月詠聖杯戦争3日目 昼パート2

幕間 聖杯戦争3日目 12/16(木) 11:25  杏奈=エーベルハルトは不機嫌だった。  昨夜。先日、御門美樹と約束したとおり  夜になってから聖杯戦争の一環として御門家屋敷に出向いたら  屋敷内に踏み込んだ瞬間に、屋敷ごと吹き飛んだ。  事前にサーヴァントと「罠に気をつけろ」的な会話はしていたが、  まさか屋敷ごといきなり吹き飛ばすとは思ってはいなかった。  いきなり自爆スイッチを押すようなものである。  セイバーがかばってくれなかったら即死していたに違いない。 (まったく。美樹先輩もどういうつもりなのかしら……ふああ)  つい、欠伸を漏らしそうになるが、それをなんとか堪える。  授業中である。教師に授業が退屈などという印象を与えるわけにはいかなかった。  教卓では数学教諭が黒板で数式の解説をしている。  そろそろ期末テストが近いので、生徒も真面目に授業を受けている。  杏奈も一人の生徒、一人の委員長としてテストで手を抜くつもりはなかった。  普段から、学年上位の成績を納めている。  とはいえ、眠い。  聖杯戦争中は深夜まで活動が続く。  杏奈は昼休みと放課後を仮眠の時間にあてていたが、午前中はひときわ辛い。 『マスター。そんなに寝たいなら眠ってもいいぞ。俺が見張っているからな』  霊体化したセイバーから念話で忠告が飛んできた。  自分はそんなに眠たそうにしていただろうか、あと焦りながら目をこする。  あと30分もすれば昼休みだ。1時間仮眠を取ればかなりマシになるはずだった。 (結構です。ちゃんと起きてますし授業も聞いていますから) 『というか前々から思っていたんだが、マスター。この時間は一体何のためにあるんだ?』 (ああ、これは授業といって高等教育の一環です。現在は数学という算術をならっているところで) 『意味が聞きたかったわけじゃあない。  睡眠時間を押して授業を受けることは、この戦争に何か意味があるのかということだ』 (何を言っているのですか? あるわけないでしょう)  きっぱりと杏奈は念話で言い切った。  セイバーもこの三日で薄々感じていたので驚きはしないが。  実際、戦争開始後も杏奈が毎日授業を受けているのは無駄な行動に尽きる。  学校自体は彼女のテリトリーでもあるので、そこに詰めることは問題ないが  授業に時間を割くのは、場所が特定され、ひとつ手番を捨てているようなものである。 (私は学生です。それなら、就業時間は学業に専念するのが筋というものでしょう) 『一応聞くが。それならこの時間に敵マスターが仕掛けてきたらどうする?』 (昼間の校舎にですか? そのような掟破りを行う三流に、私が遅れを取る訳がありません)  答えになっていない。  が、まあ。セイバーはひとつ理解した。薄々気づいてはいたが  ああ、この娘はアホなんだな……ということを。  そんなことは御門美樹はおろか、この学校の生徒の殆どが知っている。  杏奈=エーベルハルトはアホがつくほど真面目な女である。  不良グループに真正面から文句を付けに行く、40°の熱でも登校してきた、  サボった生徒の分まで深夜まで残って掃除を終えた、校則厳格化の急先鋒などなど。  全体的に、彼女は真面目だがどこか抜けていて、貧乏くじを引くことが多い。  しかし自分が貧乏くじを引いたとはカケラも思ってはいない。  金髪に碧眼のハーフなのに色々残念な娘で、周囲からはうざがられながらもそれなりに愛されていた。  眠気を紛らわすために、セイバーと念話で雑談をする。 (それより美樹先輩はどういうつもりなのでしょう。決闘の約束をしておいて、いきなり屋敷を吹き飛んだなんて) 『普通に騙されただけじゃあないか?』 (もしかしたら美樹先輩は既に連れ去られ、別の参加者がトラップをしかけていたのかもしれません) 『人の話を聞け』 (そもそも、御門家はこの土地のセカンドオーナーです。  土地の顔役が自分の本拠地を吹き飛ばす方が考えにくいですよ) 『ふむ。魔術師とはそういうものか?』 (ええ。私自身は土地など持ったことはありませんが。  少なくとも御門家は、あそこに屋敷を構えて数百年は経つはずです)  それをためらいなく自ら吹き飛ばしたのなら、  御門美樹の精神は、御門家の魔術師としてはどうなんだということになる。  あるいは徹底的に合理性を重視する魔術師そのものなのか。  杏奈が別の可能性にこだわるのは、そこが腑に落ちないためだろう。 『まあ、俺は自ら捨てたものと思うがな。  そのほうが理由としてはわかりやすい。こちらとしては面倒になったが』 (そうですね。実際、美樹先輩の居場所がつかめなくなってしまいましたし)  御門家は聖杯戦争を主催する一族であり、土地の名士でもある。  そのためその屋敷の所在地はバレバレで、杏奈はもちろん、  外来のマスターでも調べればすぐわかるだろう。  もちろん魔術工房としての守りは鉄壁に違いないが、  サーヴァントの集中をすべて跳ね返せるかどうかというと、かなり怪しい。  