るか馬鹿! とにかくよくないものだ、撃ちまくれ!」 「って、こっちに倒れてくるー!」 「畜生! マスター、畜生……!」  瘴気の柱が、倒れる。  その正体は、真正の魔剣からあふれ出す瘴気が、物理的な強度を得るまでに密度を高めたものだった。  つまり刀身50mほどの剣である。 対城魔剣『戦乱竜殺(ダインスレイフ・ドラゴンスレイ)』  砲撃をものともせず  瘴気の柱は空と海を切り裂きながら倒れていき、『復讐の女神号』を木っ端微塵に打ち砕いた。 「「「「ぎゃあああああ!」」」」 "エリック行動: 宝具起動/結界攻撃/武技解放" "         35an5+21=35ANG5+21 = [6,3,4,6,4,3,1,1,6,1,4,4,4,5,5,2,3,5,3,4,2,5,2,4,2,4,1,2,3,3,4,2,4,1,2]+21 = 53" "        ライダー抵抗 "         18an5=18ANG5 = [3,6,2,6,2,5,4,2,6,1,3,6,4,4,3,1,6,2] = 13 "         ダメージ40+21=61  結界防護点50/2=25 結界HP20"          61−25=36  [結界宝具破壊]
[3ターン目    ライダー/海賊:ランサー/エリック    IV:エリック19,海賊16,ランサー16,ライダー15     海賊 19ダメージ MP-3     ランサー ペナルティ-1 MP-1     ライダーMP-15     エリックMP-21]
 結界が解除され、大量の水が溢れる。  ランサー、ライダー、そして海賊たちはホテルの通路に引き戻された。  そしてそこには金色の魔人が待っていた。 「■■■■■■■■■――!」  咆哮。  細かな金髪はワイヤーのようにねじれて重厚な盾となり  両足首と両手首には、白銀のガントレットとゴーントレット  目は赤く光り、肉食獣のような牙を生やし  背負うのは、盾にも使えそうな、巨大な赤い刀身の魔剣。  床には、戦乱竜殺を突きたてたと思わしき、巨大な亀裂がホテル自体に半分程の亀裂を入れている。  英霊に匹敵する怪物。魔剣使い、エリック=プラチナである。 「あばよ! 手前らの犠牲は無駄にはしないぜ!」 「お、親分ー! またかよ!」  ライダーの判断は迅速、かつ的確だった。海賊たちに足止めを命じ、階段に向かってダッシュする。  まあいつものパターンである。  破壊された『復讐の女神』を修復するには大量の魔力が必要だ。  まずフサインと合流してこのホテルから脱出し、二日ほど潜伏すればなんとかなる。  なんというか、やはりキャスターの都合に付き合ったのが間違いだったのである。  しかし、階段に飛び込んだライダーを、猛烈な勢いで追撃する影があった。 「ライダー! てめえだけはここで殺す!」 「げえっ! ランサー!」 [ライダー逃走判定 トループを置く 自動成功] [ランサー逃亡判定 マスターを置く 自動成功] [位置関係 ライダー:ランサー(分断)エリック/海賊]  背後で、魔人と化したエリックが海賊をなぎ払うが、それについては省略する。  ランサーは、海水で濡れたライトブラウンの髪を怒気で鬣のように膨らませて、ライダーに追いついた。  階段を飛び降りたライダーに、更に空中から双剣を叩きつける! 「くたばれ豚野郎!」 「げばあっ!」 "ランサー行動 :ライダーを攻撃"          23an5=23ANG5 = [2,4,2,2,6,2,6,6,4,5,3,5,4,5,2,1,4,6,4,5,2,1,3] = 19 "        ライダー防御 "         8an4= [5,1,2,1,3,5,2,4] = 6          ダメージ12+23−16=19  血飛沫とともにライダーの体が吹き飛び、壁にたたきつけられ、跳ね返り、階段を転げ落ちていく。  まるでゴムまりのような挙動だった。さすがデブ。  思ったよりも傷が浅いのは、彼の宝具『黒髭(ブラックビアード)』の効果だった。  とはいえあと何回も耐えれそうにはない。ライダーは下手に交戦しようとせず、逃げの一手を打った。  いや、もっといい方法がある。令呪による転送だ。  フサイン側の状況はわからないが、ヘイドレクさえやられていなければ確実に離脱はできる。 「フサイーン! 俺を助け――――」  しかしそれは間に合わなかった。  その前に。ライダーは、形容しがたい羽音を聞いた気がした。 『妄想翼線(ザ・バーニャ)』 "アサシン奇襲 "        奇襲判定         23an5=23ANG5 = [3,5,3,2,6,3,2,5,6,1,4,4,3,5,2,5,3,4,4,6,5,5,3] = 20 "        ライダー感知 "         8an4+3an5=8ANG4+3ANG5 = [2,3,2,2,3,5,2,4]+[1,6,2] = 9 "        宝具攻撃 "         判定値秘密 "        ライダー回避"          8an4= 8ANG4 = [6,3,5,2,3,4,6,1] = 5 "         ダメージ算出 秘密" "     ライダーHP、マイナスに突入" "        戦闘続行"          8an4+3an3= 8ANG4+3ANG3 = [3,2,2,6,2,3,1,6]+[4,3,1] = 8 失敗 "         [ ライダー死亡]"  ばらん、と  階段を下りようとしたライダーの体が、ばらばらになった。  首と腕と足と胴体が、接続を失ったように切り離されたのだ。 (……あ?)  ライダーが、転げ落ちた首で最後に視認したのは、舞い落ちる透明な羽根と  髑髏の仮面をつけた小柄な人影だった。  そしてエドワード=ティーチは、伝承通り首を撥ねられて消滅した。
[4ターン目  アサシン:ランサー(分断)エリック]
 たん、と  浅黒い手足のみを露出させた小柄な暗殺者は、ランサーの前に降り立った。  この風貌についてはバーサーカー組から聞き及んでいた。間違いなくアサシンだ。  何が起こったのかは簡単で  階段の上階に潜んでいたアサシンが、ライダーが来たので上から階段越しに  『何か』をぶっ放してライダーを殺害したのである。  『何か』はライダーを惨殺したあとも階段を次々に貫通し、人間が通れそうな穴がはるか下方にまで開いている。  『何か』というのは、勿論宝具だろう。 (くそっ、あの女、あっさり通しやがって!)  アサシンを前に、ランサーは歯噛みした。  元々、邪魔者は外で待機するアヴェンジャー組が追い払うという約束だったはずだ。  話が違うとはまさにこのことである。  いや、ランサーではなくライダーを屠ったということは。アサシンも討伐令に従っているのか?  しかしそんな疑念を、アサシンはツンデレ調な台詞で否定した。 「かんちがいするな、らんさー。きさまのみかたをしたわけではない」 「……ああん?」 「らんさーとらいだー。ここでにがすと、どちらがやっかいか、わたしがきめた」  つまり 「らんさー。おまえがさんきし、いやさーヴぁんとのなかで、さいていだ。まけるきはしない」 「ぶっ殺す!」  問答無用で双剣で斬りかかるランサー。  だが、アサシンはそれを見越していたかのように、ひらりとかわして階段の穴に飛び込んだ。  宝具で空いた、一人分ぎりぎりの隙間を、見事な体捌きと風の魔術で縫うように落下していくアサシン。 "アサシン逃走判定 "         18an5=18ANG5 = [6,2,4,4,3,3,5,2,4,6,4,5,2,1,1,6,3,6] = 14 "ランサー逃走阻止 "         10an5=10ANG5 = [4,6,1,1,1,4,1,4,6,5] = 8  即座に追撃しようとして 『ランサー』  マスターからの念話に動きを止めた。  既に魔剣による狂化状態は解除したのだろう。冷静さを取り戻した口調だ。 『追わなくていい。僕たちの目的はキャスター組だ』 『キャスター組って……そいつらはセイバーたちの担当だろ?』 『もし彼女たちが負けていたら、今度は僕たちの番だ』 『いや待てよ。マスターかなり消耗してるじゃねえか、まだやるのかよ?』 『大丈夫。解放だけなら……なんとかなる』 『なんとかって。今夜で二回やる気かよ!? あと4回しか使えないんだぞ!』 『相手は死徒だ。それをする意味はある。それに後5回だよ』  反論しながら、ランサーは自分の情けなさをかみしめていた。  ランサーだけで片付ければ、エリックが魔剣を使う必要はない。  つまり……ランサーだけでは力不足だと言われているようなものなのだ。  そして実際。格下であるはずのライダーとの戦いですら、そうだった。  エリックが対城魔剣で結界を破壊しなければ、ランサーはやられていた可能性もある。 『本来の宝具を使わなければ』  そうなると、結局ランサー自身があの時宝具の使用をためらったせいで、マスターの命を縮めたことになる。  アサシンに言われた『最低のサーヴァント』という言葉にも、反論のしようがない。 (……畜生、ちくしょう!)  脇の壁をいらだち紛れにぶん殴る。粉々になって吹き飛ぶ階段の壁。  それでも、ランサーの胸中に満ちる情けなさは、全く晴れようとしなかった。
  駿人  : …さっきのターン、実はわりとぎりぎりだったのか。
  GM  : 3ターン目だからね。
  駿人  : そして、エリック…無事なのかな。(主に上に行った後的な意味で。)
  バサカ : アサシンが来たか!