屋敷を放棄するという御門美樹の行動自体は、戦術的には十分納得できるものではある。  ちなみに  杏奈=エーベルハルトの魔術師としての拠点は、この命泉学園の地下にある。  聖杯戦争が始まってからは寝泊りも地下で行なっていた。 『それで。今夜はどうする?』  セイバーからの、今後の行動方針の確認。さしあたりの目標は既に失ってしまった。  杏奈は考えるまでもなく即決した。  ドイツ最後の騎士が最優のセイバーを伴っているのだ。採るべき手段は多くない。 (街を一回りして参加者を誘いましょう。腕と誇りに自信があるマスターなら必ず乗ってくるでしょう) 『実にわかりやすくて結構だ』 (美樹先輩とも、勝ち進んでいけば自ずと相対することになるでしょうしね)  マスター自身も結構アホだが、セイバー自身も方策は単純明快正々堂々な方が望ましい。  なので特に訂正は入れなかった。  彼が呼び出されたのは、この性格の相似のせいかもしれない。  さておき方針は決まった。  ところで、  この月詠聖杯戦争に杏奈が望むような、誇りを賭けて参加したマスターなど、  他に一人もいないということに彼女が気づくのはもう少し先である。
  GM  : ここで変更追加ルールの確認をします。 スキル  魔力放出       達成値をMP1消費ごとに+2する。最大で魔力放出のランクまでのMPを消費できる。 スキル  復元呪詛       ターン終了時に耐久+このスキルで判定し、成功値だけHPを回復する。       使用するごとにMPを2点消費する。3FP/LV   GM  : とりあえずこれの確認。
  バサカ : おろ
  GM  : 魔力放出の効果が2倍になっているのと、復元呪詛の追加ですね。
  バサカ : 魔力放出パワーアップか
  GM  : 消費+1ごとに1だと+と同じだし……てな意図です。では次。    マスター基礎能力の変更 念話に、サーヴァントとの視界共有を追加。 サーヴァント越しに、ステータスの確認も可能。   GM  : を追加しました。まあバーサーカー組には関係ないね。         マスターがサーヴァントの視界を借りれるということです。逆はできません。
  駿人  : あはは…(見えないしね)
  GM  : で、更に次。    ターンの頭に宣言すること 維持礼装の使用、攻撃専念、防御専念はターンの頭に宣言します。 瞬間強化など、本来行動を消費する行動は、自分の行動の前に宣言します。 また、非戦闘時に奇襲を受けた場合はこれらのタイミングで行われる対応を行うことができません。 奇襲側が維持礼装や強化などを行ってから奇襲する場合は、1回余分に隠密判定を行う必要があります。   GM  : これは意味が分かりますか?
  バサカ : ああ、明確に使用タイミングを定めて無かったのを、定めるってことね。         で、奇襲を受けた場合は変身をする暇はないと(汗)
  GM  : それが変身の最大の問題でしょうからね。         変身中に攻撃してくるなんて!
  駿人  : …不意打ち受けたら、自分も強化できないのか…地味に厄介だなぁ。
  バサカ : 変身前に達成値30の奇襲とか食らったら相当ヤバいな。         …これ、きっと、魔力放出持ってるチームもいるだろうからさ         バーサーカーが強すぎるからバランス補正懸かった?(笑)
  GM  : では次。    乗騎の破壊 ダメージを受けたとき、乗騎を放棄することでダメージを軽減できます。 乗騎のランク*4点のダメージを軽減できます。 乗騎は失われます。   GM  : 乗騎を盾にするルールです。         原作でいうとイスカンダル、4次のギル、ZEROのセイバーなどが該当します。
  駿人  : なるほど。
  GM  : というかZEROだと乗騎は破壊されまくりですね。
  駿人  : …乗騎って、消耗品なの?
  GM  : 更に、それにちょっと関連したルールを追加します。    宝具、礼装の回復 破壊された宝具、礼装はランクに応じたMPを充填することで修復します。 MPの充填は一度に行っても小分けに行ってもかまいません。 宝具はランク*15,礼装はランク*10のMPが必要です。 ただし道具作成、宝具作成で作り出したアイテムは対象外です。   GM  : 破壊されたアイテムの回復ルールです。
  駿人  : 直せるのか。いや、直せんと確かに困るけど。
  GM  : Aランクの宝具だと75点のMPが必要になります。         ちなみにこの数字は適当に設定しました。         それで最後に追加したルール。    マスター看破判定 社会+業界知識or分野知識スキルで判定。 難易度は10-(ランク/2±ランク修正+キーワード)です。 マスターの能力を見抜くルールです。   GM  : これも暫定。
  バサカ : ふむふむ、マスターステか。基本ルールだと出す出さないはGMしだいだからねえ。
  GM  : 設定してなかったんで。
  バサカ : ええと、これで全部でしょうかしら?