  GM  : つーか死に方が同じとかウケる(爆笑)         というわけで。

――――ライダー『エドワード・ティーチ』脱落


  バサカ : しかし、エリック、フルパワー解放すると変身すんのか。         こっちに近いタイプなんだな。
  駿人  : …この調子だと、ランサーとセイバーもフルパワーだと変身を
  バサカ : …まさかシグルドまで変身すまいな(笑)
  GM  : そうですね。白銀方形がガントレットとゴーントレットになって、獣の槍状態になる。
  バサカ : 変身後のイメージがとらになった(笑)         しかし、アサシン毒舌だなあ(笑)
  GM  : このアサシンだからな(笑)
  バサカ : …ランサーなでたいな(笑)
  GM  : さて……実は、セイバー組の戦闘経過も用意してあるんだけど、どうする?         間があるんで、君たちの行動をどうするか聞いておきたい。         (具体的には4ターン以上戦ってる)         まあ、あまり意味はないけどね。疲れたし、マジ帰る?(笑)
  バサカ : どうする?マスター。
  駿人  : …んー。
  GM  : 帰るというか、上に登るか、美樹と合流するか
  バサカ : 最後まで粘るなら、ランサーチームに追いつくか、外のアヴェンジャーチームと合流するかだが
  GM  : のぼるか下がるか。
  駿人  : 式神出して、美樹探してみる。         帰るなら、先に一言言ってからでしょう。
  GM  : 式神ね。         では月詠ハイアットホテルの上空で待機している美樹と連絡が取れます。         っていうか、美樹は月詠ハイアットホテルの上空にいます。         アヴェンジャーといっしょに、青火車に乗って。めちゃくちゃ寒そうにしている。
  バサカ : 戦闘を継続するなら令呪を使うか、美樹に回復してもらうのも手だな、
  駿人  : 「あー、あー、テステス…ヘイドレクとライダーのマスターは撃破したんだが、          帰っていいか?正直、消耗考えるとこれ以上の継戦は厳しいんだが。」
  GM  : 美樹「はいはい。あー……それじゃロビーに待機してて。            セイバーとキャスターはまだ交戦中みたいね。            外には出ない方がいいわよ。なんとなくだけど」         という返事が返ってきます。
  バサカ : 「流石にこれで仲間を置いて帰るのも不人情だが…実際、もうへろへろなのも否定できないしな…          アヴェンジャーチームと合流して回復は出来ないか?」         と、一応提案しますが。
  駿人  : 「…一度ロビーまで戻って待機するか。          流石に、この状態から戦闘再開できるほど回復してもらったら姫さんが倒れるわ。」
  バサカ : 「…分かった。」
  GM  : では、階段を下りて行き、ロビーについたあたりで         どっごおおおおおん!         とホテル自体がまた激震します。         最上階が吹っ飛んだっぽい激震です。         そして数秒の間をおいて         どっごおおおおん!         また最上階が吹っ飛んだっぽい激震が響きます。         このホテルはもう駄目だな。
  バサカ : 「駿人、アヴェンジャーチームから、ランサーチームやセイバーチームにも連絡を入れてもらって、          全体の状況を統括したほうがいい。…どうやら、向こうもクライマックスみたいだがな」
  駿人  : 「…もしもしー。…エリックとエーベルの嬢ちゃんの状況教えてくれ。          何処が戦闘終わって、何処がまだ交戦中かを把握したい。」
  GM  : 美樹「たーまやー」
  駿人  : 「…ああ、なんとなくわかった。工房は制圧か。」
  GM  : 何が起こったかを、幕間でみてもらおうか!         つってもまあ、PC情報としては分からないんだけどな。