  GM  : 全部ですね。         掲示板の方にライダー組とアヴェンジャー組のデータを掲載しておきました。         以上です。それでは月詠聖杯戦争、再開しましょう。
  駿人  : …うわー。(互いに狭量対象だったらしい)
  GM  : ちなみにヴァレンタインだと表記が面倒なので         ヴァレンタイン=トリファと名乗ったことにして。以後トリファ神父と呼称します。
  バサカ : 一方その頃、セイバーチームは街をさすらっていた。
  GM  : まだ昼だ、昼!(笑)
  GM  : さて。教会を出たところで君たちは人影が待ち受けていることに気付きます。         っていうかまあ、普通に待ってたんだが。
  駿人  : …誰ですか?(昼間っから戦う馬鹿じゃないとは思いたい)
  GM  : 軽く息を切らした、金髪碧眼。ジャンパーにジーンズの青年。腰には細長い革袋を下げています。         彼は10m程の距離を置いて、右手を見せます。         その手の甲には剣のような令呪があります。         っていうか、まあ。初日に駿人が目撃した、ランサーのマスターですね。
  駿人  : …あー。魔術教会の。
  GM  : 青年「I `m sorry」
  駿人  : 「…Mr.エリック・プラチナだったかな?」
  GM  : エリック「? ええ、そうですが……ご存知でしたか」
  駿人  : 「…まぁ、色々あったんでね。ランサーの嬢ちゃんは一緒じゃないのかい?」
  GM  : エリック「はい。僕はランサーのマスター。魔術師協会から派遣されてきたエリックです。              ここにいます。今日は話し合いに来ました」         なのでサーヴァントは出していない。ちなみに英語です。
  バサカ : (へえ、やっぱりか。やっぱり、接触してくると思ったぜ)          …念話が出来ないのでマスターには聞こえてんませんが
  GM  : バーサーカーは霊体化してるの?
  バサカ : 教会の外に出る時に霊体化して、用事があったら実体化しようと思ってたら         教会の外にコイツがいた、と。
  駿人  : 「話し合い、ね…内容は? ついでに聞くと、此処じゃ話せない内容かな?」
  GM  : エリック「いえ、構いません。              一時休戦。そしてできれば同盟の申し込みです」
  バサカ : バーサーカー的に今後の他のチームの動きの予測を立ててたんだけど         ランサーのマスターの行動予測が         「誰かと組もうとする」         だったからな。         何となれば、正面戦闘しか出来ないランサーチームが正面戦闘で         自分達を上回るセイバーを撃破しようと思うのであれば組むしかない。予測通りだぜ。         で、「組めそうなチーム」となると、数は限られる、と。         まあ…どうやらキャスターチームのほうも狙いみたいだけど。
  GM  : エリック「トリファ神父から、死徒のことは伺ったのでしょうか?」         礼儀正しく話してきます。
  駿人  : 「…というか、遭遇して一度殴りあったよ。押し負けたがね。」
  GM  : エリック「そうですか……」         エリックは駿人のサーヴァントがキャスターに負けたと思った。         エリック「あなたはどう思いますか? ミスター……ええと」
  駿人  : 「っと、名乗るのが遅れた。廿楽駿人だ。探偵をやってる。」
  バサカ : それを察して何とか修正する方向は無いのか!(笑)         >エリックはバーサーカーがキャスターに負けたと思った。
  駿人  : …いや、微修正に持ってこうとしてるんだけど。ちまちまと。
  GM  : エリック「ではハヤトさん。あなたはキャスターとそのマスターの行動をどう思いますか?」
  駿人  : 「…マスターの方は、一言で言って子供だな。          キャスターの事を母親扱いしてたし、正直どっちがマスターか分からんよ。ありゃ。」
  GM  : エリック「同情ですか?」
  駿人  : 「冗談。人殺しは人殺しだ。むしろ、自覚してる犯罪者よりタチ悪い。」
  GM  : ではそこでエリックの隣に霊体化していたサーヴァントが実体化します。         緑の鎧に黒いマントを纏ったライトブラウンの髪を持つ女性です。         ランサー「そこで、自分でぶっ殺してやる、ぐらいは言えないのか? ええおい」         エリック「ランサー……」         ランサー「それとも許せないが見てるだけのヘタレか? 子供は殺せないとか吹く人種か?」
  駿人  : 「…自分で殴りあって押し負けたんだよ。残念ながら。          …仕留められりゃよかったんだろうが、こちとらサーヴァント呼ぶ前だったんでね。」
  GM  : ランサー「へえ、そうか。いや悪い悪い。てっきりマスター相手に殴り負けるサーヴァントかと思ってたぜ」         けっけっけ、と笑います。
  バサカ : あ(笑)         8an4+5an5 悪癖・短気判定、ランクレベル+無窮の精神力         (ころころ……) [1,1,4,4,2,4,3,6]+[3,2,3,6,6] = 10         8an4+5an5 悪癖・直情判定、ランクレベル+無窮の精神力         (ころころ……) [1,1,4,6,3,3,6,6]+[5,6,4,6,2] = 8         うん、どっちもぎりぎり成功しているからいきなり殴りかかりはしないが。         「ハッ。セイバー相手に手も足も出なかったヘタレ娘が、こきやがるぜ。」         と、悪口言いながらこっちも実体化します。
  駿人  : 「…」(あちゃぁ、という顔で額抑えてる)
  GM  : ランサー「ああん?」
  バサカ : 「ぶっ殺すぶっ殺すなんざ、口で言うのは軽いんだよ、そーゆーのはチンピラの言葉だぜ?          ま、口で言う前にぶっ殺す!ってのも、そりゃ唯のクソ野蛮人だがな、ええ、おい。          そういうチンピラやクソ野蛮人は生前何人も飽きるほど殺ってきたが…          同じ、女で戦士、って所、少々は共感しても良かったが。          てめえも所詮、戦う甲斐も感じられない手合いか?          やれやれ、もっと「まともな英霊」が、多いと思ってたんだがなあ、この聖杯戦争(いくさ)」         と、流れるようにセンナ(戦前の悪口)ぶっかまします。
  GM  : ランサー「はん。そりゃ最近の若い者はって奴か? さすがババアは礼儀正しいな」         ランサーも全くは負けていない調子です。
  バサカ : むか!てめえより外見年齢は5〜7くらいしか上じゃねえだろうが!(笑)         …ちなみにそういえばランサーの身の丈やプロポーションってどんな感じ? こっちより小さい?
  GM  : ええと、165cmぐらい。まあ女性としては平均だね。         プロポーションも可もなく不可もなく。ランクでいうならCだ。         ランサー「大体、こそこそ陰から覗き見やがって。趣味が悪いんだよババア」
  バサカ : 「慎み深いんだよ、こっちは。武器をがちゃつかせるのは戦場だけでいいのさ、女の子ちゃん?」         と、そっちがババア呼ばわりするんならばお返しで発育不良の子供扱いして         長身と立派な胸を強調するように背筋を伸ばして言います。         ちなみに「野蛮人」「武器を持つべきでない所で武器をがちゃつかせる奴」と         …こまめにランサーの生前のポイントを無意識のうちについてたり(笑)         にしてもなんだろう、このブラックラグーンなおっかない女どもオーラ(笑)
  GM  : ランサー「はっ。戦士気取りなら、まず名前とは言わねえがクラスぐらい名乗れよ。              セイバー、でもない。アーチャーは神父。ってことはライダーあたりか?」
  駿人  : …なんか、エリックと目と目で通じ合える気がする。今なら。
  GM  : エリックは額に手を当てています。あちゃー。
  バサカ : にやりと笑って。         「ん、確かにそうだな、そっちが礼儀知らずだから、忘れてたぜ。          クラス名は…残念だが大外れだバーカ。オレは、バーサーカーだよ。」         と、どや! と(笑)
  GM  : ランサー「ああん?」         エリック「バーサーカー? 嘘にしては無意味だけど……」
  駿人  : 「…というか、あのライダーと一緒にするのは酷いだろうよ。…確かにクラス逆でも違和感ないが。」
  GM  : ランサー「いや、マスター。本当だろうよ。道理でお行儀がよろしくないわけだ。              狂化してるんだったら当然だったな。あたいも大人げなかったぜ」         エリック「ええー……」
  バサカ : 「冗談こけ。てめえみたいな不作法な無礼者を叩き切ってない時点で、          オレ我理性的なのはお前みたいな低脳以外は理解できるだろうが。          聖杯戦争のクラス修正程度の呪いなんざオレにゃあ効かねえのさ。          つまり、そんじょそこらの、バーサーカーで召喚されただけで理性がトんじまうような          ヘタレ英霊なんぞとは格が違う。オレこそが、地球最高のバーサーカーって訳さ。」         と、ランサーに言い返す…
  GM  : ランサー「はっ。そいつはまたなまっちょろい呪いだったわけだな。              自分を地球最高とか、井の中の蛙っていうんだったな、こういうのを」(びきびき)
  バサカ : やばい、同族嫌悪なのかノリが同じなのか何なのか悪口の応酬が止まらねえ(笑)
  GM  : もう駄目かもわからんね(笑)
  駿人  : 「…」         ちょいちょいとエリック君に小さく手招き。         …コレおさめる自信無いし、マスターはマスター同士で話すのですよ。
  GM  : いやいや放っておいたら切り合い始めるって(笑)         こっちも直情とか短気の判定が必要だな(笑)
  バサカ : やべえ、挑発しすぎたか!(笑)         「少なくともセイバー相手に尻尾巻いたお前よりゃ確実にゃ強いさ」         と思うんだけど最低限コレは言ってしまう〜(汗)
  GM  : 今更過ぎる(笑)         「ああん?」 6an3         (ころころ……) [5,2,1,4,5,2] = 3         駄目だったな……(笑)
  駿人  : 「…はいはい、休戦の相談中って事忘れてないかー。」         流石にこれ以上はヤバいわ。休戦が飛ぶ。
  GM  : ランサー「そこまでいうなら試してみるか、オラァ!」         ずらりと双剣を実体化させるランサー。         ランサー「自称最強のババア先輩。一つご教授してもらえないかね?              マスターを危険にさらす腕前って奴をな」         エリック「ランサー!」
  バサカ : 「…さあてね。お前を斬るくらいやってもいいが…          同盟を持ちかける「必要がある」と判断したのはそっちだろう?          こっちは、受けるかどうか思案してる状態だ。」         まだ悠然と構えを取らないまま。
  GM  : ところで直情で失敗したらすぐ殴りかかるの?(笑)
  駿人  : 「…はぁ…」         身構える事も無くため息ついてる。
  バサカ : 「不利なイベントを被る」だから、すぐ殴りかかって戦闘になるか         それ以外の不利なイベントになるかはGMしだい
  GM  : でも、こいつはその手の伝承に事欠かないからな…(笑)
  バサカ : 「…もう一度言うが。「同盟を組む必要がある」と判断したのはそっちだ。          この程度の口げんかで「必要がある」と判断した戦略を放棄して          マスターと、チームに不利益を与える。          それで、本当にいいのかい?…後悔は先に立たないよ?」         と、気負わず、されど油断なく。         だが、確かに自分の強さへの自信を感じさせる立ち居振る舞いで、お前はそれでいいのか?         英霊として。英霊たる己のあり方として、それでいいのか、と、問うてみます。
  駿人  : 「…そもそも、今が昼間で此処は教会の前だって忘れてないだろうな。アンタら。」         派手に戦ったら怒られるってわかってんのかと言外にバーサーカーにも釘射しとく         挑発しすぎないでよ、と。
  GM  : エリック「ランサー。頼むから、今はやめてくれ。お願いだ」
  バサカ : まあ、メタ知識的には         「また繰り返すのかい?」         という所だな。
  GM  : 挑発しないのは無理だ……お互い短気だからな(笑) 6an3         (ころころ……) [5,5,1,2,6,3] = 3         うーん。目は普通なんだけど……じゃあこれはいっておこう。         ランサー「わかった……けどな、バーサーカー。てめえは絶対にあたい達でぶっとばす!」         エリック「達って」
  駿人  : 「…頑張れ、青少年。」
  GM  : しぶしぶ双剣を消して、エリックの後ろに下がります。
  駿人  : 「…んで、話し戻していいか?キャスター陣営絡みに。」
  GM  : エリック「ええ……お願いします」
  バサカ : 「…(やば、やりすぎたわ)」         と、ちょっと流石に内心反省。けど、ランサーと意地張り合ってるんで、表面には出しません         …あとでマスターには謝るが(笑)
  GM  : エリック「死徒がこの街に根を張っていて、              犠牲者を出し続けているというのなら、僕は放ってはおけません。              監督役からそういう情報が来たということは、それが彼らの意向なのでしょうが…」
  駿人  : 「…警察の側は、ライダーのマスターの犯行として追ってるが…          流石にこうぽこぽこ犠牲者出されちゃ敵わん。          あそこを落とすための休戦なら、受け入れさせてもらうぞ。」
  GM  : エリック「わかりました。それではランサー組とバーサーカー組は一時休戦としましょう。              期限はキャスター組を打倒するまで。それ以上の協力は……」
  駿人  : 「同盟の方は、胃薬必須になると思うぞ?もしやったとしたら。」
  GM  : エリック「でしょうね」         ランサー「あいつが悪い」
  バサカ : 「先に人の事をキャスターに殴り負けたヘタレと罵ったのはそっちだろうが!?」         と、思わずまた言い返しますが
  駿人  : 「…つーわけで、お互いの胃と相棒の為にも休戦止まり、っつーことで。」
  GM  : ランサー「てめえも……っと」
  バサカ : 「…(目を瞑ってこめかみに指を当てて)…悪い悪い、済まなかったよマスター。          子供の言う事だ、今後はもう少しマシにやるから、胃袋へのダメージは何とか低減するよ…」         と、マスターの事を思ってここはクールダウン&謝罪を。
  駿人  : 「…気にしてないからそっちも気にするなよ、バーサーカー。          …むしろその気遣いは彼にしてやれ。一番苦労しそうだから。」
  GM  : ランサー「そうだったな。ババアの更年期障害につきあっちまった。悪い、マスター」
  バサカ : 「…・!(わなわな)」         畜生アタシの何処がババアだ25は立派に若者だっつーの!と、思いますが堪えます(笑)
  GM  : エリック「……連絡手段は確保しますか?」
  駿人  : と、エリックに電話番号(携帯)渡しながら。
  GM  : 携帯は……あるのか? いや、ない!(笑)
  バサカ : ああ
  駿人  : 無いの?
  バサカ : この時代、携帯電話はまだない、90年代だか80年代だかって設定だったはず
  駿人  : …ポケベル?
  GM  : ああ。移動目標への連絡手段はない。魔術的なものは除いて。         渡すのなら事務所の電話ってことになるが…
  駿人  : …固定電話の番号渡すと家が割れるんだよなぁ。(後姫さんのことが見つかりかねない)
  GM  : そうですね。悩みどころでしょう。
  駿人  : GM、携帯代わりの式神って作れませんか。探査魔術で。
  GM  : ええと、駿人からエリックに連絡するのは問題ないですね         ふむ。それじゃ、あれだ。伝書鳩みたいに伝言を伝える使い捨ての式神を渡すことにする?
  駿人  : ソレで。
  GM  : うい。
  駿人  : …鼠かな。ポケットとかに入れやすいように。
  GM  : では駿人は式神を作って渡した。         ランサー「おっ、へへ。こいつ可愛いな」         ちーちー遊んでる。
  駿人  : 「まぁ、もしキャスター陣営と接触したら連絡入れるわ。」         遊ばれてる式神は気にしない
  バサカ : 「いや、むしろお前が可愛いよ。」         と、意外と無邪気な様子を見せるランサーに思わず微笑む(笑)
  GM  : エリック「わかりました。それではまた会いましょう」         ランサー「ば、ばかっ。何が可愛いだよ。ばかにすんじゃねえ」
  バサカ : 「かはっ、何、気にするな。          さっき、【子供は殺せないとか】っつってたが、オレはまあ、敵としてなら殺せない訳じゃないが、          子供は好きだ。だから、そういう可愛いものに目を輝かせるような事は、嫌いじゃない。          お互い、叶えたい願いがあって死後まで戦う同士、多少の凸凹や愛響くらいはあるもんだろ。          意地を張り合う事はあっても、そういう事を馬鹿にはしない。          そのネズミ、マスターの作ったもんだから、大事にしてくれれば嬉しいさ」
  GM  : では二人は去っていくということで、いいですか?
  駿人  : らじゃー
  バサカ : あ、最後に         「じゃあな、お互い良い聖杯戦争を。」         と、ランサーにそういって見送ります。
  GM  : ランサー「はん。騎士としての貞節を望むのは酷だろうが、期待しないでおいてやるさ」         というわけでランサー組は去っていきます。歩いて。
  バサカ : 「…」
  駿人  : 「…色々有ったし、俺らも一度戻るか?」
  バサカ : 「…あいつ騎士だったんだ。」         と、居なくなった当たりで思わずぼそりと、騎士の言動じゃねえよ!(笑)         と、思わずショックを受けましたが(笑)
  GM  : それは仕方ない、そういう騎士だから(笑)
  バサカ : 「ああ。…悪ぃ、マスター。武名を疑われるってな、どうしても堪えが効かなくてな…」         と、髪をくしゃっとやりつつ、マスターに謝ります。
  駿人  : 「…いや、三『騎士』だよな?ランサーアーチャーセイバーて。」
  バサカ : 「いや、クラスとしての「三騎士」は、あくまで雅称だからな。          あの様子だとそうじゃなく、生前に「騎士だった」ってことだろ、多分。」         三騎士クラスでも生きてる時騎士じゃなかったものはいるけど         あいつは一応本当に騎士だったらしい、と。
  駿人  : 「まぁ、さっきも言ったけど気にしてないさ。          …溜め込んで爆発するよりは、適度にガス抜きしたほうが良いだろ。」
  バサカ : 「…ありがとうな。にしても、ランサーチームとはあくまで、          「キャスターと戦う間はお互い争わず共闘する」、ってことでいいんだよな?」         それ以上の相互支援は行わない、って感じで
  駿人  : 「…ああ。後は、情報提供も一応やる気だけどな。          …正直、キャスターとライダー同時に相手する気は無いし。」         (…しかし…どんだけ不幸だよ。あのランサー。)         心の中で、さっきのランサーの意外な不憫さにしみじみ同情
  GM  : うるせえな(笑) ランサーのステータス "筋力B 耐久B 敏捷A 魔力D 幸運E- 宝具? "   バサカ : 幸運E−である(笑)         「分かった。ま、それならそれなりに用心しようか。張り合う関係上強く出たが、          実際あいつは出来るぞ、マスター。地力の勝負ならこっちに分があるだろうが…          こないだやりあったアサシンと同じく、切り札の底が見えねえ。          南の神の気配を感じたような気もしないでもないが…なんてぇか、嫌な気配だ。」         大体、ランサーなのに槍ではなく剣を使っているというのが、ある意味正気のバーサーカーより底知れない。         切り札たる「槍」は、いかほどのものだろう。         あ、南の神、って言った時、後ろの教会を親指でくいって指します。         バーサーカーの生前、キリスト教はもっと南のほうの教えだったから。
  GM  : ヴィンランド=サガでは結構教化していたけどな。
  バサカ : あの時代には魔剣も竜も巨人も絶滅してたから、バーサーカーの時代よりちょい後ってことで(笑)
  駿人  : 「…使えれば、良いんだろうけどな。」         あの幸運値だと、使う前になんかありそうで。
  バサカ : 「酷い事言ってやるなよ、全世界の悲運の英霊に謝れ」         流石にそれは頭抱える(笑)
  GM  : ディルムッドのことかー!(笑)
  駿人  : 「…いや、悲運って大抵普通E止まりだろ?幸運……あの嬢ちゃん、幸運E-あったぞ。」
  GM  : そりゃあ……悲惨のなかの悲惨ってことだよ(笑)
  バサカ : 「で、だ。これからどうする?一応、今朝の時点でオレなりに今後の事を考えてみたんだが。」         聞いてみる?
  駿人  : 聞いてみる。
  バサカ : 「まあ、各チームの行動今後どうするかな、ってのを、オレなりに予想してみたんだが。          セイバーチーム:とにかく正面きっての勝利を狙う為、積極的に他のチームとの交戦を狙う筈。          調べて、御姫がこっちに転がりこんでるのを知ってこっちに来るか、街を流してかかってくる相手を探す筈。          ランサーチーム:セイバーチーム相手に正面きって勝てなかったんで、          正面戦闘が基本なランサーの特性上、同盟者を探すと思われる。          アーチャ―チーム:今聞いたところによれば、とにかくキャスターチームを探して仕掛ける筈。          ライダーチーム:暫くは被ったダメージの回復に努める筈。また、此方との勝負を考えると、          同盟か、切り札を使う準備か、何か手を討とうとする筈。          アサシンチーム:今後もマスターを隠して横殴りの機会をうかがう者と思われる。          キャスターチーム:吸血を続け力を蓄えるものと思われる。          …ざっとこんなところで。で、ランサーチームがいきなり予想通りにこっちに接触を持ってきた訳だ。          狙いはキャスターだったがな。          なので、今後起きうることとしては、セイバーチームがつてをたどって御姫に繋がりのある家である          こっちに突っかかって来る可能性がまあ半々、それと、マスターが目撃した商店街近辺での          アーチャ―チームとキャスターチームの交戦が近い将来かなりの確率で発生するだろ、ってのが          オレの読みだな。」         と、考えを披露します。
  駿人  : 「…とりあえず、ライダーを潰せれば安定なんだよな。          正直、回復してまた来られたら面倒だし。…ついでに一つ気になる点としては…          なんでアサシンは、ライダーじゃなくて俺たちを狙ったのかって点がある。          他陣営が消えれば楽になるバトルロイヤル。          消耗したライダーじゃなくこっちに仕掛けた理由が分かりにくい。          やっぱり、バーサーカーの能力を危険視した、とかなのかね。」
  GM  : 君等はアサシンというものがどういうものかわかってないな……(笑)         アサシンにとっては3騎士クラスが終盤に残った時点で負けなんだよ……(笑)
  バサカ : いや、あんだけつよけりゃ、三騎士とでも渡り合えるだろ(笑)
  駿人  : …三騎士でも上手くやりゃ確殺できそうですよね。奇襲成立すれば。
  バサカ : 「こっちを危険視した、のが筋だろ。          やれるなら、強い方を不意打ちでやってその後弱い方とやりあったほうが、          勝てる率が上がると踏んだ訳だ。…で。対キャスター同盟を結んだわけだが、          どうするんだマスター、そこは。狙うのは。キャスターか。ライダーか。」         と、問うておきましょ。
  駿人  : 「…ライダー優先かね。キャスターは、ほっといてもアーチャー陣営と          ランサー陣営から狙われる。となれば、狙うべきはライダーだろ。」         等と話しつつ帰路に付くのです。
  バサカ : 「分かった。ま、どっちも犠牲を出し続けてるわけだから、          何とかしにゃあならんが、優先順位はそれで、ってことだな」         といいつつ戻ります。
  GM  : では、12/16 3日目、昼。終了します。
幕間。少し時間をさかのぼる 12/16 14:34 月詠市温泉宿 「ふい〜」  ランサーは体からぽかぽかと湯気を上げながら、板張りの廊下を歩いていた。  着ているものは鎧ではなく、紺と白の縞模様の浴衣。それに首から提げた黄色のバスタオル。  ぶるぶるっ、と頭を振ると。ライトブラウンの髪から水滴が飛び散った。  その様はどこかライオンを彷彿とさせる。  この旅館に居を構えてから二日目。  最初はお湯につかることも、硫黄臭も野外であることも警戒していたランサーだったが  今ではすっかり気に入り、帰ってきたときは必ず露天風呂に入浴することにしていた。 「あ、オカミさん。後で酒、部屋に持ってきてくれないかな」 「はいはい、ランサーさん。ビールですか? 日本酒ですか?」 「んー、どっちも。一本ずつで」  途中で通りがかった従業員に酒の注文をしておくのもすっかり慣れた。  その後、軽く雑談もする。お連れ様のぶんは? いやーあいつ未成年なんで。  下手な鼻歌を唄いながら、部屋に戻るランサー。  一応  彼女の名誉のために言っておくと、これは魔力補給の一環でもある。  ランサーのマスターは魔術師ではなく、魔力そのものの量も一般人並だ。  そのため、ほんのわずかでも魔力の足しになるよう、サーヴァントなのに飲食をしているのだ。  この際。彼女が酒好きであることとは無関係としておこう。  加えて。彼女が保有している単独行動のスキルによって大部分は賄えてしまっているのだが、まあそれもよしとしよう。  何しろこの時代、この国は酒がうまい。それ以上の理由がどこに必要ある?  ランサーが上機嫌で部屋に戻ってくると、彼女のマスターは壁に寄りかかって目を閉じていた。  服装はジーンズに皮のジャケット。そして彼の礼装である、銀の鞘の剣を抱くようにして座っている。  腰まで伸びた金髪に碧眼。年のころは二十前。  彼がランサーのマスターであり、この聖杯戦争に協会から派遣された執行者、エリック=プラチナだった。 「戻ったぜ、マスター」 「うん」 「窓開けるからな」  部屋を横切り、障子を開けるランサー。  窓からは明るい日差しと、雪で白くなった町が一望できた。  この部屋は旅館の二階にあり、窓からの眺めは見晴らしがいい。  つまり絶好の狙撃ポイントでもある。  そのため、ランサーがいない間、彼は窓も開けずに部屋でじっとしていたのだった。  もちろん部屋ごと吹き飛ばされれば何の意味もないが、できるだけ確率を減らすことはできる。  なにしろエリックは魔術が使えず、そしてランサーも魔術は使えない。  聖杯戦争に必勝の覚悟で臨む以上、色々と気をつけなければいけないことは多かった。  それは入浴に関してもいえる。 「マスターも風呂入ってきたらどうだ? 気持ちよかったぜ」 「僕はいいよ。まだ人がいるだろうし……」  エリックの命綱である礼装『白銀方形』  彼自身は一般人並の身体能力しか持たない以上、戦争中はできるだけ持ち歩いておきたいところだ。  しかし、短めとはいえ剣である。  外なら袋に入れて目立たないようにもできるが、温泉にまで持ち込むのは、人気がなくなってから出ないと難しい。  (ちなみに錆びたりはしない。錆びてたまるか)  なのでここ二日のエリックは、深夜になってからこっそりと浴場に、タオルにくるんだ白銀方形を持ち込んでいた。  もちろん霊体化したサーヴァントを同行させることはできるが、念には念を入れて、だ。 「いや。さっきオカミに聞いたんだけどよ。個室の風呂もあるみたいだぜ」 「個室……サウナなのかな?」 「いや、家族風呂っていうらしくてな。部屋に狭い湯船があるらしい」 「そうなんだ。それなら礼装も持ち込んでゆっくりできそうだね」 「定員二名からで、混んでるときは予約制らしーぜ」  普通に風呂に入っていた通り、この旅館にはランサーも人間として宿泊している。  二人なら家族風呂に入っても何の問題もない。  ランサーがからかうように続ける。いや実際、からかっている。 「なんなら背中でも流してやろうか、マスター。ひひっ」 「あのねランサー……体を洗うくらいは一人でできるよ」 「そういうんじゃない。親睦を深める裸の付き合いってやつさ。  これから戦っていくんだ、そういうのも必要じゃねえか?」 「……本音は?」 「あたいだって家族風呂に入りたい! 酒持ち込んだっていいって聞いたし!」 「わかった、わかったよランサー。僕は準備してるから、君は旅館の人にお風呂の予約を取ってくれ」 「実はもうお願いしてきたんだ。酒も一緒にな。いひひ」 「まったく、君ってひとは」  エリックは呆れ顔だが、決して不快そうではない。  お互いの間に流れる空気は、サーヴァントとマスターというよりも。何かの家族のようだった。  ちなみに。この組は月詠聖杯戦争でトップクラスに相性がいい。  境遇と願いが似通い、さらに文化圏が同じというトリプルコンボだった。  (ただし能力相性がよいわけではない。二人とも魔術が使えないし)  お互い、失ったものを相手に重ね合わせているのだ。  かりそめの絆。  しかし、二人が家族のように、背中を流したり流されたりすることはなかった。   ゴーン、ゴーン、ゴーン  唸るように、遠くから教会の鐘が聞こえてきた。  それは月詠聖杯戦争開始の合図。  この町に、七騎七人のサーヴァントと魔術師が揃ったのだ(厳密には違うが)  エリックは入浴の準備を中止して立ち上がった。上着を羽織り、礼装を皮のホルダに入れて腰に下げる。  教会を訪れた最後の組は、まだその付近にとどまっている可能性が高い。  この場所は教会から近い。接触するチャンスだった。  ランサーはすでに浴衣から鎧姿になり、霊体化している。 『んじゃ、行くか』 「ああ」 『さあて。話が通じる手合いだといいな、マスター』 「ランサー。くれぐれも、手出しはしないでくれよ」 『そいつは相手次第だな。一発殴ってから言うことを聞かせたほうが早い場合もあるんだぜ』 「君さあ、いつも誰にでもそんなじゃないか?」 『会って二日なのに随分だな。まあそうだけどよ』  さすが、野蛮と呼ばれた騎士は格が違った。  なんでこんな人呼んじゃったんだろうと、根が平和主義者のエリックは若干後悔したが後の祭りだ。  それでも、この一人と一騎は必勝を誓っていた。  何があっても。